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清水淳子さんと話した「伝えることの難しさ」

動画でお喋り「アイスクリームが溶けても」

me and youが隔週金曜日にお送りしているニュースレター「me and youからのmessage in a bottle」。個人と個人の対話を出発点に遠くの誰かにまで想像や語りを広げる活動を行なっていく拠点として立ち上がったme and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていることなどをみなさまと共有していくお便りです。

そこで連載中の動画企画「アイスクリームが溶けても」は、me and youのふたりが、答えが出ていない日々の気づきや違和感、課題感、共有したい発見など、いつもの温度感で、迷いも興奮も寄り道もそのままにお喋りしたり、時には議論したりする私的空間。me and you little magazine & clubでは、このメディア・コミュニティを一緒につくっていく「and you」の方々をゲストにお迎えしてお喋りした回の様子を記事にしてお届けします。

2回目のand youのゲストは、デザインリサーチャーの清水淳子さん。「グラフィックレコーディング」の第一人者であり、多摩美術大学の情報デザイン学科で講師を務めている清水さんと一緒に、「伝えることの難しさ」をテーマにお話ししました。

me and youの「アイスクリームが溶けても」ゲスト:清水淳子さん

今回のテーマ

  • テキストコミュニケーションの難しさ
  • けんかについて
  • あやまった後?

寄り道したこと

  • Slackのコミュニティによって存在するルールやマナー
  • スタンプで思わぬ花言葉を伝えてしまうかもという不安
  • 「お世話になっております」という言葉について
  • 質の高い喧嘩もあるんじゃないか?
  • 勝ち負けではなく、本音でわかりあいたい
  • 前を向く矢印をどう一緒に作っていくのか
  • 「謝罪」と「陳謝」の違い

話を終えての感想

清水淳子

3人で、ゆったりと刺繍をするように、少しずつステッチを重ねるような対話の時間でした。お互いの糸が、柔らかく結びつき、見たことないような不思議な模様が浮かび上がっていくような、おしゃべりが心地よかったです。糸が絡まって、もう切るしかないような刺繍は疲れるし、やはり悲しい。お互いの糸が動くリズムを読み合いつつも、自分の糸の独特な色やうねりを楽しむ空間。理想的でなんか涙出そうでした。

野村由芽

会話ひとつをとっても、メール、手紙、電話、オンライン、対面、など手法によって伝え方も伝わり方も異なりますし、あるいは対面の会話だとしても、それを文字や図、映像などで記録してみるとそれぞれ違った見え方が生まれるかもしれません。こんなに多様な伝え方があるなかで、なんとなく「伝わった」と喜んだり「伝わらなかった」と落ち込んだりするけれど、本当にそれってそうなのだろうか? ということを淳子さんとの話のなかで何度も考えました。お互いの話したいことを予想しすぎず、出てきた言葉から慎重に言葉と像を重ね合わせていくような時間がとても印象的でした。また話したいです。

竹中万季

わたしたちは普段、言葉を使って誰かに何かを伝えようとするけれど、言葉を発する人と受け取る人が同じようにその言葉が纏っているものを捉えているとは限らず、それにより難しさを感じたり、衝突してしまったりすることがたびたびあります。今回淳子さんとお話したように、なぜそうなるんだろう、と立ち返って話し合ってみることを身近な人とやっていきたいなあと思う時間でした。喧嘩や謝罪についてもっと分解して考えてみる会、やりたいですね!

アイスクリームが溶けても、お喋りを!

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2009年 多摩美術大学情報デザイン学科卒業後デザイナーに。2013年 TokyoGraphicRecorderとして議論を可視化するグラフィックレコーディングの活動と研究を開始。同年、UXデザイナーとしてYahoo! JAPAN入社。2019年、東京藝術大学デザイン科情報設計室にて修士課程修了。現在、多摩美術大学情報デザイン学科専任講師。視覚言語についてメディアデザインの視点から研究中。著書に「Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書」(BNN新社)。

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