連載
店主もお客さんもそれぞれ自由にすごしてよい本屋
2023/8/23
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは、2022年に高円寺に生まれた小さな本屋「蟹ブックス」。店主の花田菜々子さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
居心地のよさ。本が大切で、お客さんが大切で、私もお客さんもそれぞれ自由にすごしてよく、買っても買わなくても大丈夫だよ〜! という心持ちを大事にしています。
2.選書のこだわりは?
自分と他者のことをもっと深く知る本と、どうしたらこの社会がもっとよくなるのかを考えるための本を多くそろえています。
3.お店の空間のこだわりは?
日当たりがよく明るい室内と、淡いグリーンに塗った壁はとても気に入っています。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』(著:森山至貴、能町みね子、発行:朝日出版社/2023年)
セクシュアル・マイノリティの当事者であるふたりの濃密な対談。とてもアナーキーでスリリングで、そして繊細な語りに心奪われました。2023年のマイベスト本です。
📍書店情報
蟹ブックス
住所:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南2-48-11-2F
電話番号:03-5913-8947
営業時間:12:00〜20:00
定休日:HPにて確認ください
URL:
書店 | 蟹ブックス | 東京都
Twitter
Instagram
🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
蟹ブックスさんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
花田菜々子
1979年東京都出身。
書店員としてさまざまな本屋で20年ほど勤めたのち、現在は高円寺『蟹ブックス』の店主をしながら書評を中心とした執筆活動をしている。
著書に自身の実体験を綴った『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(河出書房新社)など。
プロフィール
蟹ブックスが9月1日で1周年を迎えます!
おしらせ
関連記事
連載
分けることでこぼれ落ちてしまうようなものをすくえるように
2023/08/23
2023/08/23
連載
自分の家の本棚から友だちにすすめたい本を選ぶような感覚で選書
2023/08/23
2023/08/23
連載
誰もが安心して存在できる「セーファースペース」を目指して
2023/09/29
2023/09/29
連載
小さな店でしかできないことをしたい
2023/09/29
2023/09/29
連載
本を選んでいるうちに視野が広がる体験をしてもらえるように
2023/09/29
2023/09/29
連載
日々、当たり前に店を開けること
2023/10/31
2023/10/31
連載
本、器、ギャラリーが一つになった空間
2023/10/31
2023/10/31
連載
誰かの生活がただそこにあり、日記もただそこにある
2023/10/31
2023/10/31
連載
文学との邂逅、その瞬間の驚嘆を大切にしています
2023/11/28
2023/11/28
連載
日々、作物を育てるように本棚に手を入れる
2023/11/28
2023/11/28
連載
沈んでいくような心持ちのときにふと足が向かう場所でありたい
2023/11/28
2023/11/28
連載
人と本、人と人の出合いを大切に
2023/12/20
2023/12/20
連載
「偶然の出会い」を街ゆく人の日常の中に生み出すべく手を尽くすこと
2023/12/20
2023/12/20
連載
おきまりの定食屋さんみたいな場所になれたら
2024/01/30
2024/01/30
連載
他者の足跡を通して世界と触れ合う足がかりになれれば
2024/01/30
2024/01/30
連載
県内外のひとがほどよくチャンプルーして交流ができるように
2024/02/29
2024/02/29
連載
普段触れている世界とは違う時間・違う価値観を感じられること
2024/02/29
2024/02/29
連載
老若男女が普段着で来る本屋
2024/03/19
2024/03/19
連載
変化を恐れないこと
2024/06/04
2024/06/04
連載
架空のあるひとりの女性を思いながら選書
2024/03/19
2024/03/19
連載
蟹ブックス/twililight/日記屋 月日/OH! MY BOOKS etc…
2024/04/11
2024/04/11
連載
100年後の人にも響くような本を扱えたら
2024/06/04
2024/06/04
newsletter
me and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていること、新しい場所の構想などをみなさまと共有していくお便り「me and youからのmessage in a bottle」を隔週金曜日に配信しています。
me and you shop
me and youが発行している小さな本や、トートバッグやステッカーなどの小物を販売しています。
売上の一部は、パレスチナと能登半島地震の被災地に寄付します。
※寄付先は予告なく変更になる可能性がございますので、ご了承ください。