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連載

twililight(東京・三軒茶屋):連載「あの本屋に行こう」

分けることでこぼれ落ちてしまうようなものをすくえるように

一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?

この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。

今回ご紹介するのは、2022年に三軒茶屋に生まれた「twililight」。店主の熊谷充紘さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。

自分もお客さんも真剣に遊ぶ場であれたら

twililight・熊谷充紘さん

1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
本屋だけではなく、ギャラリー、カフェ、屋上も含めて、ここでひと時過ごすことによって、落ち着いて自分自身と向き合えるような空間であれたらと思っています。

2.選書のこだわりは?
自分が好きな本、読みたいと思った本、お客さんに「ここなら置いてると思った」と言ってもらった本、お客さんに教えてもらった本など、特にこういう本を置く、といったこだわりはなく、基本的にすべて買い切りなので、店にずっと置き続けたいと思える本を選んでいます。

3.お店の空間のこだわりは?
完璧に整っている空間というよりは、もともとあった柱やお風呂場のタイルなどは残して、いろんな時間が感じられる抜けのある空間であり続けたいと思っています。

未完成のほうが息がしやすいし、これでいいと思わず、常に何かをやりたくなるかなと。自分もお客さんも真剣に遊ぶ場であれたらと思っています。失敗を恐れずにやりたいことをやってみることができる空間であるために、思いついたらレイアウト変更できたり自由に内装を変えることができる軽やかさを常に意識しています。

本屋、ギャラリー、カフェという形態もはっきりと分けることはせず、分けることでこぼれ落ちてしまうようなものをすくえるような、いろんなものに興味が向くきっかけになれたらと思っています。

4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。

「あなた」は少女に出会い、かつての子育ての日々を思い出す。思い出す対象がこの世にあることの励まし。懐かしいということは、失ってしまったわけではなかったということ。伝えられる喜びよ。読み終えて、ぷはぁと新たに息ができた。

📍書店情報
twililight
住所:〒154-0004 東京都世田谷区太子堂 4-28-10 鈴木ビル3F・屋上
営業時間:12:00〜21:00
定休日:火曜、第1・第3水曜
URL
書店 | twililight | 東京都
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🚶‍♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
twililightさんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。

me and youの「あの本屋に行こう」マップ

熊谷充紘

三軒茶屋で本屋&ギャラリー&カフェ『twililight』を営む。出版社としても、安達茉莉子『世界に放りこまれた』、レアード・ハント/柴田元幸訳『インディアナ、インディアナ』、畑野智美『トワイライライト』などを刊行。本と出会う場を広げるべく、イベント企画や選書、執筆も行う。屋上でぼんやりする時間が好き。(写真:tsukao)

LUSHとコラボレーションした浴室と詩のプロジェクト「BATHING & POETRY」が7月21日から始まりました。8月28日まで、もともとお風呂だったタイルの壁の前に本物のバスタブを置き、入浴に似合う詩集を展示。また、LUSHのバスボムに合う詩集も選書しています。

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