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「生はいとしき蜃気楼」/クリスマスイブとエリオット・スミス

me and youのニュースレター「message in a bottle」vol.75

「me and youからのmessage in a bottle」は、個人と個人の対話を出発点に遠くの誰かにまで想像や語りを広げる活動を行なっていくme and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていることなどをみなさまと共有していくお便りです。

2024年12月28日に発行したvol.75では、茨木のり子を読みながら振り返る年末と、クリスマス・イブの日にストリートピアノでエリオット・スミスを聴いた日のことについて、日記文通でお届け。「me and you’s eye」では、宮田明日鹿さんによる『Knitting ’n Stitching Archives.』、スプラトゥーンと『フェミニスト、ゲームやってる』を紹介しました。

💌日記文通 – diary and letter –

me and you のふたりの日記と、お互いの日記から考えたことや感じたことにお手紙をそっとそえた「日記文通」のこころみです。わかりやすい言葉を少し脇に置いておいて、誰に見せるでもない自分のためだけの言葉をまず書いてみること。その言葉を親密な場所ですこしだけオープンにすること。朧げな自分の思考の輪郭を朧げなまま認識し、それを共有することで、個人が個人のままでいながら誰かと生きる未知の豊かさに迷いながら辿り着けるのではないか? という実験の記録です🚶

📗2024.12.27- 野村由芽:「生はいとしき蜃気楼」

今年は、茨木のり子の『詩のこころを読む』がかたわらにずっとあった。「誕生から死」の順番で選びぬかれた「人のこころを解き放ってくれる」、または「生きとし生けるものへの、いとおしみの感情を誘いだしてくれる」いくつもの詩に出会った。けれどそれ以上に、日常の詩的な瞬間を掬いたいと願いながらも、詩を読むことについてはてんで初心者である自分にとっては、詩の世界へと手をひく茨木のり子の文章がまず胸に迫ってしかたなかった。

📕2024.12.24- 竹中万季:クリスマスイブとエリオット・スミス

下北沢に到着し、打ち合わせに向かうまで少しだけ時間があったから、カフェに入った。コーヒーを買おうとレジで並んでいると、どこかから聴いたことのある曲が聴こえる。ピアノの旋律。ああ、これはエリオット・スミスだ、私の大好きな。カフェのすぐそばにあるストリートピアノで弾いている人がいるのが見えて、どきどきが止まらなくて、並んでいた列から飛び出してピアノを聴きに行った。ちょうど曲が終わるところで、私はなぜだか涙ぐんでいた。いてもたってもいられなくなり、弾き終わったその人に「エリオット・スミスですか!」とだけ言って、「そうです」と言ってもらって、それ以上の言葉が見つからず、会釈してカフェに戻った。ああもっと気が利いた言葉は言えなかったのか。そもそも急に話しかけてしまって大丈夫だったのだろうか。それにしても、こんな日に、エリオット・スミスが聞けるなんて。そのことで頭がいっぱいになってしまう。

🐬me and you’s eye

  • 宮田明日鹿さんによる『Knitting ’n Stitching Archives.』
  • スプラトゥーンと近藤銀河さんの『フェミニスト、ゲームやってる』
  • 📮me and youの郵便箱

    「日記文通 – diary and letter – 」の感想や、「me and you の『アイスクリームが溶けても』」で取り上げたらおもしろいのでは?というトピック、そのほかme and youに伝えたいことなど、郵便箱にていつでも受け付けています。いただいたメッセージのなかからいくつかこちらのコーナーで返信をしていきますので、お気軽にお便りいただけたらうれしいです💐

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