その部屋にはテレビがなかったから、BさんがiPadで流してくれている去年の『ゆく年くる年』を聞きつつ、タッカンマリの残り汁にそばつゆを合わせたものを蕎麦につけて食べた。
「今年の分は来年見よう、一年間楽しみにしている」と言っている人がいて、『ゆく年くる年』基準の一年の楽しみ方もいいな、と思った。
上京してから、毎年お正月は五反田団の「新年工場見学会」に参加していて、五反田のこのアトリエにいる。もう6年目だ。親戚の集まりのようで楽しく、ここでしか会えない人もいる。五反田団では毎年「〇〇」のニセモノというパロディの形式の演劇をしていたけれど、去年から映画を撮るようになった。去年は「2021年に延期となったあの“大規模スポーツイベント”」の映画を撮った。架空の競技パーチャリーで怪物と戦う映画だ。今年は料理系の映画を撮っている。
久しぶりにお酒を飲み、ここ数日撮影していた編集中の映画を出来たところまで見せてもらう。ゲラゲラ笑った。
深夜2時前に一人で抜けて帰る。最近、一人で帰りたいときに帰り、残りたいときに残るということが出来る大人になった。
2022年の目標を考えながら、乗り換えの渋谷駅で降りる。タクシー乗り場にたくさんの人が並んでいたり、大きな声で何かを叫んでる人たちがいる。井の頭線に行くとシャッターで入れず。しまった、お正月ダイヤだから新宿駅で乗り換えだったか。すぐに戻る。
新宿駅に着いたが、さっきのロスで乗り換えに失敗し、一時間ほど駅で待つ。パイレーツ・オブ・カリビアンの着メロの人がいた。着メロ懐かしい。あけおめメールはいつの間にか来なくなった。
結局、4時に家に着き、すぐさま眠る。
12時前に起床。お風呂(といってもシャワーですが)に入り、新年だから特別に試供品で貰った良いシャンプーとリンスを使う。髪がさらさらになった。13時に家を出て、11分の電車に乗り、昨日と同じ場所へ。撮影はまだまだ続いている。
14時から、皆んなでお屠蘇を飲む。これも毎年恒例の行事だ。赤い立派な器(屠蘇器というらしい……初めて知った)ではなく、急須に小皿で飲む。コロナ前はでかい小皿で回し飲みだったが、年齢順に別皿で飲んでいく。「もうそんな歳になったの!」とお互い驚き合った。このイベントは15年以上の歴史がある。時間が経つのは早い。