似たような境遇の誰かにとっての良き居場所になるような本屋でありたい

BREWSBOOKS・尾崎大輔さん

1.どんなことを大切にしている本屋ですか？
職場と自宅を行き来するだけの日々を送っていた時、他の居場所を見つけないとおかしくなってしまうと感じることがありました。似たような境遇の誰かにとって、良き居場所になるような本屋でありたいと思っています。

2.選書のこだわりは？
あまりこだわりはないのですが、独りで苦しまないでいいんだと思えるような本を選んでいる、ような気がします。

3.お店の空間のこだわりは？
1階は新刊書とブックセラークラブ（シェア型本屋）の売り場です。近所の久我山にあるMountain River Breweryからビールを仕入れており、立ち飲みOKです。
2階はイベントスペースで、畳敷きになっています。歌会や読書会など読み書きをするイベントにぴったりです。

4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『ワンルームワンダーランド　ひとり暮らし100人の生活』（編集：落合 加依子、佐藤 友理、発行：2024年／小鳥書房 ）

隣人の顔を知らなくても特に不便はなく、物音ひとつ聞こえなくても生活サイクルが自分とは違うのだと理解してそれ以上の関心を寄せることはない。それなのに、いろいろあって強烈に生きにくさを感じた時は、「一体全体どうやってみなさんは生きているんですか？　あの、あなたどうやって生きてますか？　すごくないですか？」と聞いて回りたくなります。
『ワンルームワンダーランド　ひとり暮らし100人の生活』は100人のひとり暮らしエッセイと部屋の写真を収めた本です。100人いれば100通りの「今、ここで暮らしている理由」があり、100通りの部屋の佇まいがあります。読んでいたらなぜか、「死に方の種類はたかが知れているけども、生き方というのは人それぞれ異なるものであり、自分には自分の生き方があるのだろう」と思い至りました。

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