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声のポスト

グラフとコメントで見る。「こうあるべき」によって不自由さを感じる?

88人が縛られていると感じる「こうあるべき」をグラフから読み解く

言葉にならない違和感が生まれるきっかけになったできごとや、社会に存在する問題まで、ひとつの「問い」を立てて、公募を含めたさまざまな人の声を集める「声のポスト」の企画。複数の声から、それぞれの思いや語りが同時に存在する社会そのものを見つめていきます。

あなたにとって、「自由」とは何ですか? me and youはクリーンビューティブランド7NaNaturalとコラボレーションして、少しでも自由に生きていけるあり方をそれぞれの持ち場で探る20名に加え、公募でもさまざまな方から「Free your mind」をテーマに声を集めました。ジェンダーやセクシュアリティ、環境や政治や宗教、どんな表現をするか、母であることなど、社会や自分自身のなかにある固定観念に向き合いながら、自由について考える計40名の声をお届けします(人それぞれの自由の形。あなたにとってのFree your mindって?40人の声 前編後編)。

この記事では、質問4〜6の選択式質問にお答えいただいた方々の回答結果を、グラフとコメントでご紹介。

🤍あなたにとっての「Free your mind」って?

1.自分が固定観念に縛られていると感じるときってどんなとき?
2.自分自身にとって「自由である」とはどういう状態だと思う?
3.自分が心地よくあるために、どのように考え、過ごしてる?
4.世の中の「こうあるべき」によって不自由さを感じたことはある?
5.自分が特に縛られていると感じる、世の中の「こうあるべき」は?
6.何が変わったら、「こうあるべき」に縛られない?

※質問1〜3は記述式、4〜6は選択式。

🤍声を寄せてくださった方々

前編
アウファさん(自撮家)、AYANAさん(ビューティライター)、イシヅカユウさん(ファッションモデル)、市川渚さん(クリエイティブ・コンサルタント)、eriさん(DEPT Company代表、アクティビスト)、小谷実由さん(モデル)、苅田梨都子さん(ファッションデザイナー)、合田文さん(起業家・『パレットーク』編集長)、SAKURAさん(モデル、アーティスト)、塩塚モエカさん(羊文学)

後編
たなかみさきさん(イラストレーター)、戸田真琴さん(セクシー女優・文筆家・映画監督)、中里虎鉄さん(フォトグラファー・エディター)、haru.さん(クリエイティブディレクター)、平山潤さん(NEUT MEDIA株式会社代表・NEUT Magazine編集長)、前田エマさん(モデル)、松井えり菜さん(画家)、Marinさん(COOL MOM TOKYO)、ミュータントウェーブさん(YouTuber)、脇田あすかさん(デザイナー)

🤍公募で声を寄せてくださった方々

“【声の募集】あなたにとっての「Free your mind」って?”の記事に回答いただいた68名

質問1〜3に関しては、一人ひとりが考える「自由」について、それぞれの言葉で表していただき(前編後編)、この記事では、「自由」であることを難しくさせるものはなにか、そこからどうしたら少しずつ解放されていくのかについて、いくつかの選択肢のなかから選んでいただくことで、多くの人が課題に感じていること、あるいは他と比較すると少ない人が回答しているけれど、確かに課題が存在することなどについて、見ていきたいと思います。

世の中の「こうあるべき」によって不自由さを感じたことはある?

まず、世の中からもたらされる「こうあるべき」によって不自由さを感じたことがあるかどうかについて質問を行いました。

結果、ほとんどの人が「こうあるべき」によって不自由さを感じた経験があると回答。「こうあるべき」のなかには、現存のルールや制度のみならず、慣習や社会通念なども含まれるのではないかと思います。

もともと日本や中国に存在していた「自由」という言葉には「我儘勝手」のような意味合いが強く、どちらかというとマイナスに捉えられる側面の強い概念だったそう。それが、幕末から明治初期に「Freedom」と「Liberty」の両方の言葉が、辞書などで「自由」と訳されるようになり、そこから自由という言葉の意味合いが日本においても西欧の自由の概念を踏まえる形で変化していったようです。

こういった変遷含め、「自由」という言葉の概念がどのように日本で翻訳されていったのかを考察する柳父章の『翻訳語成立事情』(岩波新書、1982年)では、西欧の自由の概念には「我思ふ儘をして、他人より故障の謂はれぬもの」(同書p191)、つまり思いのままでありながら、他人から妨げられない(同時に他人のそれも妨げない)といった意味合いが強く含まれることと述べ、また次のように書いています。

<かつてルソーは、「人間は自由なlibreものとして生まれた、しかもいたるところで鎖でつながれている」と、『社会契約論』(1762年)の冒頭に書いた。この文句は、やがて西欧の至る所で、人々の心を燃えたたせたのである>(同書p182)

もちろん西欧以外の地域にも、たとえば圧政に反抗する運動は数多く存在していました。その事実を踏まえながらも「鎖から解き放たれる」だけではなく、「積極的に求める価値として、人間の内部にある観念としてとらえることば」(同書p182)という新たな価値が、「自由」という翻訳語とともに、日本の民衆にもたらされたという歴史があると書かれています。

同時に「自由」という概念が指すものは、西欧のみならずさまざまな言語で、分野で、あるいは言葉になっていなくとも一人ひとりの思想や感情のなかに、存在してきたものでもあると思います。時代や場所を問わず、人間が願い、求め、考え続けている「自由」。それは人それぞれの形で存在し、広く、深く、豊かなものであるはずです。それゆえに、「自由」を求めるために、世の中の「こうあるべき」に向き合うことは、これまで生きてきた人たちが行ってきた営みを受け継ぎながら、現在、そして未来に向けて、人間が自由に生きるという尊厳をつないでいくことなのかもしれません。

自分が特に縛られていると感じる、世の中の「こうあるべき」は?

次は、自分が縛られていると感じる、世の中の「こうあるべき」の内訳について見ていきます。もっとも多かったのは、「ジェンダー」にまつわるものによるという回答(64.8%)。続く、「仕事」「見た目(外見)」「年齢」「家族」に関しては、半数以上の人が「こうあるべき」に縛られていると感じたという結果に。

「人種」「国籍」に関する回答は、他と比較すると少なくはありますが、それでもそれぞれ18.2%、17%の人が該当し、10人のうち約2人弱が縛られているという実感をもっている状況です。また、他と比較して数が少ないということは、重要ではないこととイコールではまったくありません。自分がなにかに制約を受けることを困難に思うと同様に、他の誰かが、自分とは異なる制約によって困難を抱えている事実をまず知ることが大切なのだと思います。

「その他」のなかでは、「病気を持っていること(健康であること)」「育児や子育てに関すること」についてのコメントが多く挙げられました。たとえば「健康にまつわること。心身ともに健康であれという風潮や、体調を崩したら自己責任、という風潮からくるプレッシャー、ADHDなどの特性によって就職活動がしづらくなったりと、“あるべき健康な人間のすがた”のイメージによって在り方を縛られている気がする」という回答を寄せてくださった方も。

これらの項目は、選択肢として入れていた場合、選ぶ人が多かったのではないかとも想像され、この質問項目をつくった自分たち自身が縛られているもの、それによって気づけなかったものにも目を向けることとなりました。

何が変わったら、「こうあるべき」に縛られない?

最後の質問はこれまでの質問を踏まえ、何が変われば、世の中の「こうあるべき」に縛られないと思うかについて、質問を行いました。

「こうあるべきに縛られない」ための回答としてもっとも多かったのは、「学び方、それに伴う知見や見解」が変わること(80.7%)。続いて、「社会全体の常識」(76.1%)、「周りにいる人の理解」(63.6%)、「政治」(54.5%)、「法制度」(51.1%)などを半数以上の人が選択。

社会全体の常識や、周りにいる人の理解は、政治や法制度の状況とも深く関わりがあることであり、同時に、政治や法制度も、人々の意識や社会通念によって変化していきます。一人ひとりの考え方と、社会のあり方の両方を考え、動かしていくための方法として、「学び」の重要性を認識している人が多いのかもしれません。

「ありのままの自分」は、30.7%の人が回答。ありのままの自分で過ごすことによって、なにかに縛られたり、生きづらさを感じたりせざるを得ない社会においては、自分自身を変える必要があると感じる人も少なくないのではないかと思います。こうなりたい、変わりたいという個人の願いは尊重されるべきものです。それとは別に、社会で生きていくためにありのままの自分を隠したり、無理に歪めたりせざるを得ない状況が、少しずつよくなっていっていくといいと思います。

「その他」のなかでは、「自分に自信を持つ」「自分の存在を疑ってみる」「自分を大切にする」「自分の存在に満ち足りる」など、自分自身との向き合い方や、見方、感じ方などに対する回答が多く挙げられました。

あなたにとってのFree your mindはなんですか? 誰もが、日々のなかの小さな選択権を手放さないでいられるように。自分の心やからだが窮屈ではなく、脅かされない状態で、のびのび感じ、考え、行動できるように。どうかこの言葉を受け取った方が、少しでも自由なほうへと向かっていけることを願っています。

(計測期間:2022年8月2日〜14日、有効回答数計88人)

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