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羽永の写真を飾る生活。リサイクルショップにあるフレームをかき集めて記憶をのぞいてみよう

「記憶が手に取れる場所にあるのは、媒体の中に眠らせておくよりも愛おしい」

おいしいごはんを食べたとき、旅に出たとき、大好きな人たちに会ったとき、忘れられない風景と出会ったとき。スマートフォンのおかげで、写真を撮るという行為はいつからか身近なものになりました。一方で、いまは画面の中で楽しむことがほとんどで、「印刷して、部屋に飾る」ことはフィルムカメラしかなかった時代よりも少なくなっているかもしれません。

「写真を飾る生活」では、部屋に写真を飾ることを楽しんでいる5人に「自分なりの飾り方」を提案していただき、「写真が生活にあることで、何をもたらしてくれますか?」という質問に答えていただきました。

YouTubeチャンネル「はなのにちようび」でも知られている羽永さんは、フォトグラファーとして同世代21人の女の子の部屋を撮影した『少女惑星 Girls room diary』を出版しています。ロンドン留学を経て日本に引っ越したばかりで、ちょうど部屋のことを考えていたという彼女。ヨーロッパのリサイクルショップで見つけたカラフルで小さな額縁を使った飾り方のアイディアと、写真と一緒に過ごす生活について教えてもらいました。

ポケットの中に入れて持ち歩いていた記憶を、そのまま壁へ写すような感覚で

お部屋の中の写真について考えたとき、ちょうど今はとてもタイムリーな時期でした。
というのも、私は最近新しい家へ引っ越したばかりです。持っている家具や本、写真は以前とほとんど変わらないのに、それらをどう配置したいかという感覚は、引っ越すたびに少しずつ変化しています。
あるときは台湾に住む女の子の部屋のように。あるときはオランダの美大生が暮らす、少し散らかったアトリエのように。
部屋づくりをするとき、私は実在する誰かの部屋や映画のワンシーンを思い浮かべることが多いです。そこに自分の記憶や旅先で集めたものを混ぜながら、その時々の気分に合った世界を作っていきます。
そして不思議なことに、どんな部屋を目指していても、いつもそこに写真があります。
壁に掛けたり、本棚に立てかけたり、窓辺に貼ったり。その存在は大きくありませんが、部屋の空気をつくる上で欠かせないものです。
今回は、そんな私の暮らしの中にある写真たちと、写真と一緒に過ごす生活をご紹介したいと思います。

準備するもの
・自分で撮影した写真
・小さな額縁
・貼ってはがせる透明フック

1. 小さな額縁を用意します

ヨーロッパへ行くたびに、小さな額縁を見つけては持ち帰っています。
古道具屋やリサイクルショップの片隅や蚤の市の箱の中に紛れているものが多く、気づけば少しずつ集まっていました。
私にとって額縁は、小さければ小さいほど魅力的です。手のひらに収まるくらいのサイズが好きで、7〜14センチほどのものをよく選びます。壁に飾ったときも主張しすぎず、小さな窓がいくつも浮かんでいるように見えます。

2. 飾る写真を選びます

写真はコンビニエンスストアで簡単に印刷しています。大きく引き伸ばすのではなく、小さな額縁に合わせてプリントすることが多いです。作品として構えるというより、ポケットの中に入れて持ち歩いていた記憶を、そのまま壁へ移すような感覚に近いです。

3. 写真と額縁を組み合わせます

どの写真をどの額縁に入れるか考える時間が、とてもすきです。
選ぶ基準は色や空気感。額縁そのものの色と、写真が持つ色がしっくり重なる組み合わせを探していきます。
たとえば、この小さな黄色い額縁には室内の写真を入れました。壁に掛けると、まるで小さな鍵穴から誰かの部屋をこっそり覗いているような、物語性があり可愛い気持ちになります。

4. フックを取り付けます

額縁を掛けるときは、100円ショップで購入した透明フックを使います。
賃貸の壁でも気軽に使えて、不要になったらきれいにはがせます。
小さいものなのに意外と安定感があり、額縁を飾るには十分頼もしい存在です。

5. 余白を残しながら配置します

写真はまとめて飾るよりも、大きな白い壁に点々と散らすように置くのが好きです。
私はアメリカの90年代の映画や雑誌に見られる色彩豊かな雰囲気に惹かれてきました。一方で、京都を訪れたときには和の美しさにも強く魅了されました。
対極に思える二つの文化ですが、どうすれば自分の中で共存できるのだろうと考えていました。その中で気づいたのが、和の美しさには「余白」があるということでした。
小さなものを並べて、空いている場所をつくるからこそ、色鮮やかさが引き立ちます。
だから写真を飾るときも、あえて間隔を空けます。壁を埋めるのではなく、静かな余白の中にひとつずつ置いていく感覚です。
個展で展示を構成するときも、同じことを意識しています。写真だけでなく、その周りに流れる空気まで含めて見てもらいたいと思っています。 

記憶が手に取れる場所にあるのは、媒体の中に眠らせておくよりも愛おしい

このように、もう一つの部屋には大きな壁にあえて写真を掛けず、足元に置いています。部屋の中にさまざまな世界がぽつぽつと散らばっているような景色がとても落ち着きます🍵

ベランダへ続くガラス窓には、クリアペーパーに印刷した女の子の部屋の写真を貼っています。光が差し込むと透け、時間帯によって少し雰囲気が変わるのも楽しみのひとつ。
家の中には自分の作品よりも、尊敬する写真家の写真集を多く置いています。自分が影響を受けた方達から常にパワーをもらえる気がするからです。あとは、写真を撮ることを忘れないようにするための意識もあると思います。

私にとって写真は、記憶を飾るためだけのものではありません。
部屋の中に別の場所や別の時間を持ち込んでくれる、小さな窓のような存在です。
私の記憶たちが形となり手に取れる場所にあるのは、媒体の中に眠らせておくよりも、愛おしい存在になります。

SHIBUYA PHOTO BOOK FAIR

7月11日(土)、7月12日(日)に渋谷ヒカリエ 8/COURTで開催される『SHIBUYA PHOTO BOOK FAIR』のme and youブースにて、羽永さんの『少女惑星 Girls room diary』を委託販売します。ぜひお立ち寄りいただけましたら幸いです。
『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』連動イベント『わたしのまなざし、あなたのまなざし SHIBUYA ART WEEK END』が開催

羽永 / hana

22歳。仙台出身。
14歳で上京し、19歳のときに写真集『少女惑星』を発売。
20歳でロンドンへ留学し、日常を発信するYouTubeチャンネルをスタート。
現在は写真と映像を軸に、国内外で活動中。

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羽永|hana『少女惑星 Girls room diary』

価格:¥2,270(税込)
発行日:2023年11月 25日
企画・発行:Formare la luce / フォルマーレ・ラ・ルーチェ

『わたしのまなざし、あなたのまなざし SHIBUYA ART WEEKEND』

写真を見ること、撮ること、飾ることを楽しむきっかけを。
展覧会『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』を起点に、この夏渋谷でさまざまな展示や上映企画を開催中です。7/4(土)、11(土)、12(日)は、渋谷ヒカリエ 8/COURTにてBunkamuraとme and youが企画制作するイベント「わたしのまなざしあなたのまなざし」を開催。クロストーク、音楽ライブ、フォトブックフェア、ワークショップ、渋谷の街の記憶を集める展示など、盛りだくさんの3日間。ぜひお越しください。

会期:7月4日(土)、7月11日(土)、7月12日(日)
時間:11:30オープン
場所:渋谷ヒカリエ 8/COURT
主催:東急株式会社
企画・制作:Bunkamura/me and you

『まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険』連動イベント『わたしのまなざし、あなたのまなざし SHIBUYA ART WEEK END』が開催

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