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ジェーン・スーさん&堀井美香さんに聞く安心・安全な場。ここではわたしを貶める人はいない

Podcast『OVER THE SUN』。「あ、こういう50歳がいてもいいんだな」と慣れてもらうことをしてる

「ご自愛ください」「負けへんで」など番組内で登場したさまざまなフレーズが話題になり、リスナー同士の助け合う精神性が「互助会(リスナーの呼び方は“互助会員”)」と名付けられるなど、2020年10月の配信開始から熱量を生み出してきたPodcast番組『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』。作詞家・コラムニストのジェーン・スーさんと、フリーアナウンサー・ナレーターの堀井美香さんが「およそ30分」(実際は約1時間)互助会員のお便りを読みながら、「おばさん」として生きていくうえでの気づきや悩み、喜びや痛み、そして選択について笑ったり泣いたりしながらとりとめなくお喋りする姿には、きれいごとではまるめられない一人ひとりの人生がつまっています。

2024年1月にLINE CUBE SHIBUYA(旧:渋谷公会堂)で2DAYS公演『幸せの黄色い私たち』を開催し、東京・名古屋・大阪のパルコで展覧会『OVER THE SUN PARK』を巡回中の二人に、50代を過ぎた女性がまじめにはしゃぐ姿を見せることの意味、リスナーから授けられた安心と安全と受容のこと、他者の痛みにどう向き合うかなど、番組が生み出している場について聞きました。

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「『あ、こういう50歳がいてもいいんだな』というふうに、徐々にみんなに慣れてもらうことをしている感じ」(美香)

─さきほどのトークイベント(OVER THE SUN PARK~私たちの花が咲いたよ~ 名古屋会場)、面白かったです。お便りを読み上げた後に拍手が起こるイベントに参加したのは初めてでした。

美香:よかったです、ありがとうございます!

─『幸せの黄色い私たち』も拝見して、2回泣いてしまう場所があって。

ジェーン・スー(以下、スー):えー! どこで泣いたんですか?

ジェーン・スーさん&堀井美香さんに聞く安心・安全な場。ここではわたしを貶める人はいない

左からジェーン・スーさん、堀井美香さん

─1回目は、第一部のはじまりで、互助会員のみなさんが席を埋めている様子を見て。2回目は、第二部でお二人がドラムを披露したところです。『幸せの黄色い私たち』のテーマは、DAY-1が「はなす」で、DAY-2が「はしゃぐ」でしたよね。大人になるにつれ、「はしゃぐ」ことを躊躇ってしまっていたところが自分にもあったかもしれないなと思ったのですが、お二人ははしゃぐことをまじめにやっているように見えました。そこに思いがあればお聞きしたくて。

(じゃんけん中……)

(美香さんが負ける)

スー:じゃんけんは詭弁だからね。美香ちゃんが勝ったら、美香ちゃんから話してねって言える(笑)。

美香:(笑)。はしゃぐことについてですよね。そうですね、わたしたちの世代になると、ちょっとなにかやると「痛い」とかすぐに言われるので。

スー:そうね。

美香:「51歳ならではの生き方」みたいなものが、なんとなく想定されているんですよね。見ているみんながほっとする、安心するような生き方みたいなものがもう決まっていて、そこに自分も合わせるほうがたぶん楽だし、なにも言われなくて済むと思うんです。

でも、それを打ち破るわけじゃないけれど、はしゃいだり、適当なことをしたりすることで、「あ、こういう50歳がいてもいいんだな」というふうに、徐々にみんなに慣れてもらうことをしている感じですかね。はしゃぐ量を重ねていくことで、「ふざけたおばさんがいてもいいんじゃないか」って慣れてもらって、それにみんながだんだんびっくりしなくなるようになるといいなと。

スー:慣らし保育みたいな。

美香:そういうことです。

ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」2024年1月公演 『幸せの黄色い私たち』の様子。LINE CUBE SHIBUYA(旧:渋谷公会堂)にて、2DAYSで行われた

「ここではわたしのことを辱めたり、笑ったり、貶めたりする人はいないという、安心と安全と受容がある」(スー)

スー:わたしは『OVER THE SUN』の最初のほうのエピソードでは、「痛い」って言われるのが嫌だとか、大丈夫かどうか気になるっていう話をしているんですよ。そういう話を聴いてくださっている方から共感をいただいていたところもあったと思います。

けれど一方で、なぜ渋公(現・LINE CUBE SHIBUYA)でわたしと美香ちゃんがドラムやダンスやマジックを披露することができたのか、あるいはパルコさんから『OVER THE SUN PARK』という展示をやってみませんか? と提案いただいたときにふざけたアイデアを出せたのかというと……。本当にこれは変化と成長と言えると思うのですが、『OVER THE SUN』というのがセーフティープレイスであり、ここではわたしのことを辱めたり、笑ったり、貶めたりする人はいないという、安心と安全と受容があるからなんです。

ジェーン・スーさん&堀井美香さんに聞く安心・安全な場。ここではわたしを貶める人はいない

『OVER THE SUN PARK~私たちの花が咲いたよ~』名古屋会場の様子

ジェーン・スーさん&堀井美香さんに聞く安心・安全な場。ここではわたしを貶める人はいない

美香さんの夢だったという「喫茶ホリイ」。オリジナルメニューとして、秋田名物のきりたんぽをカレーにディップする「田沢湖カレー」も

スー:安心と安全と受容の3つがあるからこそ、別に「やりたい」「やりたくない」ということすら考えもしてこなかったようなことができた。そして、今まで「やらなかった理由」としては、やっぱり「みっともない」というような感情が妨げになっていたと思います。女がこれをすると嫌がられるし、「軽率」だと後ろ指をさされがちだから、無意識的に選択してこなかった。「みっともない」というのは、「恥ずかしい」ともまた違うんですよね。自分が恥ずかしいからやらないのではなく、周りから見て「悪目立ちする」するからやめておこうという感じ。

けれど、『OVER THE SUN』という場所であれば、そういうことはされないという確信が持てた。とにかくセーフティープレイスをみなさんに授けてもらえたのが大きくて、本当に副次的なものですね。

ドラムもダンスもマジックも、もしあれを互助会員の前ではなく、全然知らない人に見せるということになったら、練習の種類も、やる内容も全然違ってきます。でも、「なにやってんの?」「なに言ってんの?」と言われない服装や行動を最優先にして物事を決めることは、日々の生活や現実社会で、お腹いっぱいじゃないですか。だから『幸せの黄色い私たち』では、そうじゃないものが見せたかったんですよね。互助会員の人たちとの信頼関係ができたとわたしたちは思っているから、そこに甘えさせてもらいながら、真剣にふざけていくことの真剣さが増してきたという感じですかね。

「なにか大義名分があるわけではない。『わたしたちは、こうやっています』というだけ」(美香)

─その信頼関係は、配信を続けていくうちに見えてきたものということですね。

スー:やりながらだよねー。

美香:そうですねえ。

スー:もう180回近く続けていますから、その積み重ねですね。最初は、こんなふうに聴いてもらえるなんて全然想像もしてなかった。これ誰が聴くんだろう? って。

美香:ねー。

─番組を始めたときは、自分たちのために場をつくるというのが大きかったのでしょうか。

美香:なんか、誰のためでもなかったですね。

スー:うん、なかったね。

美香:ただ喋りたいから喋るというか。

スー:我々はここが似ているんですけど、世界をこうしたいとか、みんなにこうなってほしいとか……たとえば元気にしたいとか影響を与えたいとか、本当にないんですよ。あと自分がこうなりたいとかもないから、目標を立ててこれを目指してやっていくみたいなこともない。でもやると決めたことは、真剣にやるというだけ。

ただ、やっていくうちに、誰かのためになっているということも認識しています。そこで「よし! じゃあ、あなたのためにこれをやります!」とは絶対にならないけれど、誰かのためになっているかもしれないことを考えて、もう少し丁寧にやっていこうというときはあります。それぐらいだよね。

美香:番組をやっていくうえでの二人の間の標語のようなものとかなかったですよね。もちろん、お互いにいろいろと思うところがあってやっているのですが、なにか大義名分があるわけではない。「わたしたちは、こうやっています」というだけ。

スー:ただ、イベントに関してはせっかく時間とお金を使って来てくれるんだから、がっかりさせたくないっていうのはありますねえ。

美香:そうそうそうそう……!

スー:「こんなにがっかりするんだったら、来なきゃよかった……」っていう気持ちにさせてしまったら、申し訳ないと思う。

美香:だから、ちゃんとチケット代の分を真剣にやろうね。素人なんだからちゃんとやろうねっていう話をずっとしていました。それで自分たちが思うようにやった結果、メールとかで感想をいただけると嬉しいなと思います。

「『共感』と『互助』をセットにしちゃ絶対いけないんですよ。共感をベースにして互助を成立させようとすると、ジャッジが働いてしまう」(スー)

─その距離感がすごく絶妙だなと思います。「互助」のようなことって、「なにかをしてあげたい」という気持ちが強くなりすぎると、難しい場面もあるように感じていて。『OVER THE SUN』の「互助会」は、自分ができるときに、見返りを求めずに手を差し伸べるような軽やかさがある気がして、お二人が大事にする「距離感」のようなものをうかがいたいと思っていました。

スー:「共感」と「互助」をセットにしちゃ絶対いけないんですよ。共感をベースにして互助を成立させようとすると、ジャッジが働いてしまう。たとえば、「あなたのやり方はわたしに共感性を喚起しないから助けません」とか「あなたの言っていることに共感したので助けます」というふうになってしまうと、だめじゃないですか。困っている人が助けられる資格があるかどうかのジャッジをするみたいなのってすごく気持ち悪いと思うから、そういうふうにはなりたくないよね。

美香:本当に、Podcastでよかったなと思っています。好きな人だけ聴きに来てくれて、聴きたくなければ、聴かなくていい。聴いていたとしても、離脱も自由。わたしたちは自分たちのペースでふざけながらずっと同じことをしているから、5年離れていた人が、5年後にそろそろ聴いてみようかなと思ったときに、「まーた同じことやってるじゃん」みたいな。そういうのでいいんだよね。元気がなくて、聴きたくないときもあると思うし。そういうときは離れてって思う。

スー:本当にそう。

ジェーン・スーさん&堀井美香さんに聞く安心・安全な場。ここではわたしを貶める人はいない

『OVER THE SUN PARK~私たちの花が咲いたよ~』の会場には、番組に登場するフレーズも展示されている

美香:なんかさ、互助会員だから、ずっと聴かなきゃ遅れちゃう! とか思わなくて全然よくて。本当に同じ掛け合いを何回もやっているときとかあるので……。

スー:全然覚えてないから、周りの人に言われてゾッとするよね。

美香:うん。だから好きなときに入って、聴いてもらって。そういう距離感ですね。

スー:それが一番いいですよね。

「『この人がハッピーなときわたしが苦しくて、この人が苦しいときわたしはハッピーだった』ということをそれぞれ経験してきていると思う」(美香)

─『OVER THE SUN』が素敵だなと思うのは、はしゃぐときははしゃぎ、痛みを感じるときには痛みを想うところです。それはたとえば二人が涙を流すことで、聴いている人を簡単に共感のほうへ誘うということではなく、一人ひとりの人生には喜びも痛みも、その幅のようなものが確かにある、ということが番組を通して感じられます。

そのうえで、それぞれの人が抱えるさまざまな困難を踏まえると、たとえば誰かの痛みに対する言葉が出てこないことや、自分の暮らしを楽しめない/あるいは楽しんではいけないのではないかと思ってしまう人もいるのではないかと感じていて、お二人は、他者の痛みや傷に対してどう向き合っているのかお聞きしたいです。

スー:少し話が逸れてしまうかもしれないのですが、わたしが堀井美香さんを信用している一番の理由は、友達として気が合うということよりも、仕事としての信用なんですよ。そして仕事においてかなりの部分を信用できる人というのは、正直すごく少ないと思っています。だからすごく大切にしたいと思っている。

具体的にどんな信用かと言うと、『OVER THE SUN』やラジオなどで、ちゅるっといい言葉でまとめるということをしないんですよ。わかんないときはわかんないからオープンエンドにしておく。「お前もうちょっと締めろや!」って思うときもあるぐらいなのですが……(笑)。たとえばなんだろう……「いつか必ず太陽は昇るよ!」みたいな励ましを、簡単には言わない。

そういう言葉を使ったほうが、放送ってキュッと締まるんですよね。だけどそれだと、聴いているほうも「きれいに締まったけど……ん?」となるじゃないですか。いわゆる「締め」をしないということをラジオでやろうとすると少しテクニックが必要なのですが、Podcastはそれをそのまま出しても大丈夫なフォーマットなんです。

さっき言っていただいたように、真面目なときもふざけているときもあるのが人生じゃないですか。だから、『OVER THE SUN』では、それをそのまま垂れ流しているだけなんです。番組で聴いたことに共鳴して、お便りを書いてくれる人がいる。わたしたちはそれをちゃんと受け取るけれど、いわゆる「締まる」言葉や、「いい言葉」では返さない。耳障りのいい、なにも言っていないような言葉で締めないように気をつけています。わたしが生理的にそれをできないというのもあるのですが。

─美香さんはいかがですか?

美香:たぶん、まとめる力がないだけだと思うのですが……。でもやっぱり、アナウンサーとして、「きれいにまとめる」ということをわたし自身が多くやってきたということもあり、そこに対する自分への違和感がずっとあったんですよね。

痛みに関して言うと、『OVER THE SUN』は40代、50代、60代、それ以上の年代の方も多く聴いてくださっていて、タイミングがちょっと違うだけで、「この人がハッピーなときわたしが苦しくて、この人が苦しいときわたしはハッピーだった」ということをそれぞれ経験してきていると思います。

もうみーんな、痛みを抱えて生きてきているから、番組で話しているときも、メールを読んだときにも、お便りの内容は違えど、「みんなこれをそれぞれに経験してやってきているよね」というふうに思う。だからこそきれいな言葉を使わなくてもよくて。それは痛みに寄り添うということとも違う感覚なんですよね。

「『負けへんで』は、強さというよりはやっぱりレジリエンス」(スー)

─そのお話に続けて、番組で度々取り上げられる「負けへんで」という言葉についても少し詳しくうかがいたいです。この言葉に力をもらいながらも、今、弱さを抱えたままで生きていける社会構築の大事さに世の中が気づき始めたり、「強くなくてはならない」というあり方への見方も問い直されていたりするなかで、改めてお二人が「負けへんで」をどう捉えているかお聞きしたいと思っていました。

スー:その人それぞれの「負けへんで」があるということなんじゃないでしょうか。実際に明確な敵がいる人たちもいるだろうし、自分自身と戦っている人もいるし、社会や制度と戦っている人もいると思います。特にマイノリティの人たちはきっと、社会制度というものに日々困難を背負わされていると思う。それぞれが思い浮かべるものに対して「負けへんで」と戦えばいいんじゃないですかね。戦いたくない人は戦わなくていいと思います。

美香:「負けへんで」は、わたしも使えるときに使っています。

スー:「周りがなんと言おうとも、自分の気持ちを最優先にして、あなたが立ち上がりたいときに立ち上がればいいし、無理する必要はないし、それまであなたの横にいるから」というふうに声をかけるやり方もあると思います。一方で、その人の人生の責任を誰もとってくれないまま時間が過ぎていく事実もあるのではないかということに、ここ10年ぐらいでわたしも気づき始めたところがあるというか。「弱いままでいい」という言葉で救われる人もいると思うのですが、その言葉をかけた方がかけられた人の人生を背負ってくれるわけではないですし。

美香:「負けへんで」はすごいパワーワードなんですけど、実は少し力を持っていないと使えない言葉でもありますよね。

スー:ああ、それは本当にそうね。

美香:今本当に落ち込んでいる人に、「負けへんで」は言えない。「負けへんで」って、その一歩手前の、もう少しコンディションのいいときに使える言葉じゃないですか。もっとやりたいことをやろうとか、もう1回ここをちゃんとやってみようとか。

スー:まあでも、ギリギリ踏ん張っている人にも使えるんじゃない? この言葉を言われてピンとくる人だけ使えばいいと思いますね。それは排他的ということではなくて、「負けへんで」と相手に言ったとしても、もちろんそれを強制はできないので。だから、「負けへんで」は強さというよりはやっぱり、レジリエンスということなのかなと思います。

「自分の生き方や考え方、価値観とかを全部とっぱらって、わたしたちの番組が接着剤のように機能しているなら、それはちょっと面白いなって」(美香)

─最後に『OVER THE SUN』の生み出す場を見ていると、番組を通して新しい出会いやきっかけの種のようなものがたくさん生まれているし、たとえば世代や考えが違っていても、本当はなにか話せることがあるのだろうなということを感じます。

『OVER THE SUN』は、お二人が「おばさん」や「女性」として生きるうえでの経験がトークの中心かもしれませんが、たとえば今日のトークイベントも親子でいらっしゃっている方がいましたし、普段から女性に限らず、さまざまなジェンダーの方々がお便りを寄せられています。お二人が自分自身の話をしながらも「属性」を問わず、さまざまな人たちに番組が広がっていっている状況をどのように捉えていますか。

スー:わたしたちは中年の女だから、この番組では、中年の女がわかる話をしてきましたし、これからもそうしていきます。ただ、中年の女性が楽しそうにしている様子を、若い人が楽しそうに聞いてくれることもあるし、中年の男性が聞いてくれることもあって、嬉しいです。

「女ってこうだよね」と言っていることも、本当は、性別はあまり関係ないこともあると思うんです。そのうえで、「女ってこうだよね」という現象がまだ目につく世の中であるというところを、どうやって丁寧に話せるか? ということかなと思っています。そういうことは考えているのですが、とはいえすべての人に聴いてもらえるようにつくっている番組というわけではないんですよね。

美香:親子ぐらいの歳の差のある「互助会」の人たちが、初対面でご飯に行くようなことがあるんですよね。そのときはきっと、わたしたちの話をネタにおしゃべりしたりすると思うんです。生き方が違うおばさん同士や、『OVER THE SUN』を介してたまたま空間に居合わせた二人が、わたしたちの番組をきっかけにつながっていくのは現象としてすごく面白いなと思っています。さっきのトークイベントでも話しましたけど、スーちゃんとわたしと待っていてくれたはずのリスナーと、別のリスナーさんたちが話し込んでいて、わたしたちが通りかかっても話のほうに夢中になっていて。(笑)。

スー:最高だよね!

美香:服装も雰囲気も異なる人たちが出会っているんですよね。自分の生き方や考え方、価値観とかを全部とっぱらって、わたしたちの番組が接着剤のように機能しているなら、それはちょっと面白いなって。

スー:番組は関与していないのですが、『OVER THE SUN』のLINEのオープンチャットみたいなものがあるらしくて。そこでオフ会したり、たぶんわたしや美香ちゃんのイベントが、その人たちの飲み会の理由になったりしているんですよ(笑)。

美香:いい……。現象としても面白いし、きっと自分たちの世代からの発信として、今までそういう場ってあまりなかったんじゃないかと思います。

スー:いろんな行動やきっかけのひとつの要素になっているんだとしたら、こんなにありがたい人生はないよね。

ジェーン・スー
1973年東京生まれ東京育ち。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。TBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』、Podcast番組『ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN』『となりの雑談』などのパーソナリティとして活躍中。著書多数。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)は第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『闘いの庭咲く女彼女がそこにいる理由』(文藝春秋)がある。

堀井美香
1972年秋田生まれ。フリーアナウンサー。1995年より27年間、TBSアナウンサーとして活躍する。2022年に独立し、ナレーションや司会業のほか、自身による朗読会や読み聞かせ活動「YOMIBASHOPROJECT」を開催するなど、幅広く活躍中。著書に『音読教室 現役アナウンサーが教える教科書を読んで言葉を楽しむテクニック』(カンゼン)、『一旦、退社。50歳からの独立日記』(大和書房)がある。

TBS Podcast『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』
ジェーン・スーと堀井美香による、Podcast番組。リスナーのみなさんともに語らいながら、“太陽の向こう側”を目指していきます。

『OVER THE SUN』│TBSラジオ

『OVER THE SUN PARK~私たちの花が咲いたよ~』
『OVER THE SUN』初となる展覧会。番組の人気コーナーや、番組から生まれた様々な小ネタを空間に落とし込み、番組の世界観を、リアルな場で体験することができる内容となっています。
東京、名古屋に続き、大阪に巡回。

会期:2024年3月30日(土)〜4月14日(月)
場所:心斎橋PARCO
営業時間:10:00〜20:00 ※入場は閉場の30分前まで、最終日18:00閉場
入場料:800円  ※入場特典として”OVER THE SUNみくじ”付、未就学児無料、JFR株主優待を含む各種割引・優待対象外

OVER THE SUN PARK~私たちの花が咲いたよ~ 心斎橋会場

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