話したいことがたくさんあるはずなのに。
朝、目が覚めると、いつも通りお布団の中で猫のたねが横で寝息を立てていた。冬はなかなか起き上がれなくて、今日はワークショップをお願いした友人のことをぼんやりと思い返していた。
小学生の時からの友人で、それぞれの人生が変化していっても変わらず連絡を取り合っていて、今はお互い編み物を仕事にしている。そんな関係って私にとってはちょっと特別で、しみじみとした気持ちになった。
やっと起き上がって朝ごはんの準備。ホットケーキを作って少し火を強めたら、黒くなってしまった。
それから、春に向けてこぼれ種が自生している庭を散歩した。港まち手芸部(※1)のイベントが午後からなので、いつもより少しゆっくり家を出た。
港まちポットラックビルに到着して、さっそく準備開始。今回は、子どものために編んだ、サイズアウトしたセーターをほどく、友人によるワークショップ。来場者が思い思いに過ごせるように、ほどく場所だけでなく、編む場所も用意した設えにした。壁にセーターをピンでとめて、糸巻き機でほどいていく。
友人は「Tororino」という屋号で、YouTubeで編み方動画やニットパターンの販売を中心に活動している。トップダウンで編めるシンプルなセーターのデザインが特徴で、その編み方はほどいて編みなおしやすいため、10着以上をほどく予定ではじまった。
来場者は、セーターの構造について解説を聞きながら、糸巻き機で糸を巻き取っていく。まずは両袖の袖口、次に裾の下から上へ。