※1:婦女新知基金會は、台湾における男女平等と女性のエンパワーメントのために戦う非営利の法律・政策提言団体。1970年代から80年代にかけて戒厳令下の台湾の民主化運動から生まれた婦女新知基金會は、女性は公私ともに権利と尊厳を与えられるべきであるという信条のもと設立された。1982年の設立以来、同財団は台湾のフェミニズム活動の最前線に立ってきた。公教育運動や草の根の団体結成・連帯を通じて、抑圧的な家父長制の制度や規範を解体する文化的・政治的変革を先導してきた。女性のリーダーシップと政治参加や職場における男女平等、生殖に関する健康と権利と教育を推進している。
※2:臺灣女性文化地標とは、台湾史において女性の権利向上に貢献した20の遺跡や団体、民族、教育機関を指す。 2005年に陳水扁政権下で中華文化總會が関連分野の女性の専門家を招いて調査、指定した。
※3:婦女新知雜誌社は、台湾の民主化運動で女性活動家が疎外され、台湾の文化や社会における女性差別に異議を唱えるため1982年に設立された。1987年に戒厳令が解除されるまで、この出版社は台湾で唯一の非営利の女性団体で、男女平等の推進に取り組んでいた。 発行した雑誌を通じて台湾におけるフェミニズムの言説を形成し、発展させ、夫婦間の不均衡な力関係など、当時論議を呼ぶテーマを積極的に論じた。また、メディアによる女性の性的モノ化、性別の偏見に基づいた民法や刑法について、公開討論会や講演会を開催した。
※4:1949年から1987年の38年間、国民党の軍事独裁政権は、中国本土との交戦状態であるという設定のもと、戒厳令を敷き、思いのままに拡大解釈と乱用をし続けた。「白色テロ」とも呼ばれるその時代、政権は国民の一切の政治活動を封じ、基本的人権を奪い、言論・出版・集会の自由を厳しく制限した。民主主義と自由と平等を求めて政府に批判の声を上げた多くの人々が反逆行為や中国共産党のスパイとして起訴、 投獄、処刑された。犠牲になった政治犯は約1万人、銃殺刑に 処せられたのは1000人以上だと言われる。
※5:台北市婦女新知協會は、1994年に発足し、女性の救済を目的にさまざまな問題や女性の意識に関する講座を行う団体。台湾で初めて、高齢者や障害者の長期在宅介護を行う女性の支援や、中高年女性のセカンドキャリアを支援する活動も行っている。
※6:台灣女書文化協會は、 2020年に発足した社団法人で、1990年代以降の台湾の女性運動の精神を受け継ぎ、フ ェミニズム文学の文化の発展、 差異の尊重、男女平等の推進を目指す。女書店と共同で台湾の女性文学を普及するイベントを開催する。
※7:台灣女科技人學會は、International Network of Women Engineers and Scientists (女性のエンジニアと科学者の国際ネットワーク)の台湾支部で、科学、技術、工学、数学(STEM)分野における男女平等を目指し、意思決定の役職の女性の存在を促進することを目的としている。
※8:台灣婦女團體全國聯合會は、2001年に設立された女性団体。国内外の女性団体間の交流を強化したり、女性の雇用と起業の支援、母親の子育て支援など、女性の権利と男女共同参画を推進したりするための活動を展開する。
※9:2019年10月、性別違和の診断書は提出し、性別適合手術を受けていないトランス女性が、性別の変更の申請が拒否されたことから裁判を行った。2021年9月、彼女の訴えを支持し、性別変更を認める判決が下された。
※10:1994年以来、婦女新知基金會はジェンダー関連や家庭内の問題について法的支援やカウンセリングを提供するボランティアを養成してきた。現在も財団のホットラインは年間2000人以上に利用されている。