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連載

本屋B&B(東京・下北沢):連載「あの本屋に行こう」

「偶然の出会い」を街ゆく人の日常の中に生み出すべく手を尽くすこと

一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?

この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。

今回ご紹介するのは東京の下北沢BONUS TRACK内にある「本屋B&B」。主にフェミニズムや家庭の医学、海外文学、絵本などの選書を担当している舟喜さとみさんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。

お店に関わるスタッフ全員で選書をすることにこだわっています

本屋B&B・舟喜さとみさん

1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
本屋B&Bは、2012年に内沼晋太郎と嶋浩一郎が「これからの街の本屋」というコンセプトを掲げてオープンしました。そこには、「偶然の出会い」を街ゆく人の日常の中に生み出すべく手を尽くすこと、という意志がこめられています。お店に関わるスタッフは、それぞれがこのコンセプトと日々向き合い、考えながらお店づくりに反映しています。

2.選書のこだわりは?
お店に関わるスタッフ全員で選書をすることにこだわっています。本棚ごとにメインの担当はいますが、働いているスタッフ全員が関わることで、雑多な良さがあってオープンな雰囲気の本屋になると考えています。

3.お店の空間のこだわりは?
本屋B&Bは2020年にBONUS TRACKの2階に移転し、正面口と西口、どちらからも入っていただけるようになりました。入り口からは太陽の光や、風や、街の声が入ってきて、季節を感じることができる空間です。とても開放的なので、時間を忘れて本棚をまわることができますよ。
また、お店の周りには緑がたくさんあります。自然が好きなスタッフが多いので、道で見つけてきた松ぼっくりやタイサンボクの実、きれいな石などを拾って、いつの間にか本棚やレジカウンターに置いていたり。こちらも面白くてかわいいので、ぜひ見つけてみてください。

4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。

本屋B&B(東京・下北沢):連載「あの本屋に行こう」

『母がゼロになるまで』(著:リー・アンダーツ、発行:河出書房新社/2023年)

お風呂に入らず、部屋はゴミ屋敷で、あらゆる人にお金を借りようとする。
著者のリー・アンダーツさんが、そんな癖を持ったお母さんと過ごした日々についての一冊です。
お母さんの癖によって困った人から電話がかかってくるリーさん。何とかしなければならないけれど、だからってすべてやってあげる介護ではなく、お母さんの生活の手助けをする。そんなリーさんのお母さんに対する働きかけを読んで、わたしがしてあげたいことと、あなたがしてほしいことは違う、そんな当たり前に気づかされました。

📍書店情報
本屋B&B
住所:〒155-0033 東京都世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F
営業時間
平日 12:00-21:00
土日祝日 11:00〜21:00
※イベントにより変動があるため、詳細はWebサイトをご覧ください
URL
書店 | 本屋B&B | 東京都
Twitter
Instagram

🚶‍♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
本屋B&Bさんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。

me and youの「あの本屋に行こう」マップ

舟喜さとみ
1990年、東京生まれ。2020年から本屋B&Bで働いている。棚担当はフェミニズム、家庭の医学、海外文学、えほん。

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