月曜日。
転職して1ヶ月経った。ずっとやってみたかった編集・ライターの仕事は、毎日刺激でいっぱいだ。好きなものに近い場所で働けることにうれしさが溢れると同時に、思うように進められないことが多く、歯がゆい毎日を送っている。今日は先輩の取材の同行だったけど、もっとできることがあったはずなのに、全然うまくできなかった。つい自分を責めてしまう。仕事の帰り道、三軒茶屋駅に立ち寄って、twililightに訪れることにした。
一週間コーデ。twililightで出会った『愛は時間がかかる』と『大都会の愛し方』
2025/8/11
これは、ある架空の女性の物語。東京・渋谷で一人暮らししている25歳の彼女は、ずっと働いていた会社を辞めて、あこがれていた編集・ライターの仕事をはじめたばかり。不安も多いけれど、愛すべきものや人との時間、お気に入りの服を選ぶことを大事にしながら生活しています。「ままならない日々を、お気に入りの服と。一週間コーディネート」では、彼女の一週間を、スタイリスト・和田ミリさんによるコーディネートと共に、毎週お届けしていきます。
※この物語はフィクションです。
月曜日。
転職して1ヶ月経った。ずっとやってみたかった編集・ライターの仕事は、毎日刺激でいっぱいだ。好きなものに近い場所で働けることにうれしさが溢れると同時に、思うように進められないことが多く、歯がゆい毎日を送っている。今日は先輩の取材の同行だったけど、もっとできることがあったはずなのに、全然うまくできなかった。つい自分を責めてしまう。仕事の帰り道、三軒茶屋駅に立ち寄って、twililightに訪れることにした。
前に会社を休職していた頃も、このお店に来たのを覚えている。ここで見つけた本が、新しい道を選ぶことをそっと後押ししてくれたのだった。今も、本棚の一番目立つところに置いてある。
カフェで少しゆっくりしようと思って、ドリンクを選ぶ。月曜日の夜だけど、緊張した気持ちをほぐすために、今日はお酒にしてみた。二層の色合いが美しいオリジナルカクテル「twililight」は、ウォッカとグレープフルーツとトニックにたそがれをひとしずく垂らしているとのこと。
店主の熊谷さんに「最近、ちょっと自分の生活にたよりなさを感じていて。なにかおすすめの本、ありますか?」と聞いたところ、植本一子さんの『愛は時間がかかる』とパク・サンヨンさんの『大都会の愛し方』をおすすめしてもらった。こういうときに出会う本は、きっと大切な本になると信じている。二冊とも購入して、席についた。
買った本を、それぞれ少しだけ読んでみる。『大都会の愛し方』は、韓国文学が好きな友達がInstagramに書いていて気になっていた本だ。<最低賃金のバイトをしながら、くずみたいな文章を書き殴って暮らす>主人公。私もバイトをしながら、文章を書く仕事を始めたばかり。つい自分を重ねながら読んでいた。
『かなわない』がずっと心に残っている植本さんの『愛は時間がかかる』は、トラウマ治療の記録だそうだ。ページをめくると、タイトルに「こんな自分と生きる」という文字。こんな自分と生きていくこと。これはきっと、今の私のための本だ。出会えたうれしさに、酔いも相まって気持ちが高揚していく。飲むたびに、お酒のグラデーションが少しずつ変わっていく。
帰る前に、少しだけ屋上で一息。今日は少しだけ肌寒い日だったから、ジャケットを羽織ってきてよかった。夜空のなかで街のきらきらを眺めると、一人ひとりの小さな生活を感じることができる。この気持ちを忘れずに、一週間を過ごしていこう。
ジャケット¥66,000/3to8 vintage apartment store
シャツ¥14,300/OTOE
エプロンスカート¥18,480/wandmee
バッグ¥10,780/DREAM LANDERS(DESPERATE LIVING)
ブーツ¥17,380/DESPERATE LIVING
❤️着用アイテム❤️
私たちは月曜日から日曜日まで、毎日服を選んで生活しています。SNSには書けないような憂鬱な日でさえ、クローゼットの前に立つことから一日が始まります。仕事がうまくいかなかったり、社会で起きていることに心が動かされたり、ときには誰にも会いたくない気分になったり……。誰かの暮らしがきらきらとして見えても、誰もが大小さまざまな波に揺られているはず。そんな毎日のなかで、その時々の気分に合った服を纏うことは、たよりない日々を少しずつでも前へ進めていこうと思わせてくれる。ファッションには、そんな言葉にできないパワーが込められているように感じます。
これは、ある架空の女性の物語。東京・渋谷で一人暮らししている25歳の彼女は、ずっと働いていた会社を辞めて、あこがれていた編集・ライターの仕事をはじめたばかり。不安も多いけれど、愛すべきものや人との時間、お気に入りの服を選ぶことを大事にしながら生活しています。彼女の一週間を、スタイリスト・和田ミリさんによるコーディネートと共にお届けしていきます。
月曜日。仕事後、書店で自分を見つめる本と出会う
火曜日:coming soon!
水曜日:coming soon!
木曜日:coming soon!
金曜日:coming soon!
土曜日:coming soon!
日曜日:coming soon!
OTOE
独自の切り口で発掘されたヴィンテージアイテム・オリジナルな提案のコーディネートは着る人独自の世界観を広げる。
アーティストとのコラボレーションやリメイクライン「OTOELOGY」も展開している。
住所:東京都渋谷区神宮前2-31-9 クリスタル 神宮前 ビル 2F
営業時間:13:00〜19:30
定休日:Instagramを参照
Instagram
❤️着用アイテムを貸し出してしてくださったショップ&ブランド
和田ミリ
1997年生まれ、愛媛県出身。文化服装学院ファッション流通科スタイリストコースを卒業後、スタイリストの小山田孝司さんに師事し、2020年に独立。雑誌、ウェブメディア、ブランドルック、広告や俳優のスタイリングまで幅広く活動中。
新家菜々子
1998年石川県生まれ。高校時代に学生生活を記録するため写真活動を始める。2022年に個展「live in the light」を開催。現在は東京を拠点とし、web、ライブ写真などフィルム写真を中心にさまざまな媒体で活動中。
鈴木美乃里
1997年生まれ。お菓子を作ったり、日記や新聞を書いたり、お絵描きしたりしながら、生活をおもしろがるためのアイディアを模索するプロジェクト”游泳”を2019年にスタート。2022年から不定期で行なっている1日限定の喫茶をメインに活動中。
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