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水曜日。大人になっても道端で泣くことだってある/ままならない日々を、お気に入りの服と。

一週間コーデ。襟付きのシャツにパンツでキリッとしつつ、レース模様を散りばめて

これは、ある架空の女性の物語。東京・渋谷で一人暮らししている25歳の彼女は、ずっと働いていた会社を辞めて、あこがれていた編集・ライターの仕事をはじめたばかり。不安も多いけれど、愛すべきものや人との時間、お気に入りの服を選ぶことを大事にしながら生活しています。「ままならない日々を、お気に入りの服と。一週間コーディネート」では、彼女の一週間を、スタイリスト・和田ミリさんによるコーディネートと共に、毎週お届けしていきます。

※この物語はフィクションです。

水曜日。編集・ライターの仕事に転職してこれまで一ヶ月、先輩の背中を見ながら学んできたけれど、「そろそろ自分の企画を出してみてもいいかもね」と言われて、今日はいよいよその企画会議の日。ここ最近はずっと、このことで頭がいっぱいだった。

早起きして最終準備をして、資料にまとめて。襟付きのシャツにパンツで少しキリッとしたスタイルに、大好きなレースを散りばめた。

会議で編集部のメンバーに自分の企画を発表したけれど、うまく伝わったかどうか不安が残る。「おもしろそう、少し考えてみるね」と言われていったん家に帰ることになったけれど、待っている時間は少し苦手だ。道の途中、不安な気持ちを慰めるためにつくった「calm space」というプレイリストから流れる音楽が寄り添ってくれる。しばらくすると、先輩から電話がかかってきた。

私の企画は通らなかった。たっぷり準備はしたつもりだけど、電話でフィードバックを聞きながら、下調べが足りていないことに気づかされた。先輩から「今回は時間がないから他の案を進めるけれど、ブラッシュアップしたらいい案になると思う」と優しい言葉をかけられて、力不足が悔しくて、涙が出てしまう。大人になったら外では泣かないと思っていたけれど、全然そんなことはないんだな。

やってみたいことはたくさんあるけれど、どう形にしたらいいか、まだまだわからないことばかり。思い描いているようにうまくはいかない。ずっとやりたかった仕事だから早くできるようにならなければという気持ちで、最近、少し根詰めて考えすぎていたかもしれない。先輩が電話の最後で伝えてくれた「私も初めはそうだったよ、めげずに続けていけば大丈夫」という言葉を支えに、また明日からがんばっていこう。

シャツ¥17,380/DREAM LANDERS (DESPERATE LIVING)
パンツ¥48,400/3to8 vintage apartment store
シューズ¥16,500/OTOE
リング¥27,500/EVLiN
バッグ/スタイリスト私物

ままならない日々を、お気に入りの服と。一週間コーディネート

私たちは月曜日から日曜日まで、毎日服を選んで生活しています。SNSには書けないような憂鬱な日でさえ、クローゼットの前に立つことから一日が始まります。仕事がうまくいかなかったり、社会で起きていることに心が動かされたり、ときには誰にも会いたくない気分になったり……。誰かの暮らしがきらきらとして見えても、誰もが大小さまざまな波に揺られているはず。そんな毎日のなかで、その時々の気分に合った服を纏うことは、たよりない日々を少しずつでも前へ進めていこうと思わせてくれる。ファッションには、そんな言葉にできないパワーが込められているように感じます。

これは、ある架空の女性の物語。東京・渋谷で一人暮らししている25歳の彼女は、ずっと働いていた会社を辞めて、あこがれていた編集・ライターの仕事をはじめたばかり。不安も多いけれど、愛すべきものや人との時間、お気に入りの服を選ぶことを大事にしながら生活しています。彼女の一週間を、スタイリスト・和田ミリさんによるコーディネートと共にお届けしていきます。

月曜日。仕事後、書店で自分を見つめる本と出会う
火曜日。パレスチナを思いながら、友達と映画鑑賞会をする
水曜日。大人になっても道端で泣くことだってある
木曜日:coming soon!
金曜日:coming soon!
土曜日:coming soon!
日曜日:coming soon!

DREAM LANDERS
古着店「DESPERATE LIVING」のリメイクライン。店名はジョン・ウォーターズ監督の映画作品に由来する。また、彼がキャストやスタッフを「DREAM LANDERS」と呼んでいたことから、このブランド名をつけた。

Web

3to8 vintage apartment store

大学で服飾を学んだ後、茨城県で作品制作などをしながら過ごし、その期間中にhisakanaoとして活動をはじめる。現在は関西を拠点にとても個人的なことをテーマに掲げながら刺繍やニットを取り入れた服や小物を制作したり、時には川柳を楽しんだりしている。

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OTOE

独自の切り口で発掘されたヴィンテージアイテム・オリジナルな提案のコーディネートは着る人独自の世界観を広げる。
アーティストとのコラボレーションやリメイクライン「OTOELOGY」も展開している。

住所:東京都渋谷区神宮前2-31-9 クリスタル 神宮前 ビル 2F
営業時間:13:00〜19:30
定休日:Instagramを参照
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EVLiN

わたしの中にある理想の女性像の装身具を思い浮かべて制作。その姿は半透明で、ヴェールがかかったような。艶やかな唇、どこか懐かしく思う風景、裸で犬と戯れる女性。柔らかい香りを漂わせながら、強く揺るぎない。

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Web

和田ミリ

1997年生まれ、愛媛県出身。文化服装学院ファッション流通科スタイリストコースを卒業後、スタイリストの小山田孝司さんに師事し、2020年に独立。雑誌、ウェブメディア、ブランドルック、広告や俳優のスタイリングまで幅広く活動中。

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新家菜々子

1998年石川県生まれ。高校時代に学生生活を記録するため写真活動を始める。2022年に個展「live in the light」を開催。現在は東京を拠点とし、web、ライブ写真などフィルム写真を中心にさまざまな媒体で活動中。

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鈴木美乃里

1997年生まれ。お菓子を作ったり、日記や新聞を書いたり、お絵描きしたりしながら、生活をおもしろがるためのアイディアを模索するプロジェクト”游泳”を2019年にスタート。2022年から不定期で行なっている1日限定の喫茶をメインに活動中。

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