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いろんな記憶にアクセスする切符/鳥から自由を学ぶ

me and youのニュースレター「message in a bottle」vol.79

「me and youからのmessage in a bottle」は、個人と個人の対話を出発点に遠くの誰かにまで想像や語りを広げる活動を行なっていくme and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていることなどをみなさまと共有していくお便りです。

2025年3月22日に発行したvol.79では、過去ではなく未来のほうをみている祖母に会いに行った日、双眼鏡を手に入れ、鳥について考えた誕生日の一日を日記文通でお届け。「me and you’s eye」では、エリック・ホッファー『波止場日記 労働と思索』と『今村遼佑×光島貴之 感覚をめぐるリサーチ・プロジェクト〈感覚の点P〉展』を紹介しました。

💌日記文通 – diary and letter –

me and you のふたりの日記と、お互いの日記から考えたことや感じたことにお手紙をそっとそえた「日記文通」のこころみです。わかりやすい言葉を少し脇に置いておいて、誰に見せるでもない自分のためだけの言葉をまず書いてみること。その言葉を親密な場所ですこしだけオープンにすること。朧げな自分の思考の輪郭を朧げなまま認識し、それを共有することで、個人が個人のままでいながら誰かと生きる未知の豊かさに迷いながら辿り着けるのではないか? という実験の記録です🚶

📗2025.4.14- 野村由芽:いろんな記憶にアクセスする切符

過去ではなく、未来のほうをみている。けれどそれは、祖母がけっして過去をないがしろにしているわけではないということも、もうじゅうぶんわかっている。みる人にとってはボロ切れとも言われそうな、明治生まれの母から受け継いだ和服の羽織の裏地を「リ・メイク」(祖母が好んでつかう表記にならってみた)して、着つづける。生活クラブの広告をみて、子どもの頃に眺めていたキンダーブックが懐かしくて、武井武雄が特集された『太陽』を取り寄せている。祖母の定位置である、居間の机のうえには、訪問するたび、新しい本が置かれていて、それをみるのがいつも楽しみだよ。武井武雄の「刊行作品」というものをはじめてみた 本の宝石とも呼ばれているらしい、うつくしい装丁の凄まじい本たち。「美しいものがどこにあるか知っていれば、心のなかで会いに行くことができる」と常々話す祖母は、この家のなかから、いろんな記憶にアクセスする切符をもっている。だからこそ、未来のほうのことばかりみている祖母に、惚れ惚れする。

📕2025.4.5- 竹中万季:鳥から自由を学ぶ

鳥は越境する自由な存在である、という印象があったけれど、調べてみるとその自由さのなかにはケアの精神もあるように感じた。たとえばツバメのつがいは子育ての負担を分担し、一方がさぼると一方が気づいて、偏りがないようにえさやりの頻度を調整したりするらしい。お互いを「見ている」のだ。また、カラスも一方的に得をするということを避けているらしい。そもそも人間という生き物がつくってしまっている街という秩序のなかで、巣を作り、空を飛ぶ、というのはそれぞれが協力しあわないとできないことだろう。自由である、ということは好き勝手にやることではなく、関係性の中で成立するものだからこそ、お互いの自由を脅かさないためにさまざまな技術が必要なのだ、ということを鳥たちから学んでいるなと感じる。特別な場所に行かなくてもどこでも見ることができるのだから、もっと鳥たちのことを知っていてもいいはず。もっと鳥たちから学びたい。

🐬me and you’s eye

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「日記文通 – diary and letter – 」の感想や、「me and you の『アイスクリームが溶けても』」で取り上げたらおもしろいのでは?というトピック、そのほかme and youに伝えたいことなど、郵便箱にていつでも受け付けています。いただいたメッセージのなかからいくつかこちらのコーナーで返信をしていきますので、お気軽にお便りいただけたらうれしいです💐

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