私たちは月曜日から日曜日まで、毎日服を選んで生活しています。SNSには書けないような憂鬱な日でさえ、クローゼットの前に立つことから一日が始まります。仕事がうまくいかなかったり、社会で起きていることに心が動かされたり、ときには誰にも会いたくない気分になったり……。誰かの暮らしがきらきらとして見えても、誰もが大小さまざまな波に揺られているはず。そんな毎日のなかで、その時々の気分に合った服を纏うことは、たよりない日々を少しずつでも前へ進めていこうと思わせてくれる。ファッションには、そんな言葉にできないパワーが込められているように感じます。
これは、ある架空の女性の物語。東京・渋谷で一人暮らししている25歳の彼女は、ずっと働いていた会社を辞めて、あこがれていた編集・ライターの仕事をはじめたばかり。不安も多いけれど、愛すべきものや人との時間、お気に入りの服を選ぶことを大事にしながら生活しています。彼女の一週間を、スタイリスト・和田ミリさんによるコーディネートと共にお届けしていきます。
※この物語はフィクションです。