連載
誰かの生活がただそこにあり、日記もただそこにある
2023/10/31
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは、東京・下北沢にある「日記屋 月日」。店長の栗本凌太郎さん、ディレクターの久木玲奈さんのお二人に言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
栗本:わたしとあなたは別々の他人だということ。
久木:お店で取り扱っている本はすべて「日記」の本なので、訪れた方にたくさんの日記本との出会いをおたのしみいただきたいなと思う反面、それを覗き見であるとか、面白いもの見たさであるとかのように捉えられないようにしています。
個人としては、誰かの生活がただそこにあり、日記もただそこにある、というように誰かの暮らしに優劣をつけたり「特別さ」を付随させたりしないように、気をつけています。
2.選書のこだわりは?
栗本:お店では「それぞれの文章に日付のついているもの」を日記と定義して、日々探し集めています。日記は書いた人の生活そのものでもあるので、内容に優劣はないと思っています。商いでもあるので、すべてを置くことはできませんが、選書という行為がほとんど発生しないことが良いところだと思っています。
久木:主に日付から始まっている日記本を置いていますが、日付がついていなくても「日記的だ」と思う本もあります。なぜそれが「日記的」なのかは、スタッフの対話の中で言語化されていきます。
3.お店の空間のこだわりは?
栗本:ひとりぼっちでも二人きりでもない、沈黙に気まずさを感じない、けれどいつでも話しかけられる距離の、狭すぎず広すぎない空間を気に入っています。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
栗本:写真家の金川晋吾さんが、2010年に20数年ぶりに病院で再会した伯母・静江さんとの10年間の関係を描く、46点の写真と日記で構成された写真集です。他人のことを分かろうとしたり、やめてみたり、分からないままで関係が続いていくことについて思います。
久木:残っていくこと、残すことってなんだろうなと思います。
📍書店情報
日記屋 月日
住所:〒155-0033 東京都世田谷区代田2-36-12 ※BONUS TRACKという施設の中にあります。
営業時間:8:00-19:00
定休日:なし ※臨時休業などはInstagramをご確認ください
URL:
書店 | 日記屋 月日 | 東京都
Twitter
Instagram
🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
日記屋 月日さんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
栗本凌太郎
日記屋 月日 店長
久木玲奈
日記屋 月日 ディレクター
プロフィール
12月10日(日)に日記を楽しむイベント「第4回 日記祭」を東京・下北沢のBONUS TRACKで開催します。
第4回 日記祭 | 日記屋 月日
(※出店受付は終了しています)
おしらせ
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