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前田エマさんに聞く。「性にまつわるおすすめ作品」「不安なとき、どうしてる?」

中村明日美子『同級生』/「眠る」ということ

性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? お泊まり会のようなくつろいだ場所で、終わらないおしゃべりが生まれるような時間であれば、話してみることができるかもしれない。そんな想いからはじまったのが、me and youがナビゲーターを務める音声番組『わたしたちのスリープオーバー』(通称:わたスリ)です。

現在、J-WAVEで放送中の『わたスリ』では、番組の最後に本編とはまた別のゲストをお招きして、心やからだ、性にまつわることを考えるきっかけになる次のふたつの質問を投げかけるミニコーナーをもうけています。

1.「性」について気づきをもらった作品は?
2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる?

この記事では、番組に立ち寄ってくださったゲストの回答をご紹介。今回は、モデル、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティ、キュレーションや勉強会の企画など、多岐にわたって活動する前田エマさんをお招きしました。お守りになるような言葉や考えに出会えることを願って。

誰かを愛おしく感じることの嬉しさが詰まっている

1.「性」について気づきをもらった作品は?
中村明日美子さんの漫画『同級生』シリーズ

私のおすすめは、中村明日美子さんの漫画『同級生』と、その一連のシリーズです。この作品はボーイズラブ、いわゆるBL漫画なのですが、この作品と出会った高校生の頃、私はBLというジャンルがこの世界にあることを知らずに手に取りました。絵が…とにかく線がものすごく美しいんです。多くを語らないのに、手や指の描写、余白の使い方で、心の動きをひとつひとつ丁寧に描く。ものすごく繊細で、誰かを愛おしく感じることの嬉しさが詰まっています。私がそれまで読んでいた恋愛漫画は“付き合う”という1つの到達点までを描くものが多かったのに対して、この作品ではその先にある日々を重ねることの喜びや難しさを描いている、というのも衝撃的で感動を覚えました。

眠ると、物事から少し離れたような気持ちで向き合うことができる

2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる?

「眠る」ということをとても大事にしています。大丈夫じゃないとき、たとえば、とても心が落ち込んでしまった日、自分を責めたくなるような日や、誰かに当たってしまいそうな日も、とにかく眠ります。眠ると、なにも解決していなくても心が軽くなるというか。それと、いいときも、そうじゃないなと感じるときも、眠ると、物事から少し離れたような気持ちで向き合うことができるような気がします。

昔は、眠る時間に対して「もったいないな」とか「みんながんばってるのにな」と思うこともありましたが、今は眠れることの喜びを感じてます。私は今、留学中で、緊張からなのか夜は考えごとをぐるぐるしてしまったりしてよく眠れていないので、少しでもお昼寝をすることが自分のケアにつながっていると感じています。

前田エマ

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学卒業。モデル、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティ、キュレーションや勉強会の企画など、活動は多岐にわたり、エッセイやコラムの執筆も行っている。連載中のものに、オズマガジン「とりとめのない日々のこと」、みんなのミシマガジン「過去の学生」がある。著書に小説集『動物になる日』(ちいさいミシマ社)がある。

『動物になる日』

著者:前田エマ
発行:ミシマ社
発売日:2022年6月10日
価格:2,420円(税込)

動物になる日 | 書籍 | ミシマ社

『わたしたちのスリープオーバー』

性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか?自分や相手のからだ、セックス、性差別、ひとりひとり異なるセクシュアリティ、ジェンダーアイデンティティ、してもしなくてもいい恋愛についてなど、さまざまなトピックを自分の言葉で話しはじめ、考えはじめてみる。ここは、気負わず、飾らずおしゃべりする、お泊まり会のような場所です。

世の中の常識や自分自身の思い込みをときほぐすために、個人的な違和感や疑問を手がかりに話しはじめるきっかけと学ぶきっかけをつくり、自分自身がより生きた心地がするよう、選べる扉を増やしていく。「こんなこと、きっととるにたらないから」とたったひとりで悩み、考えたことのある、今を生き抜いているすべてのわたしたちへ。

わたしとあなたで、おしゃべりを。

💫J-WAVE(81.3FM)で毎週金曜深夜25時30分から放送中。
💫性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? わたしたちのスリープオーバーでは、性にまつわるお悩みやモヤモヤ、今考えていることなどお便りも募集中💌採用されるとオリジナルステッカーをプレゼント。webサイトからぜひお待ちしております。

わたしたちのスリープオーバー│J-WAVE
わたしたちのスリープオーバー│linktr.ee

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