連載
沈んでいくような心持ちのときにふと足が向かう場所でありたい
2023/11/28
一冊の本に出会うことは、新しい扉をひらくこと。たとえば頭や心にもやもやと霧がかかっているようなとき、世界の未知の側面に手を伸ばしたいとき、旅に出たとき、いつもは歩かない街に行ってみたいなとふと思ったとき……。そんなとき、本屋を訪れてみるのはいかがでしょう?
この記事では、me and youがおすすめしたい本屋さんをご紹介します。me and youが出版している小さな本を取り扱ってくださっている独立系の書店を中心に、自分の意思でお店を立ち上げたり、心地よい方法を日々工夫しながら、その土地に根づいた場所づくりを行っているお店たち。つくり手の表情が見える本屋は、そこに集まった人たちが想いや考えを交換したり、学びあうような場になったりしていることも。訪れればきっと、さまざまな形の居心地のよさに出会えるような本屋たちです。
今回ご紹介するのは宮城県仙台市にある、築120年を超える建物を店舗とした「曲線」。店主の菅原匠子さんに言葉を寄せていただきました。記事の最後には、『あの本屋に行こう』のGoogle Mapも埋め込んでいるので、お散歩や旅のおともにぜひご活用くださいね。
1.どんなことを大切にしている本屋ですか?
静かに本と向き合う時間を大切にしています。また、元気で楽しいときには存在を忘れていても、たとえば雨が降っていて、沈んでいくような心持ちのときにふと足が向かう場所でありたいと思っています。
2.選書のこだわりは?
その時だけのものではない、長く残り、続いていく本を選んでいます。
3.お店の空間のこだわりは?
天井が高く、また、大きな窓から庭先の緑をながめることができるので、奥まった立地であっても開放感がある空間です。
4.「わたしとあなた」というテーマで、おすすめしたい本を1冊教えてください。
『新編 不穏の書、断章』(著:フェルナンド・ペソア、訳:澤田直、発行:平凡社/2013年)
70もの人格〈異名者〉をつくり、作品を書き分けたポルトガルの詩人の作品。
異名者のひとり、ベルナルド・ソアレスによる「不穏の書」と、諸人格による断章が収められています。自分とは何か、という問いに孤独に立ち続けた詩人の内なる世界に触れることができます。美しい内省の極北。”わたしとあなた”というよりは”わたしとわたし”かも? しれません。
📍書店情報
曲線
住所:〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡2丁目3-30
営業時間:12:00-19:00
定休日:水曜
URL:
書店 | 曲線 | 宮城県
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🚶♀️本屋を訪れてみよう
me and youがご紹介したい本屋を地図にまとめました。
曲線さんのほか、全国の本屋を都度更新していきますので、おでかけのお供にチェックしてみてくださいね。
菅原匠子
2019年に宮城県仙台市内に〈曲線〉をオープン。
新刊書、少しの古書、ZINEや音楽メディアなどをお取り扱いしています。
本のラインナップと親和性の高いイベントや展示も行っています。
プロフィール
『New Habitations from North to East 11 years after 3.11』刊行記念トーク・写真展
東日本大震災から11年目に撮られた写真と、
11年の間に語られた土地の言葉。
被災地の現在と過去が織り成す、「あたらしい風景」。
本書の刊行を記念して、作者のトヤマタクロウさんと瀬尾夏美さんをお迎えし、写真をプロジェクションしながら、それぞれの場所についてのエピソードをお話していただきます。
まだ、トヤマタクロウさんの写真と瀬尾夏美さんの言葉の展示を同時期に開催します。
【展示】
期間:2023年12月9日(土)-12月26日(火)※期間中の水曜日は定休
【スライドショーとトーク】
日時:2023年12月9日(土)(open 16:30 / start 17:00)
『New Habitations from North to East 11 years after 3.11』刊行記念トーク・写真展 | 曲線
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