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連載

自由港書店(神戸):連載「あの本屋に行こう」

ビーチに向かう青い一本道の途中、あらゆるものから自由であれるように

一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?

この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。

今回は、神戸市の南西、海のある街・JR須磨海浜公園駅南、ビーチに向かう青い一本道の途中にお店を構える、自由港書店の旦悠輔さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。

あらゆるものから自由であれるように。心に自由の風が吹き込む本屋

自由港書店・旦悠輔さん

1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
「自由」を大切にしています。世の中の空気、常識、普通(あたりまえ)とされること、誰かの圧、自分自身の見栄や執着、そうしたあらゆるものから自由であれるように。自分自身の心の奥底に眠る小さな声、そして直感に忠実であれるように。心に自由の風を通せるような本屋でありたいです。

2.選書のこだわりは?
「心に自由の風が吹き込んでくるような本」を探して、並べています。ああ、こんなふうな生きかたもあるんだ、じぶんを大切にして生きていいんだ、と思えるような本を、必死に探し続けています。そして、それはたぶん「詩性があるかどうか」なんだろうと思っています。言葉では説明が難しいこと、いまだ言葉にならないもの、言葉にできないこと、名付けようのないもの、それらを、それでも、言葉や、時には言葉以外の方法も織り交ぜながら、必死に伝えようとすること。そうした心の動きが詩なんだろうと思います。「詩集」に限らず、この世界には「詩性を宿した本」があります。そうした本こそが、「心に自由の風が吹き込んでくる本」なのだと思っています。

3.お店の空間のこだわりは?
ひとりでも安心して過ごしていただけるような空間とすることにこだわっています。気軽に出入りしていただけるように、真夏でも真冬でも扉を全開にしています。常に、あたたかな明かりを灯し、ゆるやかに風を通しています。静かに、棚と向きあい、自分自身の心の内と向きあっていただくことができるように。

4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『あたしとあなた』(著:谷川俊太郎、発行:ナナロク社/2015年)
──37の書き下ろし詩 特製しおり付
この詩集のためだけの特別な紙によって作られた特別な詩集
重版は来春完成予定

「あなた」はまずもって
理解不能な他者として現れる

理解や
ましてや共感から
果てしなく遠いところにある「あなた」へ
ことばで接近していこうとする「あたし」

ことばは
組み立てられたり
沈黙したり
捧げられたり
破られたり
弾んだりして
最後にどこに辿り着くのだろう

📍書店情報
自由港書店
住所:〒654-0048 神戸市須磨区衣掛町4丁目2番12号 内田ビル1階
JR須磨海浜公園駅南方面口正面|ビーチに向かう青い一本道の途中
営業時間:年明け1月より、日曜日も原則営業に拡大いたします
木曜11:00〜18:00、金曜13:00〜20:00、土曜13:00〜18:00、日曜13:00〜18:00
定休日:月曜、火曜、水曜定休
URL
Instagram
X(Twitter)

🚶‍♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
自由港書店さんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。

me and youの「あの本屋に行こう」マップ

旦悠輔

1980年、東京都国立市生まれ。尊厳と自由(ソンゲントジユウ)を求めて旅をして旅をして最後に辿り着いたまち・神戸の須磨の須磨海浜公園近くで、本屋をはじめました。

毎年、
年の瀬も年の瀬に、
東京で一日だけ自由港を開いています。

東京自由港

2024年は12月30日に
国立の北「room103」をお借りして開催します。

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