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連載

書肆 海と夕焼(東京):連載「あの本屋に行こう」

文学との邂逅、その瞬間の驚嘆を大切にしています

一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?

この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。

今回ご紹介するのは東京都府中市にある「マルジナリア書店」内の棚の一部とオンラインストアを主体に活動中の「書肆 海と夕焼」。店主の柳沼雄太さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。

小さいスペースであればあるほど本の脈絡が透けて見える

書肆 海と夕焼・柳沼雄太さん

1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
文学との邂逅、その瞬間の驚嘆を大切にしています。文学にまだ触れたことのない読者、文学を極めたいと思っている読者、文学との距離感はそれぞれですが、強制することなく文学との邂逅を楽しんでいただきたいです。そのために、読書会や朗読会を開催し、各々の方法で文学に触れていただく機会を創造してゆきたいと考えています。

2.選書のこだわりは?
文学、特に日本文学の小説を主軸に置きながらも、邂逅の間口を広げるために、詩集や論考、随筆、翻訳についての本など、私自身が自信を持ってお薦めできる本、そしてその周辺にある本をひろい上げるように選書することを心掛けています。

3.棚作りのこだわりは?
弊店はマルジナリア書店の中にあるので、このスペースが一目で「書肆 海と夕焼」の棚であるとわかるような濃度を保つことを念頭に置きながら、本の並びを考えています。小さいスペースであればあるほど本の脈絡が透けて見えると思うので、頻繁に本の並びを整えています。最近、棚自体を深い青色に塗り直しました。視覚的にも「海と夕焼」を感じていただけたら嬉しいです。

4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。

わたしが世界に対峙するとき、あなたが世界に対峙するとき、左川ちかの言葉にさざめく世界を想像する。やがて言葉は巡りゆき、ふたりの世界に厳かで艶めかしい色を塗る。「わたし」から少し世界を進めた「あなた」に関係するとき、左川ちかの言葉は標になると思う。

📍書店情報
書肆 海と夕焼(マルジナリア書店内)
住所:〒183-0021 東京都府中市片町2丁目21−9 ハートワンプラザ3階A
営業時間
平日:13:00-19:00
土日:10:00-19:00
定休日:なし※マルジナリア書店に準ずる
URL
書店 | 書肆 海と夕焼 | 東京都
Twitter
Instagram

🚶‍♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
書肆 海と夕焼さんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。

me and youの「あの本屋に行こう」マップ

柳沼雄太
福島県生まれ。書肆 海と夕焼 店主。マルジナリア書店の棚の一部とオンラインストアにて書籍を販売しながら、文芸批評などの執筆も行う。田畑書店刊行の文芸誌『アンソロジスト』では書評連載を担当。自店での読書会や他書店での出張読書会、ZINEフェスや古本市なども主催し、文學の面白さと読者を接続するムーヴメントを作り出すことを目標としている。(写真:鳥野みるめ)

・毎月12日、マルジナリア書店との合同の読書会「じゅうに読む会」開催中。
・YouTubeにてマルジナリア書店店主・小林えみとの読書案内番組「ジユウカッタツ」配信中。
・その他、双子のライオン堂(赤坂)を会場に、三島由紀夫「豊饒の海」を1年かけて読む会by書肆 海と夕焼も開催中。
・ブックカルテにて、選書サービスも行っております。詳細は書肆 海と夕焼のSNSをご参照ください。

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