朝9時半起床。晴れ。南東向きのリビングは、気持ちのいい光が差している。
少し冷たい風がまざるが、暖かい。部屋の窓を開けて換気。花粉がきつい。
毎年のことだけど、花粉症じゃなかったらもっと春が楽しいのに、と思う。
ぺぺさんの日めくりカレンダーをめくる。3月1日は「声に出したら解決する日」。
脱力したイラストとともに、絶妙な温度感のゆるいコメントが書いてある。
同じカレンダーを愛用している友人が手術のために入院しているので、入院中は毎朝カレンダーの写真を撮影して送ろうと決めている。入院当日からだいぶヒマを持てあましているようだったので、ちょっとしたお楽しみになればいいし、今日は何かを声に出して解決してほしいと思う。
お湯を沸かしながら、簡単に部屋を掃除する。昨夜は、写真展の準備で3時半まで起きていた。写真展は4月からはじまるのだが、訪問看護師として働きつつ作家としての活動もしているので、開催直前などはプライベートな時間というものは限定される。プライベートな時間って一体なんだっけ? 展示準備のために消えているはずの時間の内訳を想像してみたが、うまく思いつかない。とにかく走るしかないのだ。
今回写真展をする《耳をすます》という作品は、20〜100代、60名の人々に「最期に聞きたい音はなにか」と問いかけながら、耳の写真を撮影したものだ。言葉と写真を合わせて展示をするのだが、その準備として、大きくプリントした写真をどのように展示するかの実験をしており、わが寝室の壁には2〜3週間前からでかい耳が貼りついている。60センチ。