「別に僕、なんーも特別な人間じゃないんですよ、チャリでここ来て働いて、チャリで帰ってお風呂入って寝て、明日の朝、このパン焼いて食べるんです、たまには恋愛だってするし」
「その相手がたまたま男性なだけなんです、ただ」
2025年6月18日に初日を迎えた、演劇ユニット「宝宝」の公演『みどりの栞、挟んでおく』の台詞です。わたしはこの公演で脚本と演出を担当しました。
ゲイである宝良が、立場の異なる相手に対して、勇気を出して自分を差し出す。それまで逃げてばかりだった彼にとっては、ちょっとだけ特別なワンシーン。
(逃げることは必ずしも悪いことではないけどね)
おなじく、なんーも特別な人間じゃないわたしの、ちょっとだけ特別な一日の日記をここに記します。
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梅雨とは思えない晴天が続いていた。
この日も朝から気温が高く、すっかり生ぬるくなった冷却ジェル枕の上で、何度寝かしてから起きた。
昨日の一言日記を書く。天気のスタンプと気分のスタンプと一言。6月17日は、晴れ、笑顔、「場当たりもゲネもFB(フィードバック)もがんばった! わたしの仕事はほぼ終わり!」
そして、ノート1ページ分のジャーナリング。こちらには、ここには書けないようなことを。