連載
初めての出会い、一年に一度の再会、本を介し人を知ること
2024/6/27
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは、主に仙台を拠点にした移動式本屋を営む「ペンギン文庫」。2024年3月には山形に店舗をオープンし、様々な土地で活動されています。そんなペンギン文庫の店主・山田絹代さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
移動式本屋として様々な土地で本の空間を作ってきたペンギン文庫は、初めての出会い、一年に一度の再会、本を介し人を知ることを提供する場所だと思っています。視覚的な高揚感も大切にディスプレイしています。
2.選書のこだわりは?
写真や美術、文芸、詩などの新刊書を中心としたラインナップです。基本的にすべて買切で、自分自身も長く読み続けたい書籍を紹介しています。
3.棚作りのこだわりは?
車内の内装と山形店舗の本棚はリンクするように、また、本に向き合う時間が持てるような配置を考え、作ってもらいました。ディスプレイしている彫刻やアートは東北の方に制作をお願いしています。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『時間旅行者の日記』(著:藤岡みなみ/2024年)
1月1日から12月31日までの366日の日記の中で、5歳の文章や35歳の文章が今日明日関係なくタイムトラベルする。いつかの「わたし」は「あなた」になり、他人事と無関心だったことが自分の立場になり熱を帯びる。「あなた」が「わたし」に価値観が変わる瞬間を大切に拾いあげるような日記集だと感じた。
🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
ペンギン文庫さんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
山田絹代
2015年5月に移動本屋「ペンギン文庫」始動。仙台市を拠点に写真や美術、文芸、詩などの新刊書を中心としたラインナップで、様々な土地で本と本屋の持つ新たな可能性を探す移動式の本屋を開いている。2024年3月山形市Q1内に固定店舗をオープン。
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