くるくるの巻き毛の犬のように／音楽に恋をしている一人の人間として

me and youのニュースレター「message in a bottle」vol.73

2024/11/28

「me and youからのmessage in a bottle」は、個人と個人の対話を出発点に遠くの誰かにまで想像や語りを広げる活動を行なっていくme and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていることなどをみなさまと共有していくお便りです。

2024年11月23日に発行したvol.73では、美容室でくるくるの大きな犬みたいにしてもらい、線引きの違いと違いを生むものについて考えた日と、雨が降った夜にReal Estateのライブに出かけた日の話について、日記文通でお届け。「me and you’s eye」では、茨木のり子『詩のこころを読む』、佐藤真『エドワード・サイード OUT OF PLACE 4K』を紹介しました。

💌日記文通 – diary and letter –

me and you のふたりの日記と、お互いの日記から考えたことや感じたことにお手紙をそっとそえた「日記文通」のこころみです。わかりやすい言葉を少し脇に置いておいて、誰に見せるでもない自分のためだけの言葉をまず書いてみること。その言葉を親密な場所ですこしだけオープンにすること。朧げな自分の思考の輪郭を朧げなまま認識し、それを共有することで、個人が個人のままでいながら誰かと生きる未知の豊かさに迷いながら辿り着けるのではないか？という実験の記録です🚶

📗2024.11.15- 野村由芽：くるくるの巻き毛の犬のように

仕事机のまえには、半年ぐらい前から、斎藤真理子さんが『曇る眼鏡を拭きながら』で書いていた、「人はやったものになっていく」という言葉の付箋を貼っている。よろこびに身ひたした時間は、自分を底から支えるための養分になり、不意にやってきてしまう悲しみにもちこたえる心身をつくるかもしれない。白く仄甘いクリームにひたったくるくるの巻き毛の犬を憑依させてイメトレする。

📕2024.11.20- 竹中万季：音楽に恋をしている一人の人間として

Real Estateのアルバム「Days」はずいぶんたくさん聴いた。2011年、東日本大震災があった年であり、わたしが大学を卒業した年であり、社会人として働き始めた年に出たアルバムだった。今年出た「Daniel」というアルバムを聴いて、2011年にアルバムを聴いていいなと思った感覚をそのまま思い出して、郊外で過ごす日常を歌い続ける彼らの変わらなさになんだか泣きそうになったのだ。華美ではない、ささやかさに。それこそアメリカはトランプが再選したことだし、時代は動き、不安な状況があったとしても、変わらずにいい音楽を生み出す人たちが世界中に存在していることに純粋に救われる。

🐬me and you’s eye

詩人・茨木のり子が、自らの“心を豊かにしてきた詩の宝箱の中から忘れがたい詩の数々を選びだし、情熱をこめて”紹介する『詩のこころを読む』

下高井戸シネマで見た、佐藤真監督の『エドワード・サイード OUT OF PLACE 4K』

📮me and youの郵便箱

「日記文通 – diary and letter – 」の感想や、「me and you の『アイスクリームが溶けても』」で取り上げたらおもしろいのでは？というトピック、そのほかme and youに伝えたいことなど、郵便箱にていつでも受け付けています。いただいたメッセージのなかからいくつかこちらのコーナーで返信をしていきますので、お気軽にお便りいただけたらうれしいです💐

📮me and youの郵便箱に手紙を送る