大きなサイレンが鳴って、三度、目が覚めました。音に敏感なはずの同居人は珍しく寝たまま、閉めていたはずのカーテンがほんの少し風で開いて朝の白い光が部屋に入っていました。本当はそんなサイレンは鳴っていなかったそうで、頭内爆発音症候群と言われる症状のようです。「頭の中で大きな爆発音がする」、アピチャッポン・ウィーラセタクンの『MEMORIA』を思い出しながら、よろよろとベッドをでました。イスラエル・イランの紛争の六日目で、ガザへの攻撃もまだ続いていました。あの夢の中でのサイレンはなんだったか思い出せないまま、イランのベランダから撮影された爆撃の映像を見ました。