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YouTubeで発信するhannah×羽永。“いま”を最大限に生きて、もっと自分らしく

学校をやめる選択、SNSとの付き合い方。自分と戦いながら、信じた道を選び続ける

生活にはさまざまな温度があります。悩みや不安が尽きず、ままならない日々を駆け抜けるときもあれば、「この日のために生きていたんだ」と思うような力がみなぎる出会いをするときも。そのような日常の機微をありのままに発信する二人のクリエイターがいます。

2005年生まれのhannahさんは、YouTubeやポッドキャストで自身の暮らしや考えを発信しながら、イラストレーターやモデルとしても活躍しています。2003年生まれで現在ロンドンに留学中の羽永さんは、フォトグラファーとして活動。留学生活を記録したYouTubeチャンネル「はなのにちようび」が人気を集めています。

hannahさんは2025年10月に『ハイライトには残せないけど、生きていた日』を、羽永さんは11月に『Happy Accidents ロンドンで見つけたときめく人生のヒント』を刊行しました。二人にとって初めてとなるエッセイ本の刊行を記念して、プライベートでも親交のあるお二人の対談をお届けします。学校をやめる選択や自分の進む道を信じること、SNSとの付き合い方、「女の子」というモチーフについて。「お互いに戦ってるよね」と話す二人の、繊細な遊び心とパワフルさが交差するような時間でした。

イラストと写真。それぞれのクリエイションからYouTubeをはじめるまで

―今回の羽永さんの東京滞在のタイミングで、お二人ははじめて会ったんですよね。

hannah:そうなんです。この前はじめて遊んで。でも、一年くらいSNS上で交流はしていました。

羽永:電話もしてたよね。

hannah:そうだね。シーズンごとに長電話をしていました。だから、はじめて会う感じはしなかったかも。

YouTubeで発信するhannah×羽永。“いま”を最大限に生きて、もっと自分らしく

左から、hannahさん、羽永さん

羽永:うんうん。SNS活動の状況も似ていることが多くて、よく相談をしていました。

hannah:YouTubeをやっている同世代の子ってあんまりいないんです。羽永とは音楽の趣味も似ていて、共通点が多くて。それにKADOKAWAから本を出す時期も同じで、「奇跡だ!」ってなりました。そこで距離がグッと近づいた気もします。

羽永:他の友達には話せないようなことを話せていたかも。

―SNSで友達になることはよくあるんでしょうか?

羽永:高校時代からSNSを通して友達を作っていたので、SNS上で知り合うことはとても自然ですね。

hannah:私もSNSでつながっていた趣味の友達と、対面で会ったその日に一緒にライブに行くこともありました。羽永はインフルエンサー友達っていうよりも趣味の友達に近い気がして。だから余計に距離が近く感じます。

―お二人ともエッセイ本を刊行されましたが、一冊の本にまとめる行為は、これまでの人生や活動を大きく振り返る機会になったのではないかと思います。

羽永:自分の人生についての本を書くことは、小さい頃からの大きな夢でした。でも、自分に興味を持たれないと本なんて出せないと思っていたので、まだ夢なんじゃないかと思っています。

hannah:羽永はこれまでの人生について書いているけど、私の場合は自分の考えを書いていて、そこが私たちの本の違いだと思うんです。私はもともとイラストレーターになりたいと思って、SNSでの活動をはじめました。イラストの本を出すために売り込みもしたけど断られていたなかで、今回の話をいただいて。イラストもそうだし、自分の考えていることを本にしたいとずっと思っていたので、本当に夢が叶った気分です。

―お二人ともイラストや写真を通してクリエイションをしているなかで、YouTubeなどのSNS活動もはじめられたと思いますが、それらはいつ、どんなきっかけではじめたのでしょうか?

hannah:私は学生時代にSNSにイラストを投稿するようになりました。最初は表に出ることを考えていなかったので顔出しもしていなかったんですけど、イラストの活動が軌道に乗りはじめると、イラスト以外でも自分を表現したいと思うようになりました。それで自然とYouTubeにも活動を広げましたね。最初の投稿はもう恥ずかしくて見返せないんですけど、「普段はイラストを描いていて、YouTubeもはじめました」みたいな感じで、表現方法を増やそうとしていました。「YouTubeやるぞ!」っていう感じではなく、とても自然な流れだったと思います。

「友達がいなくても大丈夫、1人を楽しむ方法」 – hannah

―羽永さんはいかがですか?

羽永:私はもともとフォトグラファーになりたくて写真を撮っていましたが、「どうやったらもっと多くの人に知ってもらえるんだろう」とは常に考えていました。そこでイギリス留学に行くことになって。日本にいたらYouTubeをはじめるのは恥ずかしいし、見られたくないと思っていたかもしれないけど、イギリスに行ったら一つの節目としてちょっと勇気が出たんです。ロンドンの生活を見てもらいたいという思いと、自分自身が大きくなったら作品にも注目してもらえるという希望を持ちながらYouTubeをはじめました。それでも友達には見られたくなかったので、しばらくは友達とつながっているInstagramではシェアしていなかったです。

「ホストファミリーとの気まずい朝食Vlog」 – はなのにちようび

hannah:やっぱ恥ずかしいの?(笑)

羽永:恥ずかしい! カメラの前で一人で話すのって。

hannah:私はYouTubeをはじめたときに、知り合いとつながっていないInstagramのアカウントを新しく作ったから、ゼロからはじめたっていう意味では似てるかも。

羽永:高校のときはファッションに関する仕事をしたくて、Instagramでファッションアカウントをはじめたんです。そのあとフォトグラファーになりたいという思いが生まれて、写真のアカウントも作って、YouTubeも開設して。ファッションから写真、YouTubeへと表現方法が広がっていったのかもしれないです。今はそれぞれに同じくらい力を入れて、マルチに活動できたらいいなと思っています。

「自分の世界を小さくいろいろと持っておくと、一つの悩みに集中せずに分散できる」(hannah)

―お二人とも活動が多岐にわたっていますよね。クリエイティブな活動もあったうえで自分の考えや生き方も発信していて。

hannah:私はそれをとても大事にしています。自分の世界を小さくいろいろと持っておくと、一つの悩みに集中せずに分散できると思うんです。そのほうが生きやすい。

―SNSで何個もアカウントを持つことが当たり前になっていますが、それぞれのアカウントで引き出される自分の一面が少しずつ違うと思うんです。お二人もアカウントを複数持ちながら、同じベースのもとで少しずつ異なる表現をされているのが印象的ですね。

hannah:そうですね。今の話を聞きながら、私たち2人とも、インフルエンサーになりたくてYouTubeをはじめたというよりも、表現の先にYouTubeがあったところが共通しているなと思いました。

羽永:昔は一つのことを極めないとかっこよくないと思っていたんです。ファッションの道に進みたいのに、YouTubeで別の発信をはじめるのは浅いって。でもだんだんと、いろいろな活動をしたいと思う自分を押しつぶさなくていいって思えるようになってきて。それができている今がすごく楽しいです。

―お二人とも高校卒業後に進学した学校をやめられていることが、興味深い共通点だと思いました。その決断に至るまでに、どのような経緯があったのでしょうか?

hannah:いつ大学やめた?

羽永:1年半か2年前とかかな。

hannah:じゃあ同じくらいの時期にやめてるかも。

羽永:大学に入る前に進路を決めるとき、ファッションも写真もやりたくて自分の夢が曖昧だったので、考える時間がほしくて4年制の大学に入ったんです。だから大学に入っても、「自分にとって何の意味があるんだろう」と思いながら授業を受けていました。そこでロンドンに行くと決意したときに、自分の道が決まったと思って大学をやめる決意をしました。これ以上ここにいても意味がないと突然思ったんです。日本の大学に通いながら留学をすることはお金がかかるので、私は学校をやめました。YouTubeをはじめる前の出来事ですね。

hannah:私は高校生の頃からイラストやアート系の道に進みたいと思っていて、SNSの活動をしたり売り込みをしたりしていたんですけど、なかなかうまくいかなくて。自分のやることがまだ定まっていなかったので、夢を探す期間だと思って学校に入りました。なので、正直卒業しようとは思っていなかったんです。

羽永:ほんとうに同じだね。

hannah:ね。就職しようとも思っていなかったので、「やばい、はやく道を見つけないと」と思いながら、学校とSNSの活動を並行していました。イラストの活動が少しずつうまくいくようになってからは、「自分でも何かできるかも」と思うようになって。すごく決意をもって学校をやめたというよりも、「もう大丈夫かな」と思ったんです。なんでそんなに自信があったのかは分からないけど、当時は今よりももっとパワーがありましたね。

SNSを見て他人と比べてしまうこと。「辞めたいと思うときもたくさんあります」

―SNSが生活の中心になったことで、変わったことはありますか?

hannah:SNS中心になったからこそ、SNSと距離を置く時間をすごく大切にしています。活動をしていなかった頃はすごくSNSを見ていたんですけど、SNSに自分をアウトプットする作業が増えたら、逆に見る時間が少なくなりました。誰かの投稿を見て落ち込むよりも、自分が投稿するものに対して集中するようになって。

―インプット元からアウトプット先になったんですね。羽永さんはいかがですか?

羽永:私は逆にストレスが増えました。常に人から注目されていて、みんなが思う自分でいなきゃいけないというプレッシャーがすごくあって。本にも書いたんですけど、ストレスで寝ている間の歯ぎしりが止まらないんです。なので、YouTubeを投稿したら携帯を開かずに、一切反応を見ないようにしています。

hannah:それはわかる! 投稿したら携帯をベッドに投げて切り替えてる。

羽永:SNSは本当に情報量が多くて、パッと画面を見ただけでも情報が入ってきちゃうのがすごくストレスなんですよね。だから電源を消すのもそうだし、投稿後にSNSのアプリを消すんです。見たいときは、わざわざWebでログインしないと見られないようにする。それが自分にとっては、ちょっとしたヘルシーな付き合い方ですかね。

―お二人とも見たくないと思っているんですね。

hannah:SNSが仕事だからやらなくちゃいけないけど、辞めたいと思うときもたくさんあります(笑)。

羽永:ポジティブな面としては、やっぱりたくさんの人にリアクションをもらえることですかね。YouTubeをやっていなかった頃はフォロワーも少なくて、みんなに自分の写真を見てもらいたいのにそれが叶わなかった。今は投稿するとたくさんの人に見てもらえてリアクションももらえるので、それはすごく幸せだと思います。

―SNSを見ていると、異なる環境にいる人々の生活が、あたかも近くに存在しているかのように目の前に迫ってきます。だからこそ、自分の生活のかたちを認識することが難しくなっているようにも思いますが、お二人はどのように自分自身や自分の生活を見つめているのでしょうか? エッセイでは、hannahさんは「人と比べないように」していて、羽永さんは「人と比べることでここまでがんばってきた」と書いているのが気になりました。

羽永:人と比べないようにする意志の強さがあればよかったけど、私にはどうしてもできなかった。だから、「人と比べることでここまでこれた」って自分を肯定するしかなかったんだと思います。考え方を通して自分のあり方を変えるじゃないけど、それが自分を受け入れる方法でした。人と比べないことができる人には憧れます。

hannah:いや、比べないようにしたいけど、私も比べちゃう! SNSって絶対に他人と比べるものだと思うんです。だからこそ、SNSとの距離についてはたくさん考えてきました。今は夢も叶えられてきているので、昔よりも心のスペースが生まれたとは思います。

―YouTubeをはじめる前と今で、人と比べることに関して変化はありましたか?

hannah:活動するにつれて、ありがたいことに結果もついてくるようになったので、自信はつきましたね。

羽永:私は変わらないかなあ。みなさんからリアクションをもらえることはうれしい一方で、やっぱりプレッシャーもすごいんです。他人と比べちゃう人って、向上心が高い人だと思います。私もそうなので、もっともっと先に行きたいと思っている。

hannah:私は仕事に対して自信を出したいとき、燃えたいときは人と比べている気がします。でも私生活で比べるのは、自分にとってはあんまりよくないなと。2人とも戦ってると思います。そういう面に関しても、仕事が似ている部分も多いのですごく相談しやすいし、性格や状況が完全に同じじゃないからこそできる相談もあります。

夢を叶えるために、細かく目標を立てて自分と向き合う。「10代のうちに何かしなきゃ」

―お二人とも自分の心が赴くほうへと、自信をもって選択を重ねている印象があります。今の自分が形成されたきっかけや、人との出会いや映画や本などのカルチャーの影響はありますか?

hannah:私は両親の影響を大きく受けています。二人とも個人事業主としてイラストやデザインの仕事をしているので、一緒に話すなかで考えが作られたし、私も自分の名前で仕事をしたいという気持ちがずっとありました。あとは、高校生のときに父から『人生は20代で決まる』という本を突然渡されたんです。TEDトークでも有名なメグ・ジェイさんの本なんですけど、20代は遊んだ方がいいと言われがちなものの、20代の過ごし方で人生が決まってしまうということが書かれていて。それまでは人生ってもっとゆるやかに進んでいくものだと思っていたんですけど、その本を読んでから、「私はもう若くないんだ」「今すぐやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ」と気づきました。

羽永:すごくよくわかります。私が自分の生き方や、大学を辞めるなどの決断に自信を持つことができたのは、父が「自分の好きなように生きなさい」と言ってくれたこともあるけど、周りの友達の影響が大きいんです。寮生活をしていた高校が、コンビニにも行っちゃいけないくらい厳しくて。本当はSNSも禁止だったんですけど、こっそりInstagramをはじめて。土日だけ17時まで外出が許されていたので、そこで必死に外とのつながりを求めて、SNSで友達になったかっこいい人たちと会うようになったんです。

そんな同世代の子たちは自分の夢をすでに実行に移していて、学校も行かずに独学でやっていく覚悟を決めている子もいて。そんな友達を見ながら、「私も何かやらなきゃ」「ゆったりしていられない」って焦りました。やっぱり私は、周りに憧れている人がたくさんいると成長するタイプなんです。すごく悔しいし辛い気持ちにもなるけど、その環境があったから成長できた。それで10代のうちに何かしなきゃと思ってがむしゃらに写真をはじめて、20歳になる前に写真集を出しました。hannahが言っていた「20歳は若くない」というのがすごくわかるし、いまだに時間が過ぎる速さに焦っています。

YouTubeで発信するhannah×羽永。“いま”を最大限に生きて、もっと自分らしく

羽永『少女惑星〜Girls room diary〜』

hannah:エッセイ本のなかに私の日記の一部が載っているんですけど、そこでも「あと2年しかない!」と書いてあって。自分でイラストの本の売り込みをしていた時期とか、がんばってもいいねが30しかつかなかったり、「#f4f(follow for follow)」のタグでフォロワーを増やしたりしていた時期もあったんですけど、行動することで本当に夢が叶うんだなと思いました。

羽永:私たちの本を読んでびっくりしたのが、二人とも「とにかく動かなきゃやばい」と思って、日記に「○月○日までに6000フォロワー達成」とか目標を細かく書いているんです。

hannah:それはすごくやる。

羽永:「この夢が叶いました!」って、もう達成したふうに日記を書くこともある。細かい目標をしっかりと定めてるよね。それはポイントかも。

―周りもしっかりと目標を立てているような人が多かったんですか?

羽永:学校の友達は「先のことなんて考えなくていいよ」というタイプが多かったので、それが逆に私を焦らせていました。「走りすぎてて心配だ」って言われるくらい。でも、本当に1分も無駄にしたくなくて。私の高校は制限が多すぎて、音楽も聴いちゃいけなかったので、それに対する反抗もあったのかもしれないです。

hannah:私は目標に向かって自分に向き合うために家に引きこもってました(笑)。がんばる時期って、自分で探したり考えたり手を動かしたりしなきゃいけないから、一人の時間がすごく増えると思うんです。だから、この本では夢に向かって孤独な時間と向き合う子に向けても書きました。「私も一人でやってるよ」って伝えたかった。

「今の自分が撮れるものはなんだろうって考えたときに、それは女の子の目線で女の子を撮ることだったんです」(羽永)

―お二人ともファッションもとても素敵ですが、服を選ぶときのこだわりや指針などはありますか?

hannah:毎年トレンドのアイテムが出てくると思います。トレンドをエンタメとして見ることはすごく楽しいし、私もYouTubeでみんなに紹介したりもしています。でも、実際に買うかどうかはまた別なんですよね。まずは好きなものをムードボードにまとめてみて、自分の好きなスタイルを把握しています。その上で、フリマサイトで生地や色で検索することが多いですね。

「2025☆冬のファッショントレンド」 – hannah

―昔からそのような選び方をしていたんですか?

hannah:ファストファッションの環境負荷などの問題について知らないときは、とにかく消費していた気がします。私の世代は、携帯を手にした頃からTikTokとかInstagramがあったので、とにかく安い服の情報がたくさん入ってきます。ファストファッションの問題について知識がないと、たくさんの情報のなかからどうやって選べばいいのかわからない人も多いと思うんです。だからこそ、知識を得たり選ぶことができる立場にいる私自身は、買うものに意識的でいたいと思うし、自分なりの方法で伝えていきたいなと思っています。

羽永:私もあまり新品は買わずに、セカンドハンドショップに行って自分の手で探すことが多いです。そもそも服に対するこだわりが強くて、みんなとは同じものを着たくないと思ってしまうので、自分だけのアイテムを探しています。2時間くらいひたすら漁って見つけたときの特別感が好きです。あとは単純に値段もありますけどね。

hannah:そうだね。あと私はBOOK OFFとかセカンドストリート、トレファクみたいなセレクトされていない古着が好きなんです。そのほうがお宝感もあるし値段も安いし。古着だと、服を探す過程が特別なので、ただの服ではなく思い出の詰まった服として大切に着られます。

―hannahさんは女の子のイラストを書き、羽永さんは女の子の部屋の写真を撮っていますが、「女の子」というモチーフや「少女性」にどのようなものを託しているのでしょうか?

羽永:『少女惑星』という写真集は女の子の部屋を撮ったものなんですけど、特に10代の頃は女の子しか撮っていなかったです。多分、「私もこうなりたい、でもなれない」っていう女の子への憧れそのものを写したかったんだと思います。ジェラシーもあっただろうし、あのときだけ感じていた相手への思いとか、複雑な感情をとにかく撮っていました。

あとは10代の頃はとにかく時間が過ぎることに焦っていたので、10代である自分を投影していたと思います。時間はするすると手からこぼれ落ちて、自分もどんどん歳をとっていく。10代である自分を残すためにも、女の子を撮っていたかな。今の自分が撮れるものはなんだろうって考えたときに、それは女の子の目線で女の子を撮ることだったんです。

hannah:私も自分の憧れを絵に落とし込んでいました。私自身は落ち着いたトーンの服を着ることが多いんですけど、絵は自分の頭のなかをイメージしているので、ポップでユニークな派手な色づかいをしています。その二面性が自分でもおもしろいなと思って。

あとは海外のアーティストが大好きなんです。テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンター、ラナ・デル・レイとか。怒ったり泣いたりする繊細さや曖昧さが、私の感じる女の子の魅力なんです。他にも、スキニーな身体よりも曲線のあるシルエットが好きです。そういう面も自分のイラストに表れていると思います。とにかく女の子が描きたかったので、男の子を描くという発想はなかったですね。

―今後モチーフが変わっていく可能性もあるんでしょうか。

hannah:わからない、どうなんだろう。

羽永:実は最近、男の子を撮りたいと思うようになってきました。自分とはまったく違う生物なので興味がある。ただ、写真って関係性が写っちゃうんですよ。私は男の子に対してすごくシャイなので、写真にもシャイなのが写っちゃうけど、これまでとは違う方向も追求できたらおもしろいなと思っています。

手を動かして、頭のなかを形にする。1990〜2000年代のカルチャー、DIYからの影響

―写真を撮ったりイラストを書いたり、自分の手で小さな世界を作ることは自分を保つ一つの方法であるように思います。お二人にとって創作はどのような意味を持つのでしょうか?

hannah:生きるうえで、アートは逃げ道にもなるし喜びにもなると思います。手を動かすことや頭のなかを形にする作業って、誰にも邪魔されない自分と向き合う時間だと思うんです。DMで自分の表現に関する悩みをもらうこともあるんですけど、「この文章がうまいんだから、もう発信しなよ!」って思うことも多くて。表現方法は無限にあるので、自分のアートな部分を見つけてほしいなと思います。創作している間は別の世界に入れるので、生活と創作の二軸があることで助けられています。

羽永:私にとって写真を撮ることは、癒しではなくチャレンジなんです。写真について考えることで自分は生きられるというか、写真のプロジェクトが自分を遠くに連れ出してくれる感覚があります。写真を撮ることでアイディアが生まれて、「自分はもっとこうしなきゃいけない」と成長できる。撮りながら自分が見つかっていくのかもしれないです。

hannah:なるほどね。私はほんとうに悩みが尽きないタイプだから、イラストを描いていなかったら一つの悩みにずっと集中しちゃう気がする。描くことで何も考えなくてよくなるから、その意味では私は癒しにもなるかな。

―今につづく創作は、小さい頃からやっていたのでしょうか。

hannah:父と母がデザイン系の仕事をしているので、小さい頃から絵は描いていました。ただ小中学生のときには、描いていない時期もあったんです。高校生になって自分の進路を考えたときに、昔好きだった絵のことを思い出して、また描きはじめるようになりました。

羽永:私は母が写真家でした。私が一歳のときに亡くなってしまったんですけど、家には母が撮った写真が何千枚もありました。ずっとそばにあったはずなのに、私は気づいていなかったんです。ある日、ふと母のことを思いながら写真を見てみたら、自分が死ぬことを知っていたかのようにたくさん撮っていたことがわかって。全身全霊で今を残すという意志を感じたんです。その出会いが10代半ばで、そこからすぐに写真を撮りはじめたのが今に続いています。

「私の人生について」 – はなのにちようび

―お二人とも1990年代から2000年代のカルチャーの影響を感じます。

hannah:写真や映画、音楽でもノスタルジーを感じるものが好きなんです。

羽永:私もトイカメラが結構好きです。いかに画質を荒くできるかこだわってるところもある。

hannah:懐かしさは私たちに共通するキーワードだと思うし、少女性にも関わってくるのかも。羽永が本で書いていた影響を受けた映画が、私が好きなものも多かったんです。それこそ1990年代から2000年代のウォン・カーウァイ、ソフィア・コッポラとか。

羽永:好きなものが似てるよね。

hannah:『FRUiTS』のファッションスナップとかにもすごくエネルギーを感じます。その頃はSNSもあんまりなかったから、DIYが流行って、みんなが手探りで何かを作っていたと思うんです。今とは違う熱があるなと思います。

羽永:やっぱり大事なものには時間をかけたい。デジカメのSDカードのデータをスマホに移すのってすごく面倒だし、フィルムも現像するためにわざわざ持っていかないといけない。だけど、それがすごく楽しいんです。友達に手紙を書くこともそうだけど、時間をかけることが好きですね。

生活をつくるアイテム、遠くへ連れて行ってくれる思い出

ままならない生活を支えていくために、さまざまな工夫をしている二人。遠くへ想いを馳せたり、心がときめいたり。日々をつくるアイテムや思い出のある街について、それぞれの言葉で綴ってもらいました。

日々に欠かせないアイテム

🎀 hannah
『ハイライトには残せないけど、生きていた日』の執筆していた時のデスク。
iPadとMacbookは必需品です。iPadは主にイラストを描くときに、MacBookは主に動画編集で使います。割とどこへでも持っていく! いつもカバンが重い!
キャンドルは気分を変えるために常にデスクに置いてあります。最近のお気に入りはBYREDOの「TREE HOUDE」と、CDGのMONOCLE Eau de Toilette YOYOGI(癒し)。
音楽をとにかく常に聴いていたいので、有線イヤホンとヘッドフォンを2つ常備しています。毎日どっちかを付けている!

🍏 羽永
ピンクの水玉の日記帳は、イタリアで去年買ったもの。日記は毎日書かないと、日常を逃している感じでもったいない。そして、気持ちを日記帳に整理しないと、すぐ脳がぐちゃぐちゃになるので必須。もう一回り小さいノートはアイデアが浮かんだときに書く専用ノート。
あとは、フィルムカメラ。カメラは20種類ぐらいあるので必ず2、3種類持っているけど、一番持ち歩くのはこれ!

肩の力を抜きたいときに使っているアイテム

🎀 hannah
本! インターネット時代だからこそ、現実から離れて静かな時間を作ることを意識しています。読書は、スッと別の時空に行けるから好き。
特に女性作家による繊細な人間関係を描く本が好き。山本文緒さん、金原ひとみさん、綿矢りささん、柚木麻子さんなど! 人間性が見えてる本が好きです! 女性だから共感できる部分もあれば未知の部分もあって、半分リアリティある感じが面白いです。

🍏 羽永
一つ目は小説。映画よりも何よりも本を読んでいる時は現実を見ずに済みます。私は自分の思ったことを言葉にするのがすごく苦手だと思っているので、本を読んで学んでいます。イギリスにいる間日本語の本を読むのが少し億劫だったのですが、読んでみたら「やっぱり好きだ!」と思った。
二つ目はさまざまなところで集めたポストカード。思い出がこもっていたり、誰かを想って買ったりしたポストカードを見るのがとても好きな時間です。

海外の好きな街

🎀 hannah
香港。カオスな空気と異国感が混ざる感じがすごく好き。ビデオゲームみたいな「レトロなのに近未来」な街並みに一番ときめく。最近都会のネオンが好きなことに気づきました。アジアらしさが濃くて、歩くだけで世界が面白くなる場所! ウォン・カーウァイ監督の映画ももちろん大好きです。

🍏 羽永
ポーランドのクラクフ。意外とみんな行かない所を旅しようと思い、ポーランドを選びました。静かで小さな街。日本人は1人も見なかった。ヨーロッパなのに、物価は日本といっしょでした。ローカルな街に行くと、昔ながらの色使いの可愛いお店が並んでいて、路面電車も可愛い。至る所で、パシャリ。自分だけの街を見つけたような街でした。

hannah

東京都出身。2005年生まれの20歳。クリエイター、イラストレーター、モデル。18歳よりSNSでイラストの活動を開始。YouTube登録者数は20万人。ポッドキャスト「Bee’s Tea with hannah」の配信も行うほか、モデルとして日本・中国・韓国で活動。

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羽永 / hana

22歳。仙台出身。
14歳で上京し、19歳のときに写真集『少女惑星』を発売。
20歳でロンドンへ留学し、日常を発信するYouTubeチャンネルをスタート。
現在は写真と映像を軸に、国内外で活動中。

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『ハイライトには残せないけど、生きていた日』

著者:hannah
発行:KADOKAWA
発売日:2025年10月1日
価格:1870円(税込)

『ハイライトには残せないけど、生きていた日』hannah – KADOKAWA

『Happy Accidents ロンドンで見つけたときめく人生のヒント』

著者:羽永
発行:KADOKAWA
発売日:2025年11月11日
価格:1760円(税込)

『Happy Accidents ロンドンで見つけたときめく人生のヒント』羽永 – KADOKAWA

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