毎週木曜日の夕方に仕事が終わって赤坂駅の地下鉄ホームで突風に顔をはたかれると、私は「ざばっ」と水から上がった、あるいは夢から醒めたような感覚をおぼえる。
月曜から木曜の週4日、午後2時から4時50分まで生放送のラジオ番組「こねくと」でパーソナリティをやっている。
子どもの頃に父から「曜日というのはサラリーマンとキリスト教徒のためのものだ」と聞いてから、できれば曜日感覚のない仕事がしたいと、いつもどこかで思っていた。それが体感的にどこかというと、脳みその裏、首と後頭部の境目である。私は目や耳といった顔の前側で得た情報を取捨選択し、しゃべり言葉にしている。その中でも、忘れそうで覚えている記憶の数々は、脳内の机の中にあるお道具箱の、さらに奥でくしゃくしゃになっていて、文章を書くときになって「あ、このプリントここにあったんだ」と見つけ、広げてまた押し込む。
そのプリントが溜まっている部分が、首と後頭部の境目なのだ。ここには自分でも本当に忘れているメモ書きや、カビの生えたみかんなどが詰め込まれている。もう期限の切れたものや、間違いが正されることなく提出もされていなかったさまざまが変な形で固められている。だからなのか、私はいつも首と肩が凝っている。


