連載
日々、作物を育てるように本棚に手を入れる
2023/11/28
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは、2015年に福岡県うきは市吉井町で始まった「MINOU BOOKS」。店主の石井勇さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
地域に根付いていくこと。
日々、作物を育てるように、本棚に手を入れながら、
その地域の文化を耕すような街の本屋になれればと思っています。
2.選書のこだわりは?
暮らしの本屋をコンセプトに衣食住に関する書籍からアートブックまで幅広く取り扱っています。
地域に対して本屋という場所を開いていくこと、そして、この地域で暮らすということを日々考えながら選書しています。
(そういう意味ではこだわりは特にありません。)
3.お店の空間のこだわりは?
明るく、風通しがよく、気軽に入れる空間を心がけています。
また、店内の本棚や家具類のほとんどは、地元の家具工場にお願いして作ってもらいました。
出来るだけ大量生産のものではなく、想いをもって作られたものを置きたいと思っています。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『みな、やっとの思いで坂をのぼる 水俣病患者相談のいま』(著:永野三智、発行:ころから/2018年)
水俣病を被害者側からの視点で伝え続ける場所「水俣病センター相思社」で働く著者が、水俣病を通して学んだこと、そして出会った人々の言葉を記した本書。
その言葉からは、歴史の中ではなく、今の日常のなかに「水俣病」が確かに存在していることが伝わってくる。水俣病という未だ続いている大きな社会問題について深く知ることで、わたしも蚊帳の外にはいられない、歴とした当事者であることを自覚する。
📍書店情報
MINOU BOOKS
住所:〒839-1321 福岡県うきは市吉井町1137
電話番号:0943-76-9501
営業時間:11:00-18:00
定休日:火曜・金曜
MINOU BOOKS 久留米
住所:〒830-0045 福岡県久留米市小頭町10-12 1F
電話番号:0942-64-8290
営業時間:11:00-19:00
定休日:火曜
URL:
書店 | MINOU BOOKS | 福岡県
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🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
MINOU BOOKSさんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
石井勇
MINOU BOOKS オーナー
福岡市内にて、書店、音楽活動、写真館、デザインイベントの企画など様々な文化周辺での活動を経て、2015年9月に耳納連山の麓、故郷のうきは市吉井町にて「MINOU BOOKS」をオープン。
衣食住といった生活周りまわりの本からアートブックまで、「暮らしの本屋」をテーマに、いつもの日常に彩りを加えるような本をセレクトしている。
2023年6月、久留米市に2号店をオープン。
プロフィール
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