連載

古本と新刊 scene（熊本）：連載「あの本屋に行こう」

小さな店でしかできないことをしたい

編集：久保山領

リード文：野村由芽

2023/9/29

一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう？

この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。

今回ご紹介するのは、2022年にオープンした熊本県熊本市にある「古本と新刊 scene」。店主の高岡浄邦さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。

「他にない」というのに拘りすぎず、色んな方に楽しんでいただけるようなラインナップを目指しています

古本と新刊scene・高岡浄邦さん

1.どんなことを大切にしている本屋ですか？
10坪ほどの広さしかなく、蔵書数も多くない店ですが、小さな店であることを活かした、小さな店でしかできないことをしたいという思いから、少人数の読書会や店舗内でのライブイベントを定期的に実施しています。そういったイベントがお客さま同士の新しいつながりを生むきっかけになればと考えています。
また、いつでも好きなときに来て、ゆっくり本を眺めて楽しく過ごせる場所でありたいです。

2.選書のこだわりは？
「自分が面白いと思う本」というのが、棚に並べる本を選ぶ時の一番の基準です。ZINEやリトルプレスのような、近隣では他店があまり扱っていないようなタイトルは特に重視していますが、「他にない」というのにこだわりすぎず、いろんな方に楽しんでいただけるようなラインナップを目指しています。

3.お店の空間のこだわりは？
古材を使った本棚は、大工さんにつくってもらったものです。高さがしっかりあるので、本の判型に縛られず遊びをきかせたディスプレイができて、気に入っています。
市街地の中心部からは離れた、わざわざ足を運んでもらわないといけない場所にあるので、ご来店いただいた方が落ち着いてゆっくり本を選べるよう、ゆとりのある空間にしています。

4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。

古本と新刊 scene（熊本）：連載「あの本屋に行こう」 — 『ふきよせレジデンス上・下』（著：谷口菜津子、発行：KADOKAWA／2023年）

まちの小さなお店「ツルカメコンビニ」を舞台に、様々な人達の心の交流を描いた物語。家族でも友達でもないけれど、「ひとり」と「ひとり」がゆるやかにつながる小さな奇跡に、心が温かくなります。

📍書店情報
古本と新刊 scene
住所：〒862-0954 熊本県熊本市中央区神水1丁目2-8 輔仁会ビル 202号室
営業時間：
月〜木 18:00〜22:00（祝日の場合は11:00〜19:00）
金〜日 11:00〜19:00
定休日：毎月第1・3金曜日、その他不定休
URL：
書店 | 古本と新刊 scene | 熊本県
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