連載
老若男女が普段着で来る本屋
2024/3/19
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは京都・左京区にある「ホホホ座浄土寺店」。店主の山下賢二さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
老若男女が普段着で来る本屋。
2.選書のこだわりは?
思想の足切りをしないということ。仮に自分が菜食だったとしても菜食の本しか並べないなどはせず、相反する価値観の本をなるべく並列に置きたい。最終的にセレクトするのは、お客さんだから。
3.お店の空間のこだわりは?
老若男女が自由に出入りできるような町の公園のような存在でいたい。そして、その空間を気に入った人たちがたまに「本を買うという行為」でそこの共同管理費として管理人の僕に託すという感じ。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『君はそれを認めたくないんだろう』(著:山下賢二、発行:トゥーヴァージンズ/2024年)
SNS投稿に潜む承認欲求。しかしその認めてほしいの影には「認めたくないもの」がいつも存在する。嫉妬、潔癖、コンプレックス、関係性。理由はそんなところか。しかしその認めたくないことにこそ、現状打破のヒントがある。奮起するか、病むか。この本は実際にあった出来事を通して、エッセイとしてその病理を紹介していくような本です。
🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
ホホホ座浄土寺店さんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
山下賢二
1972年、京都生まれ。2004年に「ガケ書房」をオープン。2015年4月1日、「ガケ書房」を移転・改名し「ホホホ座」をオープン。
著書に『君はそれを認めたくないんだろう』(トゥーヴァージンズ)、『ガケ書房の頃 完全版』(ちくま文庫)、『喫茶店で松本隆さんから聞いたこと』(夏葉社)、『やましたくんはしゃべらない』(岩崎書店)、共著に『ホホホ座の反省文』(ミシマ社)、編著として『わたしがカフェをはじめた日。』(小学館)などがある。
プロフィール
<『君はそれを認めたくないんだろう』認知会・全国ツアー>
2月12日(祝)京都・誠光社
3月8日(金)福岡・ブックスキューブリック
3月10日(日)岡山・文芸小学校(旧内山下小学校)※主催:451ブックス
3月16日(土)鳥取・汽水空港
3月22日(金)大阪・スタンダードブックストア
詳細は各店舗のHPやSNSにて。
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