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「安達茉莉子さんと『やってみてよかったこと』を話そう〜暮らし、行動、遊び〜」レポート

me and you clubメンバー限定イベントのレポート

me and you clubは、安心して話しはじめられ、信頼できる人が見つかるかもしれないコミュニティ。クラブ活動やイベントを通して、個人的なことや社会的なことを考え、語る場所です。

6月3日 20時から、作家の安達茉莉子さんをお招きし、「やってみてよかったこと」についてお話しする会をZoomで行いました。著書『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』などをはじめとして、ほかでもない自分の心地よさを探究する生活の旅路を耕している安達茉莉子さんが日々とりいれていることとは? 聞き手を務めたのは、me and youの野村由芽・竹中万季。この記事では、イベントのミニレポートをお届けします。

「“気になったら実際にからだを運ぶ”ことを積極的にするようになりました」

ピラティス、お茶、武術……と次々に新しいことにチャレンジしているという茉莉子さん。アクティブに行動するようになったきっかけは? と聞くと、こんな答えが。

「自転車が大きなきっかけだったかもしれません。もともと文系だし、インドアだし、本当にかなり臆病なので、怖いことを避けながら生きてきたんです。でも、自転車に乗ると、スイッチが入るというか。地面の感覚とかが腕とかお尻、からだにがつんとくるし、家を出て、いろんな場所を乗り越えていくと、やっぱり爽快感があるんですよね。自転車に乗るようになってから、明るくなったって言われます。“自転車ビフォアーアフター”という感覚があって、もともと好奇心は旺盛なほうでしたが、“気になったら実際にからだを運ぶ”ことを積極的にするようになりました」

「一番いい状態で仕事をするというテクニカルな意味でも、趣味の用事を先にカレンダーに入れるようにしています」

チャレンジしてみたいこと、やってみたいことはあるけれど、外や家で働いたり、暮らしのことをしたりするなかで、時間をつくるのがなかなか難しいことも……。そんななか、時間の使い方の試行錯誤を重ねて、安達さんは最近、武道やお茶の講座などの「習い事のスケジュールを最優先でカレンダーに入れる」ことをしているそう。

「仕事を最優先にして、友達の誘いも全部断るようなことを一時期やっていたんです。でもそうしたら、本当に回らなくなってきたんです。わたしは文章を書く仕事ですが、気力がなくなるというか、流れているものが止まってしまうというか、しなしなになってしまって。うまく書けなくなりました。友人に相談してみたら、“プライベートで遊んでいないからじゃない?”と言われました。

そのとき、わたしは自分の興味がおもむくことや、自分のからだが反応したものに実際に足を運ぶことで、流れが生まれてそれが文章になっていくタイプだと改めて感じたんです。だから一番いい状態で仕事をするというテクニカルな意味でも、趣味の用事を先にカレンダーに入れるようにしています。少し罪悪感を覚えたりもするのですが、自分の中では理にかなっている方法です」

それぞれが実感した「やってみてよかったこと」

ここで、安達茉莉子さんと、me and youの野村由芽・竹中万季がそれぞれ「やってみてよかったこと」を持ち寄っておしゃべり。いくつか抜粋してご紹介します。

🥦料理
最近、よく料理をするようになりました。幸田文さんの『台所のおと』という小説が好きで、ちょうど最近その本に関連するお仕事をしたこともあって、家事が面白いです。ヒノキのまな板に変えたら、音がめちゃめちゃいいし、香りもいいんです。いま「料理の見直し」のようなことをやっています。(安達茉莉子)

💆‍♀️からだを動かす
ジムに通ってみたことが、自分にとって大きな出来事でした。体育も苦手だったし、自分がいい感じにからだを動かせるとは思っていなかったんです。でもからだを動かすと、その後の仕事にもいい影響があるし、「なんでもできる」という気分が手に入ったりもして。「やっぱりプールも通ってみたいな」とか、やってみたいことが次々わいてくるのが新鮮です。(竹中万季)

📓生活ノート
小さなノートに月ごとの目標を書いています。生活リズムをつくるのが苦手なのですが、目標があると頑張れるタイプでもあって。そこには仕事のことは書いていなくて、編み物のパーツを何個つくるとか、心に残った文章を書き写そうとか、そういう目標ばかり。誰かから声がかかるのを待つだけでなく、自分で叶えるのだという感覚に、本当に心が満たされます。(野村由芽)

他にも、「胃袋にも好奇心がある」「スーパーごとの思想」「能のお稽古で声が枯れている」『庭のエスキース』という本について」……など、さまざまなトピックが。後半は、clubのメンバーの方々から、自身の「やってみてよかったこと」についてもお話しいただきました。

clubでは今後も、さまざまなテーマでイベントを行っていきます。イベントのほかにも、本や映画から社会のことまで、個人的な違和感もときめきも共有できるタイムラインや、思いや考えを綴ることができるブログなどの機能も。ご参加はいつでも受付中なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

❤️ me and you club ❤️

心が動いた本や映画について、
ひとりで考えていたあれこれを、その作品に惹かれてる誰かと話せること。
ニュースや身近な人とのやりとりのなかで、
モヤモヤと蓄積していった自分なりの社会への違和感を、
たとえまだ言葉になっていなくても、個人的な体験から考えはじめていいと思えること。
この世界にいる、それらをともにできる誰かといつか出会えるかもしれないこと。

me and you clubは
小さな違和感も幸福もなかったことにしないで、
個人的なことから、社会のことまで
自分なりの気づきを話しはじめ、考えを深めるコミュニティです。

たったひとつの「正しさ」の基準でジャッジせず、
一人ひとりの考えを尊重しながら、
安心できる場所で、自分の胸の奥にある思いを
書いたり、話したり、考えたりできる場所。

ありのままの自分の声を聞いてくれる場所があることや、
自分が誰かにとってそういう存在になれるかもしれないことは、
孤独をひとときやわらげたり、新しいことをはじめる一歩につながるかもしれません。

一人ひとりが自分なりに考え、偶然出会った相手の声に耳を傾けながら、
ともにゆらぎながらも学び、変わっていこうとすることは、
不確かな世界を歩む、心強い味方になるのだと思います。

そんな場所を、一緒につくりませんか。

安達茉莉子

作家、文筆家。東京外国語大学英語専攻卒業、サセックス大学開発学研究所開発学修士課程修了。政府機関での勤務、限界集落での生活、留学など様々な組織や場所での経験を経て、言葉と絵による作品発表・エッセイ執筆をおこなう。著書に『消えそうな光を抱えて歩き続ける人へ』(ビーナイス)、『何か大切なものをなくしてそして立ち上がった頃の人へ』(MARIOBOOKS)、『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』(本屋・生活綴方出版部)ほか。 初のエッセイ集『毛布 – あなたをくるんでくれるもの』(玄光社)を2022年3月末に刊行。

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Photo:矢部真太

『臆病者の自転車生活』

著者:安達茉莉子
価格:1,760円(税込)
発行:亜紀書房
発売日:2022年9月15日

臆病者の自転車生活┃亜紀書房のウェブショップ

『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』

著者:安達茉莉子
価格:1,980円(税込)
発行:三輪舎
発売日:2022年9月15日

私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE┃三輪舎

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