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星野文月さんに聞く。「性にまつわるおすすめ作品」「不安なとき、どうしてる?」

映画『燃ゆる女の肖像』/自分の内側に抱えている不安を言葉にしようとしてみる

性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? お泊まり会のようなくつろいだ場所で、終わらないおしゃべりが生まれるような時間であれば、話してみることができるかもしれない。そんな想いからはじまったのが、me and youがナビゲーターを務める音声番組『わたしたちのスリープオーバー』(通称:わたスリ)です。

現在はPodcastで配信中の『わたスリ』では以前、番組の最後に本編とはまた別のゲストをお招きして、心やからだ、性にまつわることを考えるきっかけになる次のふたつの質問を投げかけるミニコーナーをもうけていました。

1.「性」について気づきをもらった作品は?
2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる?

今回は、現在me and you little magazineで「呼びようのない暮らし」を連載中でもある、作家の星野文月さんの回答をご紹介。お守りになるような言葉や考えに出会えることを願って。

彼女たちが惹かれあっていく姿がとても美しく、自然に描かれている

1.「性」について気づきをもらった作品は?
映画『燃ゆる女の肖像』

私が性について気づきをもらった作品は、セリーヌ・シアマ監督の『燃ゆる女の肖像』です。この映画は18世紀のフランスを舞台に、画家のマリアンヌがお見合いのための肖像画を描いてほしいという依頼を受けて貴族の女と出会い、互いに惹かれあっていく、という物語です。一瞬だけ交差する二人の運命や彼女たちの心情、時代背景やそこで生きている人々が抱えている問題が、映像のなかで丁寧に描かれています。

私がこの作品のなかで特に印象的だったのは、彼女たちが惹かれあっていく姿がとても美しく、自然に描かれている、ということです。好きになった人のことを知りたいとか、触れてみたい、触れてほしいというような気持ち、性欲とも呼ばれるこの欲求は、恥ずべきもの、隠すべき感情として扱われることが多いように思います。だけど、この作品のなかではそれはとても美しいものとして描かれているのが素敵だなと思いました。性別も時代も関係なく、生きている人の内側に灯る思いを照らす、素晴らしい作品だと思います。

自分の内側に抱えている不安を言葉にしようとしてみる

2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる?

わたしが不安なとき、大丈夫じゃないときは、自分の内側に抱えている不安について、言葉にしようとしてみます。友達に話してみたり、文章に書いてみたりすることで、漠然とした不安という気持ちについて、いろいろな角度から眺められるようになる気がしています。

またわたしは、心と体のつながりについて、ここ数年でかなり意識するようになりました。心が不安なときは体を動かしてみたり、体が疲れているときはたくさん眠って心を安らかにできるよう心掛けたりしています。疲れているというだけで、他人から言われた何気ないひとことにすごく傷ついたり、物事をフラットに捉えることが難しくなってしまうことがあるので、自分の状態を平常に保てるよう、心と体の在り方をできるだけ意識しています。

星野文月

作家。1993年7月生まれ、蟹座。長野県 富士見町出身。
現在は松本市で暮らしながら、文章を書いている。
著書に、私小説『私の証明』(百万年書房)、エッセイ集『プールの底から月を見る』(SW)がある。
松本市の独立系書店「栞日」で書籍の選書を担当。

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呼びようのない暮らし/星野文月・有吉宣人

「わたしは今、長野県の松本市で、互いに恋愛感情を持たない、という約束を交わして、俳優の有吉宜人さんと暮らしています。あらゆる場面で恋愛が優先されたり、それが関係をつくる前提となってしまうことにわたしは違和感を抱いていました。もっといろいろな関係性があるはずだし、あってもいいはずなのに、わかりやすい言葉に当てはめて語られてしまうことに、どうしてももやもやとした気持ちがあります。そんなとき、関係性に名前をつけずにただ人と人が一緒にいる、ということはできないのかな?  と思って、今の生活を始めてみました。日々、上手くいったりいかなかったりですが、生活するなかで感じたことを言葉に残していけたらいいなと思っています。よかったらぜひ読んでみてください」

連載:呼びようのない暮らし/星野文月・有吉宣人

『プールの底から月を見る』

著者:星野文月
発行:StoryWriter
発売日:2022年11月27日
価格:1,400円(税込)

星野文月『プールの底から月を見る』 | StoryWriter

『わたしたちのスリープオーバー』

性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? 自分や相手のからだ、セックス、性差別、ひとりひとり異なるセクシュアリティ、ジェンダーアイデンティティ、してもしなくてもいい恋愛についてなど、さまざまなトピックを自分の言葉で話しはじめ、考えはじめてみる。ここは、気負わず、飾らずおしゃべりする、お泊まり会のような場所です。

世の中の常識や自分自身の思い込みをときほぐすために、個人的な違和感や疑問を手がかりに話しはじめるきっかけと学ぶきっかけをつくり、自分自身がより生きた心地がするよう、選べる扉を増やしていく。「こんなこと、きっととるにたらないから」とたったひとりで悩み、考えたことのある、今を生き抜いているすべてのわたしたちへ。

わたしとあなたで、おしゃべりを。

💫2023年10月からはJ-WAVE Podcastで、隔週金曜日に配信。
💫わたしたちのスリープオーバーでは、性にまつわるお悩みやモヤモヤ、今考えていることなど、お便りも募集中💌採用されるとオリジナルステッカーをプレゼント。webサイトからぜひお待ちしております。

わたしたちのスリープオーバー | J-WAVE Podcast
わたしたちのスリープオーバー | linktr.ee

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me and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていること、新しい場所の構想などをみなさまと共有していくお便り「me and youからのmessage in a bottle」を隔週金曜日に配信しています。

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