性の在り方に決まった形はない。そのことにあらためて気づかせてくれる

1.「性」について気づきをもらった作品は？

NHKドラマ『恋せぬふたり』

僕が「性」について気づきをもらった作品は、NHKの夜ドラで放映されていた連続ドラマ『恋せぬふたり』です。この作品は、アロマンティック・アセクシュアルの男の人と女の人が「家族（仮）」をつくっていく、つくっていけるのか、という物語です。名前のない関係に宿るケアや、登場人物たちが変化したり受け入れたりする様子、それらの過程にあるグラデーションが丁寧に描かれています。ドラマの温度感や作り手の丁寧さも含めて、自分にとってとても大切な作品です。

性やパートナーシップの在り方に決まりきった「ふつう」なんて必要ないということに、あらためて気づかせてくれました。しっかりと考証が入っているのも素晴らしいと思います。また、DVDが発売されていて、付録のブックレットにある脚本家の吉田恵里香さんの文章もとても素敵なので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

しんどいときほどなにかしてみる

2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる？

僕は、しんどいときほどなにかしてみるのが一番のケアになると思っています。本屋に出かけてみる、映画を観に行ってみる、というように、特別すぎないけれど日記に書けるようなことをしてみる。本当は「なんもせんかったなー」と思うような時間を過ごしても別にいいんですが、しんどいときほどつらさとして自分に跳ね返ってきてしまうような感覚があります。なので、本を読むとか、映画を観るとか、趣味的なことでも、1ポイント、スタンプカードに押せるようなことをします。

無理矢理にでも体をベッドから起こして、かぎかっこ付きの「楽しい生活」をちょっとやってみることで、気が紛れたり、なにかにちゃんと接続できているような気持ちになったりして心が楽になる。それが僕なりのケアです。