猫の日だろうが、雨が降ろうが、槍が降ろうが／小谷実由

今日こそは朝少しでもいいから早く起きて、ヨガと筋トレするって決めていた。結果、目覚ましの音で寄ってきた愛猫と共に2度寝をしたので数十分くらいしか早起きできなかった。でも、寒さに負けずにパジャマからスパッツに穿き替えて、ヨガマットを敷いてお茶も入れた。筋トレ後にぜーはー息を切らしながらお茶を一気飲みしてへとへとになって既に私の2月22日が終了しそうになったけど、私だってあのK-POPアイドルみたいな腹筋が欲しいんだよ。あと、筋トレ後の朝ご飯は格別に美味しい。

昨日寝る前に思い出していた友人が、夢に出てきた。なぜ焦燥しきっていたのかはわからないけど、何かにへとへとになっていた私を（筋トレかな）いつも通り慰めてくれていた彼女。現実も夢も大差がないので、夢の内容と出演の報告と共にお礼のメールをする。猫の日だったからかお互いの猫の写真を送りあう。彼女の猫はいつも真顔。

猫の日といえば、珍しく我が家のしらすも朝から忙しそうだった。家中を走り回ったり、アオンアオン鳴いたり、どこ行ってるんだか誰に挨拶してるんだか知らないけど、なんだか大変そうだった。いつもダウナーなのに流石に張り切るのか。鎌倉時代の1222年以来、800年ぶりのスーパー猫の日だもんね。しらす、800年前は何してたんだろ。猫じゃなかったかもしれないよね。

猫の日だろうが、雨が降ろうが、槍が降ろうが、人間である私は仕事に行くために支度をする。今日はセルフメイクで仕事なので、頭のてっぺんから足のつま先まで自己責任でどうにかせねばならない。プロに素敵な姿にしてもらったとき、その姿を本来の自分自身だと勘違いしてしまうことがないとは言えない。でも現実は、髪型がしっくりこなくて、出かける時間が迫りながら大慌てで髪を濡らして乾かして、アイロンして、失敗してまた髪を濡らしている私だ。がっかりするような、安心するような、これ日々のメリハリってことにしていい？　電車を一本逃した。

ギリギリ到着に間に合う時間の電車に飛び乗る。平日真昼間の車内。わりとウーファーの効いている寝息がぐーぐー聞こえてきた。この時間の睡眠、いいねぇ。と振り返ると、気持ち良さそうにおやすみ中の熊のようなおじさん。次の駅でドアが開いたガタンッという衝撃で驚いて起きていた。その瞬間はまんまるに目を見開いていたけど、すぐに平然を装ってスマホをおもむろに開く熊さん。あの恥ずかしさ、私も知ってる。

今日はちゃんと夕飯作るんだからな、と帰宅してから一度も座らずにキッチンに直行。ここ数年夕飯のメニューが全然決まらないことが多々。お腹空いてるのに何が食べたいかわからない日があって、私そんなことも決められないのか？　と落ち込むことも多々。でも今日は食べたいもの思いついたからラッキー。冷蔵庫にあるものうまく使ってささっと作っちゃったりして。でも、完成してみたらなんか全部茶色いんだが。実家のご飯ってなんであんなに赤や緑が豊富で鮮やかだったんだろう。お母さんとおばあちゃんはすごい。

スーパー猫の日だからやる気あったのか、しらすが一緒に写真撮ってくれた。もちろん安定の猫パンチを顔にいただいて今日も平和な一日。

明日祝日かぁ。