連載
自由に思考するきっかけになる本屋でありたい
2024/8/29
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは、東京の上野にある「ROUTE BOOKS」。選書を担当する石川歩さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
「こうあるべき」に縛られず、自由に思考するきっかけになる本屋でありたいと思っています。
2.選書のこだわりは?
ROUTE BOOKSはカフェ・ギャラリー・キッチンスペース・パン屋・陶芸教室・ライブ会場などを併設している新刊書店です。本以外の接点が多い書店として、普段は読書をしない方にも本を手に取ってもらえることを願って選んでいます。
また、新刊書店として楽しんでくださるお客様が飽きないように、最新刊にこだわらず、新旧織り交ぜて良いと思う本を置いています。
3.お店の空間のこだわりは?
空間づくりはリノベーションを手掛ける工務店「ゆくい堂」が手掛けています。環境負荷を減らすために最低限のリノベーションにとどめ、本棚は廃材を利用して家具職人が製作しています。
選書担当で関わっていて感じるのは、誰にでも開かれていて、訪れたらほっとひと息つける場所であり、望むなら多様な人たちと繋がれる空間だということです。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『ヘルシンキ 生活の練習』(著:朴沙羅、発行:筑摩書房/2021年)
「性格や才能は持って生まれたものではなくスキルと捉えてみる」「スキルは一生練習できるものと考える」「個人の問題と思っているものは社会システムが問題かもしれない」など著者がフィンランドの生活で体験した目からうろこの思考が書かれています。他者との関わり方に爽やかな風を吹かせてくれそうな1冊です。
🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
ROUTE BOOKSさんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
石川歩
編集者、ライター、新刊書店・ギャラリー・カフェ等の選書を担当。
プロフィール
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