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連載

#01 Purr | To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること

連載:OTHER WATER/Ayu Megumi

翻訳をすること、文章を書くこと、歌うこと。BROTHER SUN SISTER MOONのベース・ボーカルとして活動しながら、翻訳や執筆、Podcast「Call If You Need Me」などさまざまな形で表現に関わっている惠愛由さん。「いつも水の中に浮かんでいるような気がする」と話す愛由さんは、それぞれの時間に「べつの水」を感じているそう。

同じ時代を生きるアーティストたちは、今をどんなふうに感じて、人生において何を大切に思って、どんな思いで創作をしているだろう? おしゃべりを通じて、べつの場所にあるかもしれない「水」= OTHER WATER に触れに行きます。

* English follows Japanese

自分の中に「べつの水」という概念があることに気づいたのはいつ頃だっただろう。翻訳をするとき、文章を書くとき、歌うとき。わたしはいつも自分自身を水に浮かんでいるようだと思いながら、ときどきべつの水のあるところへ行って泳いだり、べつの海に身を浸したり、懐かしい水の中にいる、と思ったりしてきた。自分の水辺を離れて、誰かの水の中へ。行っては戻り、戻っては行き、いつだってこの身体は水の中にあった。

翻訳のよろこびは何か、と聞かれたとき、わたしはできないのにやること、と答えた。完璧な翻訳なんてありえず、そうでなくても言葉は嘘をつく。とてもへんてこな営みだから面白いのだと。だけどその下でほんとうに興味があるのは、わからないものにそれでも触れてみること、わからないと知っていて、それでも試みることだった。そのあいだだけ、わたしはべつの海に身を浸す。(映画『Before Sunrise』でセリーヌが言う──「もし神が存在するのなら、人の心の中じゃない。人と人の間のわずかな空間にいる。この世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと。たとえ理解できなくても、構わないの」。わたしの海、あなたの海。その水を少しずつ混ぜ合うとき、そこには光る神さまの手みたいなものがない?)

このインタビュー連載は、わたしが同じ時代を生きる好きなアーティストとただ話す、ただ聞く。それはつかのま、べつの水のあるところへ行き、足を浸してみるようなことだと思う。かれらの水辺につかのま寄せてもらい、一緒に遊んでみたい。遊んでいるうち、またべつの水辺に辿り着くような気がするから──そこで、わたしは何を見る? わたしたちは、何を話す?

第一回は、2023年にわたしが一番聞いていたアーティスト、Purrのふたりと。2023年6月にリリースされた最新アルバム『Who Is Afraid Of Blue?』のこと、存在を「目撃」する/されること、音楽は共有されるもの? どんなことを話してもいいって思える、星がびゅんびゅん飛ぶような不思議な時間!──これはきっとまだ知らない水、でもずっと懐かしかった。

Purr

ニューヨークを拠点に活動している、イライザ・バリー・キャラハンとジャック・スタッフェンのプロジェクト。大学時代に「Jack and Eliza」として活動をはじめる。その後 Weyes Blood や Maggie Rogers のサポートアクトを務め、2020年、ジョナサン・ラドのプロデュースにより1stアルバム『Like New』をリリース。アルバムのリリースとパンデミックが起きた頃、イライザは突然の聴覚障害を経験。寛解を経たのち再び音楽をつくりはじめ、2023年、再びジョナサン・ラドと共に2枚目のアルバム『Who Is Afraid Of Blue?』をリリースした。

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The Idea of Blue──「青」の概念

愛由:今日はこんな機会をありがとう。新しいアルバム『Who Is Afraid Of Blue?』の話ももちろん聞きたいんだけど、この対話は音楽の話だけにとどまらなくていいと思っていて。ふたりが最近感じていることや、人生において大切に思ってること、そういう話も聞けたらいいなと思ってます。じゃあ、始めてみようかな?

イライザ:うん、うん。アルバムの曲を書いたのは……いつ頃だったっけ?

ジャック:たしか2020年の終わりくらいから書き始めて……。

イライザ:そうだ、曲はその頃に書いたんだけど、わたしに健康上の問題が起こって。耳が聞こえなくなっていったんだよね。

愛由:うん。それについて書いていたこと、読んだよ。

イライザ:演奏ができなくなってしまって。ちょうどパンデミックが起こって、みんなに衝撃が走っていたころだった。ふたりとも、8か月くらい音楽から離れてたかな。わたしはこのまま耳が完全に聞こえなくなるんだと思ってた。もう音楽はできないんだ、みたいな。

ジャック:うん、僕たちはふたりとも、自分と音楽との関係について考え直そうとしてた。イライザはそうせざるを得なかったよね、聴覚に問題を抱えて。音楽をやるなら、聴覚は否応なく必要になるものだから。

愛由:うん、そうだね。

ジャック:僕も彼女と同じように──っていうのは音楽的パートナーだから──音楽にどう向き合うか、迷子のような気持ちになって。

イライザ:パンデミックのその時期にわたしたちはふたりとも音楽から遠のいて、そうすると現実みたいなものがすべりこんできて。たとえば「どうやって生活してけばいいんだろう?」「何でお金を稼ぐ?」「これから何をやって生きていく?」とかそういうこと。わたしはその頃、クリエイティブ・ライティングの修士課程にいたんだけど。

愛由:うんうん。

イライザ:そのあいだに本の執筆(小説『The Hearing Test』。2024年3月刊行予定)のプロジェクトを始めて。ジャックはその頃、デジタルアートやコーディングを学び始めて。わたしたちふたりとも、それまでと全然違うことをやり始めたタイミングだった。

愛由:ほんとうに、たくさんの変化があったね。

ジャック:うん、あった。

イライザ:なんかすごく奇妙な感覚だった。パラレルな人生を生きているみたいで。

愛由/ジャック:うん、うん。

ジャック:今でも不思議な感じだよ。新しいことを始めたのも、音楽を作ったのも。でも同時にすごくよかったのは、僕たちはふたりともほかのこともやっているから、音楽をやるときはすごく特別な時間に感じるんだ。なんていうか……。

イライザ:うん。仕事の要素みたいなものが飛んでいって、ただただ喜びがあるっていうか。

愛由:うん。

イライザ:うん……そう、で、音楽からは遠のいて。わたしはそうするしかなかったけど、ジャックにとってもトラウマ的な経験だったんじゃないかなと思う。

ジャック:コロナ禍が生活を直撃した頃、だからまあ2020年かな。みんなもそうだったかはわからないけど、僕はどうしてか、小さい頃に聞いてた音楽をあらためて聞き始めて。

愛由:ああうん、わかる気がするよ。

ジャック:うん。なんかたぶん、人生のその時期にそれが必要だった、みたいなことで。親が90年代のオルタナが好きな家で育ったから、そういうのを聞いてた。レディオヘッドの『The Bends』とか。

愛由:うん、うん。

ジャック:聞いたことあるかわからないけど、エイミー・マンとか。

愛由:うん、知ってるよ。

ジャック:なんていうか、そういうのを今聞くってこと──かつてより成熟した人間として。ふふ。昔より少しは音楽を理解してる自分として。それってめちゃくちゃインスピレーションをくれて。たしか、イライザも昔好きだった曲を聞いてたんじゃないかな。

イライザ:そうだね。もうすぐ聴力を失うんだと思ってたから、何を聞くかはすごく慎重に選んでた。そんなふうに曲を聞くこと自体、もうできなくなるんだって思ってたから。かなり偏ったというか、特定の曲ばかり聞いてたかな。聞けば聞くほど、その曲のことは覚えていられる、思い出せるんじゃないかと思って。「よし、もうこの曲たちだけを聞こう、ほんとに好きなやつだけ。ほかのものは耳に入れてやらないぞ」みたいな。

愛由:ああ……うん、うん。

イライザ:でもその後、症状が寛解していって。聴力を回復させるために臨床試験みたいなことを始めたりして。

愛由:うん。

イライザ:それが、聴力を失うんだって思った1年後くらいのできごとかな。寛解期に入ってすぐジャックと曲を書いたんだよね。たぶん4か月とかで。

ジャック:うん、すごくはやかったよね。っていうのはまあ……。

イライザ:いつまで聴力がもつかわからなかったから、はやく作らなきゃって思った。

ジャック:うん。僕たちは次に出すアルバムの全体像を示すような何かを見つけようとしてた。あるひとつの曲が、残りすべての曲のビジョンへと自分たちを開いてくれるようなこと。たしかその最初の曲が “Honey” だった。アルバム『Who Is Afraid Of Blue?』の一曲目にもなってるんだけど。

愛由:うん、わかる。

ジャック:なんていうか無意識的な何かじゃないけどさ、初めに出てくるコーラスの歌詞が〈before you know, it’s all disappeared(気づいたらみんな消えてるんだ)〉で。「この歌詞は残そう」ってふたりとも思ってた。僕たちは「失うかもしれない」恐怖、喪失というものが迫り来るような感覚を共有してたから、しっくりきて。なんかこれって悲しく聞こえるかもしれないけど、最終的には幸福なことで。だってレコードを出せたからね!(笑)

イライザ:うん。考えてたのは……「青」の概念について。これを話したら次の質問に行くね、わたしたち話しすぎてる。ふふ。「青」から思い浮かべるのは、開かれた場所のようなもので。

愛由:うん……。

イライザ:その空間は恐ろしいものに思えるかもしれない、あるいは、すべての可能性がある場所とも取れるかもしれない。それは、恐怖と何かとてもうつくしいもの、そして可能性に満ちた──その全部がある場所なの。

愛由:ああ……。うん。あらゆる変化の波に揉まれて、でもその経験こそがあなたたちふたりに別の扉を開いたんだね。

ジャック/イライザ:うん、まさにそういうこと。

イライザ:その中を潜り抜けているあいだって、わたしの人生でも最悪の時期だったと思う。でも今は、それだけ深い感情の旅があったこと、ものすごい深度の恐怖を経験したことに心から感謝してて。一度その扉が開いたら、もう閉じることはないから。それ以降はずっと、「生」を実感すること、その感覚の拡がりを体験していくだけ。

愛由:うん、うん。

イライザ:思うに……このアルバムは、その経験と時間の記録なの。

ジャック:うん、そうだね。

A Holy Place in Your Heart──わたしの中にある聖なる場所

愛由:『Who Is Afraid Of Blue?』にはさわやかな親密さと、ある種の解放のようなものを感じたよ。1stアルバム『Like New』とくらべても。

イライザ:うん、1stはすごくナイーヴだった。はは。

愛由:うん、でも1stも大好きなの。そのナイーヴさがいいんだよ。

イライザ:もうあの頃には戻れないよね。それも残しておけてよかった。

愛由:うん。2ndアルバムの歌詞はすごくヘビーな印象もあって。でもそこには解放や自由の感覚がある。さっき話してくれたことからそのあたりが腑に落ちたよ。「青」が持つ可能性のイメージもすとんと来た。アルバムの曲は通しで聞いてもどれもすごくいいんだけど、お気に入りを挙げるなら “The Natural” 、 “Guessing” 、 “Hesper” が特に好き。

イライザ:それ、わたしたちが好きな曲でもある。

💙 M7 “The Natural” のこと

愛由:わ、ほんと? そうだよね。ふふ。大好きな曲たち。 “The Natural” はシングルとしてリリースされたときからものすごいお気に入りで、ずっとずっとリピートして聞いてた。1stでは “Giant Night” が一番好きなんだけど、そこから地続きになっている何かも感じてて。

イライザ:うん、たしかに。ちょっとカントリーの要素があったりね。

愛由:うん。あとやっぱり、ナイーヴさなのかもしれない。

イライザ:ほんとにそうだね。うん、 “The Natural” はすぐに書けた曲で。世界の進むスピードに対して自分はまだ準備ができていないような、対等に存在できていないような、そういう感覚についての歌なの。

愛由:うん、うん、うん。

イライザ:産みの苦しみや成長痛みたいなもの。誰が言ってたのか忘れちゃったんだけど、たぶんジョン・レノンかな──「すべての曲はラブソングだ」って。 “The Natural” は、自分自身との関係についてのラブソングなんだと思う。

愛由:うん。

イライザ: “Guessing” はもっとがっつりラブソングだけどね。

愛由:ああ、うんうん。そうだね、 “The Natural” は歌う人の存在をとても近くに感じる曲だと思ってた。歌詞もすごく耳に残るの。なんていうか、わたしのこと? みたいな。わはは。

イライザ:うん。

ジャック: “Giant Night” と “The Natural” の相似性でいうと、どちらもすごく個人的な曲なんだと思う。あと似たようなインスピレーションから生まれてるのかな。

イライザ:物語を直接的に語ってるよね。抽象性が低い。

💙 M5 “Guessing” のこと

愛由:うん、うん、たしかに。 “Guessing” は5月頃、とても気持ちのいい朝に部屋で流していて、ジャックが〈I feel so safe right here〉と歌ったとき、その歌詞がすっと耳に飛び込んできてハッとしたんだよね。すごく個人的な話だけど、去年(2022年)、心がぐらりと揺れるような変化が多くて……バンドがレーベルを離れたり、猫が天国に行ったり。東京に越してきたばかりで、ちゃんと気に入ったアパートを見つけたのにまた引っ越しをしなきゃいけなくなったり。いろいろあって。

イライザ:ああ、変化のときだったんだね……。

愛由:うん、そう。でもジャックがその詞を歌ったときに、今、わたしはそれを潜り抜けてとても安心な気持ちでここにいるんだ、このわたしの小さな部屋でいるんだ、ということがわかったの。それがとても嬉しかったし、どこかから帰ってきたような、自分自身に戻っていくような感覚があった。

イライザ:ジャックがあの部分であの詞を口にしたときのこと、覚えてる。わたしも同じような反応だった──「うわあすごく胸に響くな」って。自分に語りかけられたみたいだった。いつもは互いにアイデアを持ち寄って曲を書くことが多いけど、 “The Natural” はわたしがほとんど書いて、 “Guessing” はジャックがほとんど書いたの。この2曲は別々に書いた曲たちで──面白いのは、それがアルバムの中でわたしの一番のお気に入りの曲たちだってこと。たぶんその理由も同じで、この2曲には「率直さ」があるんだよね。

ジャック:そうだね。

イライザ:……歌詞に関して言うと、〈I feel so safe right here〉の一節にはそういう即時性があるのがいいよね。曲の中で「right here」と歌うのって、聞いている人を「今この瞬間」に引き戻す力があると思う。その曲を聞けばいつでも、「今ここ」になる。「ここにいる」って感覚をいつだって新鮮に感じられるというか。ジャックがこの詞を書いてくれて嬉しかった。

愛由:うん。

イライザ:うん。それから、 “Guessing” はまさにさっきあなたが言ったみたいな変化の連続──でもその中にも何か不思議な安堵の感覚や心地よさ、慰めを見出すこと、変化が生み出すエネルギーを感じたりすること──について語っているんだよね。

愛由:うん、うん。ほんとにハッとした。

イライザ:そのことをわかちあえて嬉しいよ。

💙 映画『WANDA』とバーバラ・ローデン

愛由:うん、ありがとう。嬉しいな。Instagramのキャプションを読んだんだけど、『WANDA』はふたりにとって大切な映画なんだよね?

イライザ:そう。今大学で文学を教えてるんだけど、ちょうど先週授業で『WANDA』を流したよ。

愛由:ええほんと!

イライザ:すごくいい本があって──日本語訳が出てるかわからないんだけど──ナタリー・レジェの『Suite for Barbara Loden』。彼女はフランスの作家で原文はフランス語なんだけど、バーバラ・ローデンと『WANDA』についてのすばらしい本だよ。映画が好きだったなら、おすすめ。

#01 Purr | To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること

『Suite for Barbara Loden』(著:Nathalie Léger、訳:Natasha Lehrer、Cécile Menon、発行:Dorothy, a publishing project)

愛由:絶対に読むね。

イライザ:あの曲( “Guessing” )はこの映画ととても近しく感じられた。自分が置かれている状況の外に何かを求めている人を、直接的かつ個人的に(映画でカメラがワンダを追うように)追いかけているような曲だから。

プロデューサーのジョナサン・ラドとレコーディングをするときは、いつもいろんな映画をかけていて。

愛由:うんうん。

イライザ: “Guessing” のときは『WANDA』だったんだよね。

ジャック:うん。

イライザ:冒頭ではないんだけど、映画が始まってすぐくらいに、炭鉱の寒々とした風景の中をワンダが一人で歩いていくシーンがあって。ペンシルバニアの北のあたりって感じで。広大な景色の中に、ブロンドの小さな身体がぽつんと立っているの。その寂しげな画に、なぜかすごく強さも感じられて。何かを探し求めている彼女の状況を差し置いても。まるで英雄物語の始まりみたいな。

1971年に公開されたバーバラ・ローデン監督・脚本・主演のデビュー作にして遺作『WANDA/ワンダ』。
日本ではcrépuscule filmsより2022年に上映

ジャック:レコーディングで面白いことのひとつは……ごめん、話題をまた変えちゃってるかもしれないけど。今回、レコーディング期間に入った時点では作りたての新曲がたくさんあったわけじゃなくて。スタジオに入ったときは、まだ曲がどんなサウンドになるのかわからなかった。それで、録音しながら観ていたいろんな映画が、曲が最終的にどんな音になるのかを教えてくれたような感じがあったんだよ。

愛由:わあ、スタジオの中でね?

ジャック:うん、スタジオの中で。 “Guessing” をレコーディングしてたときは『Magnolia』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)も繰り返し観てた。

愛由:うわ、それも大好きな映画だよ!

ジャック:うん、最高だよね。たぶん『Magnolia』が何かくれたんだと思う、あのときあの部屋の中で。 “Receiver” って曲があるんだけど、アルバムの中ではちょっとハードロック寄りな存在で、面白い余白がたくさんあって。その録音のときはマーベルの映画を観てたのを覚えてる。

イライザ:うん、とにかくいろんなタイプの映画を観続けて、曲を制作している場にどんな影響を与えるか実験してたみたいな感じかな。というか『Magnolia』で言うと、実はわたしたちがレコーディングしていたスタジオは「マグノリア通り」にあって、それはあの映画が撮られた場所でもあるの。だからほんとに映画の世界を近くに感じてたっていうか。あと、わたしたちが大好きなエイミー・マンっていうソングライターが映画の曲を書いてて。彼女の音楽のことも考えてたね。

ジャック:うん、まさにだね。

愛由:わあ。うん、そういうことってときどき起こるよね。

ジャック:うん、偶然の連なり。

愛由:うん、ある。あと『WANDA』のポスターは部屋の壁にも飾ってるよ。

イライザ:え、ほんと? うわあ、この本(『Suite for Barbara Loden』)読んでね。

愛由:うん、かならず。『WANDA』を最初に観たとき、他者を求めることの必死で切実な感覚と、その奇妙さを思った。生きているといつもコントロール不能のことがあって、それって激しくてきつい。でも同時に、自分自身の中にいつも安全な場所が──聖なる場所のようなものがあって。 “Guessing” を聞いてるときに感じたのはそういう感覚だった。『WANDA』を観たときと同じ。

ジャック:うん。

イライザ:そう感じてくれて嬉しいな。

What Anchors Us, What Opens Us──わたしをつなぎとめるもの、開いてくれるもの

愛由:曲を作るとき、どこからインスピレーションを得る? たとえば、ときには映画だったりするのかな?

ジャック:そうだね。

イライザ:うん。でも、ジャックは音楽そのものから直接って感じだよね。ジャックはほんとに……。

ジャック:僕はめちゃくちゃ音楽を聞くからね。あと最近気づいたけど、散歩しながら曲を書くことが多い。

愛由:ああ。

ジャック:そのへんの道でね。ボイスメモと仲良しだよ。

愛由:わたしの兄もそんな感じだよ。歩きながら曲を書く。

ジャック:うん、歩きながらハミングしてる。でもそうだね、まずはいろんな音楽をたくさん聞くフェーズがあって、次に曲を書くフェーズに移っていくかな。イライザはまた違うよね。

イライザ:うん、ジャックはたとえば6か月とか沈黙してる(インプットするフェーズを過ごす)と思うと、急に山ほど曲を書き始める。わたしは時間をかけてゆっくり集めていく感じかな。

いまPurrの次の作品を作っているところで、同時にそれぞれソロの作品も進めてて。お互いのソロがどれだけ違うものになるのかを知るのが楽しみなの。というのはPurrの音楽はわたしたちふたりの真ん中だから。ソロはわたしたちがどれだけ分岐していけるのか、あるいは一緒に作る作品とは異なる親密さが宿るのかを見ることができると思う。

あとわたしは、物語を書くのにかなり視覚的なリファレンスがあるタイプかな。音楽と別のことでいうと、今すごく映画を撮りたくて。でもその前にもっと曲を録らないとだね。

ジャック:そうだね。

#01 Purr | To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること

お気に入りの本をたくさん教えてくれたイライザ。多和田葉子や津島佑子、ほかにもクラリッセ・リスペクトールの『The Apple in the Dark』などたくさんの本を教えてくれた

愛由:ふたりともいろんな才能があるよね。

イライザ:どうなんだろう、わからない。ただやり続けてるっていうのと、生きてるって感じるのが作ってるときなんだよね。何か作ってないと、生きてる心地がしなくなる。

愛由:うん、うん。

イライザ:取り組んでるプロジェクトとか、向かっていくべき大きな何かがないと、うずうずぞわぞわしてくるの。どうすればいいのかわからなくなる。たぶんジャックも同じだと思う、こうやってずっとアートを築き上げてきて、エンジニアやコーディングの仕事もして。わたしは大学で教えたりして。そういう(音楽とは)別の何かがあるのってすごくいいんだと思う、それにわたしたちはつなぎとめられる、錨を下ろせる。でもわたしたちを開いてくれるのは、あるいは未来へと向かわせてくれるのは、わたしたちのアートであり、いろんなプロジェクトなんだと思う。

愛由:わああ……ほんとうにそうだよね。

イライザ:こうやってふたりとも別の仕事をしてるから、今回のアルバムでツアーをやりたいようにやれなかったことは悲しかったかな。わたしは授業を持ってたし、ジャックは別のプロジェクトがあって、ツアーをキャンセルしないといけなくなって。

でも、やりたいことをぜんぶ並べて考えて、バランスを見つけるしかないんだよね。ツアーをしてたら、ほかのことは何もできないし……。

ジャック/イライザ:でもライブするのは大好き。ほんとに。

Working with Jonathan Rado──ジョナサン・ラドとの制作

愛由:うん、日本にもほんとに来てほしいよ。

ジャック:日本に行くのはちょっとした夢だよ。

イライザ:アルバムをプロデュースしてくれたジョナサン・ラドと一緒に行きたいな。彼はFoxygenのひとりで、Weyes Bloodのアルバムもプロデュースしてる。

愛由:うん、うん。

イライザ:Foxygenとして日本へ行ったことがあるみたいなんだけど、ほんとにまた行きたいって。だからみんなで行くしかないね。

ジャック:だね。

イライザ:そんな遠くないんだよ……先週サンタフェの近く、ニューメキシコに行ったんだけど10時間くらいかかって。あと4時間で東京に行けるじゃん? と思って。

愛由:ほんとだね。ていうかそう、ジョナサン・ラドと協働しているよね。どういう流れでそうなったの?

ジャック:まず、Purrの最初のライブがFoxygenの前座だったんだ。

愛由:ああ、そうだったんだ。最初のライブが! すごいね。

ジャック:うん、結構やばいよね。イライザと僕は前に別のプロジェクトも一緒にやってて。ただ僕らの名前を並べただけなんだけど。

愛由:うん、Jack and Elizaだよね。もちろん知ってるよ。

ジャック:それでマネージャーに──当時はマネージャーがいたんだけど──ジョナサン・ラドとアルバムを作りたいって伝えたの。自分たちの望む形でアルバムを録音したくて、そのとき彼が関わっていた作品が大好きだったから。

で、なんというかその通りにできちゃったんだよね。彼と共演する機会を得て、実際に会って、アルバムを一緒にレコーディングしたいってただ伝えて。そしたら、「いいよ」みたいな感じで。

愛由:最高の話だね。

ジャック:うん。今ではラドと彼の妻、ジャッキーはほんとに家族みたいな存在。今回のアルバムはラドとの2作目で、『Like New』もラドと作ったんだ。

愛由:うんうん。

イライザ:ほんとに素敵な人なんだよね。すごく親しく感じる。

ジャック:天才だね。

愛由:そうだね。

イライザ:天才。ものの考え方が違うんだよね。わたしはなんだか兄弟みたいに感じるときがあって。どっちも一人っ子で兄弟がいなくて、細かいところが似ていて。でもわたしは彼みたいに天才じゃないな。

愛由:あなたも天才だと思うよ。

イライザ:そう言ってくれるのは嬉しいな。ラドとは人生に対する考え方が似てる。それからわたしたち全員日本のご飯が大好き。そう! 全員日本食好きなんだった。アルバムを録っているあいだじゅう、出前を取ってたんだけど。

ジャック:そう! 全員日本食大好き。

イライザ:ほんとに寿司ばっか頼んでた。

ジャック:彼と出前取ると常に金欠で。頼みすぎるから。

イライザ:ね。ははは!

To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること、目撃されること

愛由:これはかなり本質的な質問かもしれないんだけど。音楽を作って、それを共有することの喜びはどこにある? なんで曲を書くのか、あるいは言葉を記すのか──なんで歌うのかということともつながってくるかもね。むずかしいかな。

イライザ:ジャック、先にどうぞ。

ジャック:オッケー。そうだね、僕が曲を書く理由はさっき話してたことともつながるんだけど──イライザもたぶん同じようなことを思ってると思う──僕たちは何かを作っていないとどこか満たされないんだ。僕にとっては作曲がクリエイティビティの捌け口で。しばらくやらないでいると……たとえば2、3週間とか……だんだん調子が狂ってくるんだよね。まるで脳のその部分を働かせることが僕には必要だっていうみたいに。

愛由:うんうん。

ジャック:感情やエネルギーを手放したり、放出する手段でもある。そうやって動き続ける、進み続けるんだ。僕にとっては動き続けるってことが大事で。自分が抱えている問題や感じているストレスのこと、特に考えていないようなときでも、音楽はいつもそういうものたちと向き合う場所になってくれるし、逆にそれらから離れて逃げ込む避難場所にもなる。そうこうしてるうちに、心を占めていた問題もストレスも、なんだかばかばかしく思えてくる。そういうものだよね。

作った音楽を人に共有する喜びは……んー、そもそも、自分がそれを好きなのかわからないんだけど……説明するのがむずかしいな。ライブで演奏するのは大好きなんだけど……うーん、わからない。なんで曲をリリースするんだろう。はは!

イライザ:自分たちの手を離れた瞬間、すごく個人的なものとしてあった何かが、突如としてほかの誰かのものになるプロセスが好きなんだと思う、わたしは。もう自分のものじゃなくなるの。

愛由:うん、うん。すごくよくわかるよ。

イライザ:手放したら、スペースが空く。それでまた新しいものが作れる。逆に手放さなければ、スペースは埋まったまま。脳みその中の部屋が足りなくなる感じ。

でもそうだね、共有することを欲するのは……なんだろう、これまでもたくさんのすばらしいアーティストたちが、その作品を世界に知られることなく亡くなってきたと思うんだけど。かれらは、そうした外部からの反応を必要としていなかったかもしれない。ただ、作っていたというか。わたしはそういう在り方を心から尊敬してる。

アートって、共有されることに価値が置かれなくてもいいんだと思う。でも音楽は、共有されることにものすごく意味があって。共有されなければならないんだと思う。音楽はコラボレーションを必要とするもので……。

ジャック:うん。

イライザ:聞かれることで育つんだと思う。たとえばあなたが自分の部屋で “Guessing” を聞いたとき、いろんなことを経験してきた当時のあなたと曲が共鳴したこともそう。それって感動的だよ。そうやって頭の中で一緒に歌ったり、あるいは声を出して大声で歌ったりして、曲はどんどん広がっていく、何か重要なものになっていく。そこにこそ、生きて、他者とつながりあうことの美しさがあると思う。

ジャック:そうだね。その通りかもしれない。音楽って、なんか……これはちょっとくさく聞こえるかもしれないけど。音楽って、共通言語みたいなものだよね? みんな音楽から何かを受け取る、すごく抽象的なものだからこそ。それが面白くて。その曲が何を語っているのかよく知らなくても、受け取り手は同じような感覚を得ていたりする。

愛由:ああ、そうだよね。

イライザ:うん。思うのが、文章を書いてると人から「小説とか書いてるの?」「自分のために書くの? それとも誰かに読まれるために?」とか聞かれることってあるけど、正直よくわからない。わたしは自分の本に関しては、大部分は自分のために書いたのだと思ってて。でも音楽は? やっぱり、何か共有されるべきものなんだよね。

ジャック:食べ物みたいにね。

愛由:食べ物みたいに……面白いね。

ジャック:ライブで演奏することもすごく特別な営みだな。別バージョンの自分になれる瞬間がある……それってめちゃくちゃ解放感があって。ステージの上にいる自分は、友だちと会って話してるときの自分とは全然別の人間で。パフォーマティヴなんだよね。元来の自分みたいなものが出てくるっていうか。実際の自分ではないかもしれないんだけど、ある意味で演じることはすごく……。

愛由:解放的。

ジャック:解放的かつ示唆的。自分自身について知るんだ。

愛由:うん。

ジャック: ステージの上で演奏しているときは、自然と無防備でいられる気がしてて。

愛由:うん、うん。

ジャック:友だちとご飯を食べながら、あれが悲しかったこれが辛いんだってかならずしも言う必要はなくて。でもステージに立つと、それがすごく簡単にできる。

愛由:うん。ステージに立って演奏するって、あらゆるものになれる可能性を秘めていると思う。わたしにとっては、ライブをしたり曲を作るという営みの中につながりを希求する気持ちがやっぱりある気がしてて。他者の存在を感じたいっていう欲求が。あるいは、自分の存在を。

イライザ:うん。それって、自分が「ここにいる」と知られたいって願いじゃないかな。ただ知られるだけじゃなく……。

愛由:「ここにいる」と知られる……そうか。

イライザ:なんていうか、愛のもっとも深いかたちは「知られること」「目撃されること」だと思ったりするんだけど、わかるかな?

愛由:うん。目撃されることというの、すごくわかる気がするよ。

イライザ:深いところで、知られる、見届けられること。アーティスト、というかものを作る人はみんな、その欲求がほかの人よりどこか強いんだと思う──かれらにものを作らせるのは、「知られる」ことへの欲求なんだよ。その欲求ってみんな持ってるものかもしれないけど、何かを作る人々のそれは、もう少し強く明るく燃えてるっていうか。あくまで「より」「少し」そうなだけで、大きいってわけでもなくて。でも、たぶんより差し迫った感覚があるのかな。

ジャック:そうだね。

愛由:うん、うん、うん。そうだね……あとわたしは歌うとき、自由を感じるかな。自分という存在をイメージするとき、わたしはなぜか水に浮かんでいる自分を思い浮かべるんだけど。脱力して、どちらを向いているかもわからなくて、でもどこか安心しているの。歌うとき、ときどきその感覚になれるときがある。それがすごく自由な感じがするんだよね。

イライザ:ああ、入り口があるんだね。普段の生活という舟のゆける領域を超えて、どこか別の場所へアクセスできるような。そこから戻ってきたときには、その舟を漕ぐということがどういうことなのか、もう少しわかるようになる。

ジャック:うん。同じように感じてるかわからないけど、ライブが終わったときのマインドセット、精神状態が自分にとっては一番いい状態だなって思ってて。その夜はずっとその感覚が続く。そこにかなりカタルシスを感じてて。それと似てる気がするんだけど、愛由もステージの上で持てるエネルギーを思い切り放出してて、だから気持ちいいんだと思う。めちゃくちゃアドレナリンが出るからね。僕はライブ終わりが一番気分良い。

愛由:うん。……大学院で文学研究をしていて、論文を書くのに手こずっていたとき、ある教授がこう言ったの。「うん、でも楽しいでしょ?」って。つまり、自分の脳みその中にしかなかった何かに言葉という形を与えるなんてさ、って。きついけど、「楽しくない?」彼はそんな感じだった。わたしはハッとしてね、なぜかというと、ほんとうにそうだったから。書くのって喜びがある、そしてそれをわたしはいつも忘れてしまうの。

イライザ:うん、忘れてしまう。(文章を)書くのってめっちゃ辛い。でも書けると、他では味わえないくらい最高だよね。軽くなって、やり遂げたって思う。

でも曲を書いてるときは、何かにチャネリングしてるみたいな感覚になる。一過性の何物かに触れられてるみたいな。それが書くべき何かにコツンと当たったら、「よし、今からもうめっちゃしんどいのは知ってるけど、この山登ってあの坂も上ろう」みたいな。それで頂上まで辿り着いたら、やっと息ができる。音楽を作ることはこういうものが訪れてさっと自分に触れてく感じ。それってなんだか至福の体験な気がする、文章を書くのは拷問だけど。

愛由:ははは、うん、わかる。そうだね。その教授はわたしに、すべてものを書くことは混沌に対してつかのまの秩序を作ることだとも言ったの。ロバート・フロストの詩からの引用なんだけどね。そして「あなたにとっては、歌うことも同じだよね」って。つかのまの秩序というのはカオスにおける一時的な静けさのようなもので、それもまた過ぎ去る。でも、すごく大切なことなんだよね。それがとても腑に落ちたから、この話をよく思い出す。

Level of Intimacy──親密さのレベル

愛由:文章を書くこと、曲を書くこと、歌うことって、どれも別の必要を持つ異なるものという感じがしていて──文章/曲を書くこと、演奏すること、あるいは映像を撮ることもそうだね、それらはあなたたちそれぞれにとってどういうアウトプットとして機能してる? 別のものだって思うよね?

イライザ:うん、わたしにとってはかなり違うかな。作る/生まれる場も違うし、アプローチの仕方も違う。でもぜんぶ、ものを作ることへの欲求や意欲とつながってる。わたしはいつだって言葉が基盤にあるような気がしていて……ジャックにとってのそれはきっとメロディーだよね?

ジャック:うん、そうだね。

イライザ:うん、たぶん何をするにも、たとえば大学で制作してた彫刻や絵などのビジュアルアートにしても、わたしはいつも言葉から始めてた。

#01 Purr | To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること

イライザの小説、『The Hearing Test』。2024年3月刊行予定

愛由:うん、うん。

イライザ:で、ジャックはメロディーマンって感じだよね。

ジャック:うんうん。コードに対してメロディーが生まれて、歌詞はいつも最後になる。でもメロディーを思いつくとき、同時に歌詞もいろいろアドリブでつけるよ。無意識から来る何かなのか、たまたま歌った歌詞をそのまま使うこともある。すごくリアルな、しっくりくる言葉が瞬時にはまるときがあって。そのときチャネリングしていたものがまさに、今言うべきことだったんだ、みたいな感じで。

愛由:うんうん。

ジャック:まあでもそうだね、うん、僕たちはかなりやり方が違うな。逆っていうか。彼女は常に歌詞先行、言葉先行で、僕はいつもメロディー先行。それって結構よくて、ときどきお互いのために(言葉やメロディーを)書いたりもできるから。

愛由:そうだね。わたしは兄とバンドをしてるんだけど、バンドのソングライターは基本的に彼で。わたしはアレンジに携わったり、歌詞を書いたりするんだけど。なので単純に興味があって──ふたりともが曲も歌詞も書いて歌うことの面白さとむずかしさってなんだと思う?

イライザ:ふたりの人間が一緒に何かを生み出すことで、よりいっそう強いものが生まれるって思うこともある。ふたりで作らなければ得られないものがかならずあるから。それが利点だよね。一緒ならやれる、みたいな。もし失うものがあるとすれば、ひとつの声、ひとつのアイデアだけが持つ直接性や単純さのようなものかな。

メインストリームのポップスとかにたまに思うのは、最高の曲に考え抜かれた歌詞やメロディーがついているはずなのに、古いフォークやカントリーを聞くときみたいな胸に迫る感じがないってこと──それってたぶん、そういうポップスのヒット曲が多くの人によって作られてるからで、まるで大きな機械の一部みたいになっちゃってるからじゃないかなって。どれだけ洗練された歌詞とプロデュース、優れたメロディーをもってしても、あるひとりの人が何かを生み出すときの鋭さがそこにはないんだと思う。

ジャック:なんていうか、レベルだよね……。

愛由:親密さのレベルだよね。うん。

ジャック:そうそう。うん、『Who Is Afraid Of Blue?』では、僕らはより親密に感じられるものを作ろうとしていたと思う、まさに。そういう流れになったのはやっぱり、イライザに耳の不調があったことも関係してて。

そのときから「これはジャックの声に合うから彼が歌えばいい、こっちはイライザに合う」みたいに曲を書き始めて。『Who Is Afraid Of Blue?』には一緒に歌ってる曲はあまりないんだ。1stの『Like New』だとほとんど全曲ふたりで歌ってるんだけど。

だからそうだね、ユニゾンで一緒に歌うときは、ひとりの声であるときより親密さのレベルがいくらか落ちているとすら思うかな。

愛由:うーん面白いね。でもわかる気がします。わたしと兄も基本的に別々で歌ってるよ。

イライザ:そうだよね。はやくあなたたちの曲が聞きたいよ。

ジャック:うん!

I don’t really remember how I realized that the idea of “other water” stays in my head. When I translate, when I write, when I sing. I always imagined myself floating on water, sometimes swimming to other places, immersing myself in other seas, sometimes thinking that I was in the waters of my past. Leaving my water to someone else’s. Off and back, in and out, my body has always been in the water.

When asked what the joy of translation is, I answered it’s in the attempt of doing the impossible. There’s no such thing as a perfect translation, and words can – or inevitably – lie. It is a very strange endeavor, and that is what makes it interesting. But what I am really into is to touch something I don’t understand, to try that even though I know I will never understand. Only in that attempt, I immerse myself in other seas (In the film “Before Sunrise”, Celine says: “I believe if there’s any kind of God it wouldn’t be in any of us, not you or me but just this little space in between. If there’s any kind of magic in this world it must be in the attempt of understanding someone sharing something. I know, it’s almost impossible to succeed but who cares really? The answer must be in the attempt”. My water, your water. When you stir those a little bit, isn’t there something like a gleaming hand of god?).

In this series of interviews, I just talk and listen to my favorite artists sharing the lives of the same generation. It’s like going to another place of water and dipping my feet in for a while. I’d like to be invited to their shores momentarily, and play with them. While we are there, we may find ourselves in another water where no one knows. What will I see there? What will we talk about?

Here is the first talk with two amazing artists aka my most-listened band in 2023, Purr. About their latest record “Who Is Afraid Of Blue?” released in June 2023; witness the presence of others/being witnessed; is music something to be shared? etc. It was a magical moment like stars dancing between us, feeling I can talk about anything I want – this is probably the water I still don’t know, but I have missed it for a long time.

Purr

The project of Eliza Barry Callahan and Jack Staffen, based in New York City. They started their musical career as Jack and Eliza while in college. After playing shows supporting acts from Weyes Blood to Maggie Rogers, they released their debut album “Like New” in 2020, produced by Jonathan Rado. Around that time during the pandemic, Eliza experienced a sudden loss of hearing. Going through remission, the duo returned to making music and released their second album “Who Is Afraid Of Blue?” in 2023.

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The Idea of Blue

Ayu: I’d like to hear your story behind the latest album “Who Is Afraid Of Blue?” of course. But also, it doesn’t have to just talk about the music – I like to hear how you guys feel lately, and the things that are important to you in life, that kind of thing. So yeah, shall we start?

Eliza: Yeah, yeah. We wrote the record, what year?

Jack: Probably we started writing…at the end of 2020 or something. And then…

Eliza: Yeah, we wrote and then I had a health problem. I started losing my hearing.

Ayu: Yeah, I read that.

Eliza: So we stopped playing music. And it was right when the pandemic hit, lit was this time. And so we didn’t play music for like eight months. I thought I was gonna go deaf. So I was like, I’m not gonna play music anymore.

Jack: Well, we were both having this reckoning with our relationship to music at the same time. I mean, Eliza was having it obviously because she was having this health problem with her hearing, and hearing is so important to playing music.

Ayu: Yeah, of course.

Jack: Me too, as her, you know, collaborator and myself, I was sort of in this place where I was unsure of how to approach music.

Eliza: And basically for that time of the pandemic, we both kind of stepped away from music and the reality of life slips in, like “How are you going to survive?” or “What are you going to do to make a living?” “What are you going to do?” And I was in a graduate program at that time getting a master’s in creative writing.

Ayu: Mm-hmm.

Eliza: And I then wrote a book project during that time. And Jack started experimenting with learning how to make art like digital art and coding. So we both started doing really different things.

Ayu: A lot of changes.

Jack: Yeah.

Eliza: And it was really weird because it was like living a kind of alternate life.

Ayu/Jack: Yeah. Yeah.

Jack: It’s still weird that we do that. And music stuff. But it’s also really nice because it’s like, we both have these other things that we do. So when we play music, it’s so special and…

Eliza: Yeah, it feels like it took some of the work element away from it. And it just feels like pleasure.

Ayu: Yes.

Eliza: But yeah, we both kind of stepped away from music. I didn’t have a choice and I think what I was going through is also really kind of traumatic for Jack.

Jack: During the pandemic, really at the height of COVID and all that stuff, that was happening in 2020. And I don’t know if a lot of people started doing this but I began to listen to music that I listened to when I was younger.

Ayu: Oh, I can relate to that, yeah.

Jack: Yeah, there was this yearning for that time in my life or something. And I grew up in a household where my parents were listening to a lot of 90s alternative music. So that’s sort of what I was drawn to, like Radiohead, like “The Bends”.

Ayu: Yeah, yeah.

Jack: Or I don’t know if you’ve heard of Amy Mann.

Ayu: Yeah I know her.

Jack: You know, stuff like that – I just like listening to it as an older person. (laugh) A little bit more understanding about music. It was so inspiring. And I think that Eliza also started listening to that music too.

Eliza: Yeah, when I knew I was gonna lose my hearing for some time, I was really careful about what I listened to, because I was like, I’m only gonna be able to listen to so much for so long. So I’m gonna choose really specific things. The more I listen to those things, the better I’ll remember them. And then I was like “okay, I’m only gonna listen to these things I really care about. I won’t fill my ears with anything else”.

Ayu: Oh yes. Yes.

Eliza: But so the record, then I went into remission. I started a medical trial in order to be able to recover my hearing.

Ayu: Uh huh.

Eliza: And that was after a year of thinking I wasn’t going to be able to. And as soon as I went into remission, Jack and I wrote the record in like four months.

Jack: Yeah, we wrote it really quickly. Because…

Eliza: I didn’t know how long I’d be able to hear for, so I was like…okay we have to do it quickly.

Jack: Yeah, I think that we both do this thing where we write something that serves as the access point into the rest of a record or the rest of a body of work. You write one thing that just opens up the rest of what will be your album. And I think the first song that we wrote was “Honey”, which is the first song on “Who Is Afraid Of Blue?”.

Ayu: Yes, yes.

Jack: And just like kind of stream of consciousness, the first lyric in the chorus is “before you know, it’s all disappeared”. And I think we both were like, “yeah, we have to keep that lyric” and it just made so much sense because we’re both struggling with this sense of potential loss or imminent loss, and yeah, it’s kind of sad I guess, but it’s ultimately happy (laugh), because we made the record!

Eliza: Yeah, I think it’s like…the idea of blue, then we’ll let you ask the next questions so we don’t keep babbling. But the idea of blue as being an open space,

Ayu: Yeah…

Eliza: And the open space can be a terrifying thing, or a thing where there’s endless possibility. So the idea of that space as being something both terrifying and also really beautiful and full of possibility I guess.

Ayu: Mm-hmm. Yeah, a lot of changes, but those experiences opened up the another door for you guys.

Jack/Eliza: Yeah, exactly.

Eliza: So I think while that was experienced, it was one of the worst times of my life. I’m now so grateful to have experienced that depth of feeling or that depth of fear. Because once that kind of pathway is open, it never closes. It’s just an expansion of experience or being alive.

Ayu: Mm-hmm.

Eliza: I think that…the record is, kind of, a record of that.

Jack: Yes, right.

A Holy Place in Your Heart

Ayu: For me, “Who Is Afraid Of Blue?” seems to have kind of a refreshing intimacy and a certain sense of liberation, compared to the first album “Like New”.

Eliza: Yeah, we were so naïve. (laugh)

Ayu: Yeah, but I love that album too. The naiveness is, yeah, perfect.

Eliza: You can’t go back to that, you know, good to preserve that too.

Ayu: Yeah, but many of the lyrics are very raw and kind of heavy, I guess. But there is a sense of liberation, and it made sense from what you told about right now…and the possibility of the blue is also made sense to me. I love all the songs on the album when listening to them all the way through, but if I have to pick up favorite ones, it’s “The Natural”, “Guessing”, and “Hesper” especially.

Eliza: They are our favorites too.

💙

“The Natural”

Ayu: Oh, really? Yeah. (laugh) I love them. I’ve been loving “The Natural” since the day you released as a single. I’ve been repeating it all the time and I really love “Giant Night” over your first album. And I feel there’s something being linked from there to “The Natural”.

Eliza: Yeah, here you can see that country – a little bit country leaning.

Ayu: Yeah, and maybe, it’s the naiveness.

Eliza: Definitely. Yeah, I think “The Natural”, it was a song that I wrote really fast. It was kind of a story that came, like not feeling ready or equal for the world in some certain way.

Ayu: Mm, mm, mm.

Eliza: Kind of a growing pain song. I forget who said this, but someone, I think it was maybe John Lennon, was like, “every song is a love song”. And I think “The Natural”, it’s a love song in relation to oneself.

Ayu: Mm-hm.

Eliza: Whereas “Guessing” is definitely more of a love song.

Ayu: Hmm. Yeah, for me “The Natural” is the song, you feel the singer so close. Also the lyrics just stay in my heart. Like, it’s about me. (laugh)

Eliza: Yeah.

Jack: About parallel between “Giant Night” and “The Natural”, I feel like they’re both really personal songs, and also they’re both drawn from a similar inspirations.

Eliza: Directly telling a story. Less abstract.

💙

“Guessing”

Ayu: Yeah, yeah, I see. So “Guessing”, another song I love. Um, I remember I was listening to it one fine morning of May in my room. And when Jack sang like, “I feel so safe right here”, the line just jumped into my ears and something awakened me.
It’s very personal, but last year was kind of hard for me. There’s lots of changes. They were really shaking my heart, like my band leaving the label, my cat went to heaven. Also I just found my apartment in Tokyo and I loved it, but had to move after a short time. A lot to happen.

Eliza: A lot of changes…

Ayu: Oh, yeah…but when Jack sang the line, something clicked and I realized, like “yes, I feel so safe right here in my tiny room” – after all those experiences, you know, I feel like I was coming home or coming back to myself, and I feel so happy.

Eliza: I remember when Jack was saying that line to me in that part of the song. And I had the same reaction and I was like oh it feels so direct, like, it’s talking to you. And usually we bring ideas to each other in different ways but “The Natural” I pretty much wrote and “Guessing” he pretty much wrote. We wrote those two songs pretty separately. And it’s funny because those are probably the two of my favorite songs on the record, I think for the same reason they have this directness.

Jack: Yeah.

Eliza: …About lyric, that “I feel so safe right here” – it’s nice because it has this immediacy. The idea of saying “right here” in a song is like referring you to a moment – so whenever you’re listening to the song, it’s right here. It has a renewing sense of presentness. So I love that Jack wrote that lyric.

Ayu: Mm-mm.

Eliza: But yeah. That song was definitely also speaking directly to the similar experience of what you’re saying about a lot of changes happening around you, but finding a kind of safety or comfort in a moment and energy surrounded by a lot of change.

Ayu: Yeah, yeah, I totally realized.

Eliza: Happy that resonated with you.

💙

“WANDA” and Barbara Loden

Ayu: Yeah, thank you. I’m so happy. I also read a caption on your Instagram, you love the movie “WANDA”, right?

Eliza: Yes. I teach at a university now. I teach literature. And yeah, last week actually I screened for my class “WANDA”.

Ayu: Really?

Eliza: There’s a wonderful book – I don’t know if there’s a translation in Japanese – called “The Suite for Barbara Loden” by a writer named Nathalie Léger. She’s a French writer as originally written in French, but it’s a great little book on Barbara Loden and “WANDA”. So if you like the movie, I recommend it.

#01 Purr | To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること

“Suite for Barbara Loden” by Nathalie Léger, translated by Natasha Lehrer and Cécile Menon (Dorothy, a publishing project)

Ayu: I would definitely read it.

Eliza: That song (“Guessing”) felt related to the film because it’s like following someone so directly and personally who’s searching for something outside of the circumstance that she (Wanda) ’s in – and so that film felt like such a tied reference.
And we had different movies playing as we were recording with the producer Jonathan Rado.

Ayu: Mm-hmm.

Eliza: And during that song, we had “WANDA” playing on the screen.

Jack: Yeah.

Eliza: There’s like…the famous kind of, it’s not the opening shot, but it’s near the opening shot where she’s walking alone through the cold landscape of the coal mines, and I think it’s like northern Pennsylvania.
So there’s just this little blonde body against massive open landscape. And it’s this very lonely image, but there’s also a lot of power. Even her circumstance behind trying to find something else. It’s like the beginning of a hero’s journey.

“WANDA”, the debut and posthumous film directed, written by and starring Barbara Loden, released in 1971.
Screened in Japan by crépuscule films in 2022.

Jack: Actually a really interesting thing about the recording in general was like – I’m sorry, I’m kind of changing the subject again – but this time we went into the recording process without super fleshed out demos of the songs, right?
We didn’t really have a question or an understanding of what the songs might sound like when we went into the studio, and
a lot of films that we watched kind of informed what the music sounded like in the end.

Ayu: Oh, in the studio?

Jack: Yeah, in the studio. Like when we recorded “Guessing”, we were watching the movie “Magnolia” on repeat.

Ayu: Oh, that’s my another favorite movie!

Jack: Yeah, it’s awesome. And I think it did kind of doing something in the room. And then there’s a song “Receiver”, which is a bit more of a hard rock song on the record, a lot of interesting space in it. And we were watching a Marvel movie, I remember.

Eliza: Yeah, we were just seeing what different things or types of films, how they would really affect the space that we were working in. But with “Magnolia”, actually, the street that we were recording on was off of Magnolia Boulevard, which is where the movie was made.
And so it felt really close to the world. And Amy Mann, who is a songwriter we love, she did the music for that film. We’re thinking about her music too.

Jack: Yeah, exactly.

Ayu: Mm. Yeah, that kind of thing happens sometimes.

Jack: Yeah. Some coincidences.

Ayu: I understood that. And I even have a poster of “WANDA” on the wall in my room.

Eliza: Oh yeah? You have to read this book.

Ayu: Yeah, yeah, definitely. After I watched “WANDA” for the first time, I felt a sense of desperation in longing for others and its awkwardness.I felt like in life there is always something you can’t control, and that’s intense. But at the same time, there’s always like a holy place and very safe place in your heart, right? And that’s what I feel when I’m listening to “Guessing” too. The same feeling.

Jack: Yeah.

Eliza: I’m glad you feel that.

What Anchors Us, What Opens Us

Ayu: So where do you get your inspiration to make songs – like from movies sometimes too?

Jack: Yeah.

Eliza: Yeah. From, I feel like for Jack, music pretty directly, like you’re a big…

Jack: I’m a big listener. And I find that I’ve been writing a lot while walking.

Ayu: Oh.

Jack: Out on the street. Our voice memos have become my best friend.

Ayu: My brother is like that too. Writing songs when he’s walking.

Jack: Yeah, I’ll be humming a melody while walking. I think probably I go through these phases where I listen to a lot of music. And then I kind of enter a songwriting phase. And I think for you (Eliza), it’s not really like that as much.

Eliza: Yeah, for you (Jack) it’s like really phases like six months you don’t write music and then for four months you write tons of songs. For me I’m slowly collecting over time.
We’re writing another Purr record right now and then we’re also writing two solo records. They are individual records and I’m interested to see the different ways, because
the Purr music is our middle ground. And then the other music is how we diverge or, different sort of intimacy arrives when you’re working a lot versus together (making music).
But yeah, I think I use a lot of visual art as reference for my story. Aside from the music right now, I really want to make films. But before that, we’re going to record more music.

Jack: Yeah.

#01 Purr | To Be Known, To Be Witnessed──「ここにいる」と知られること

Eliza shared many of her favorite books with us – Yoko Tawada, Yuko Tsushima, and many others including “The Apple in the Dark” by Clarice Lispector.

Ayu: You guys are so talented.

Eliza: I don’t know, you just keep going and the thing that makes me feel alive is making things. If I’m not making things, then I feel like I’m not living.

Ayu: Yes, yes.

Eliza: My skin feels like it’s crawling when I don’t have a project, a larger thing that I’m working towards. I don’t know how I ground myself. But I think the same goes for Jack, like he is building all this art and all this work with engineering and coding, and I’m teaching at this university. Which is great because I think it kind of anchors us, but then the thing opens us or holds us to the future is our art and our projects.

Ayu: MMMMMMMM.

Eliza: We were sad because we were working in these other ways, we couldn’t really tour this record like we’d wanted to. We had to cancel our tour because I was teaching and he was working on other projects.
But you have to reckon all the things you want to do and figure out the balance. Because when you tour, you can’t do anything else, so…

Jack/Eliza: But we do love to play shows, yes.

Working with Jonathan Rado

Ayu: Yeah, you should come to Japan too, as soon as possible.

Jack: Yeah, it’s like my dream, kind of, to go there.

Eliza: I want to go to Japan for, well, the person who produced the record, his name is Jonathan Rado. He’s in Foxygen and he did Wise Blood record.

Ayu: Yeah, yeah.

Eliza: He’s been to Japan with Foxygen, but he really wants to go back. So we will all go together.

Jack: Yeah.

Eliza: It’s not that far. I went to New Mexico outside of Santa Fe this past week, and it took like 10 hours to get there. I was like, another four hours? I could be in Tokyo.

Ayu: That’s true. Yeah, you’re working with Jonathan Rado. How did it happen?

Jack: Well, our first show as Purr was actually opening for Foxygen.

Ayu: Oh, I see. The first show. Wow.

Jack: Yeah, it was kind of crazy, but Eliza and I had a project before this, which was just our names.

Ayu: Yes, Jack and Eliza.

Jack: And our manager – at the time we had a manager – we told him we want to record with Jonathan Rado. We want to record a record in the way we loved, and we loved the work that he was doing at the time.
And yeah, we kind of made it happen. We got to play with him and then we met him and then we just said to him, like we want to record a record with you. He was like “okay”.

Ayu: That’s wonderful.

Jack: Yeah, and now we’re like family, Rado and his wife, Jackie. This is the second record we did with Rado, ”Like New” is also with Rado.

Ayu: Mm-hmm.

Eliza: He’s such a wonderful person. And so connected.

Jack: He is a genius.

Ayu: I know.

Eliza: He is. He has a way of thinking about things. I kind of feel like he feels like my brother or something. We’re both only children, we have no siblings and we do things in such similar ways. But I’m not a genius like he is.

Ayu: You’re a genius too.

Eliza: I like the idea. But we have a similar way of thinking about life. And we all love Japanese food. Yeah! We all love Japanese food. The whole time we’re making the record, we’re ordering delivery.

Jack: Yeah! We all love Japanese food.

Eliza: And we’re ordering only sushi.

Jack: When we are ordering with him, we always run out of money because we order so much.

Eliza: Yeah. (laugh)

To Be Known, To Be Witnessed

Ayu: So this is a very fundamental question I guess. But what do you like about making music and then share it with the world? I think this probably relates to the question of why you write songs or texts and why you sing. A hard one. (laugh)

Eliza: You go first.

Jack: Yeah. You know, I think that the reason that I write music, it really has to do with something we were talking about before – and you know, I think Eliza also feels this way, but we both kind of feel unfulfilled if we don’t create. And I think me in particular, songwriting has been my creative outlet. And I don’t do that for a while – like two or three weeks – I start to not feel very comfortable. As if using that part of my brain – practicing that part of my brain is so important to me.

Ayu: Yes.

Jack: But also, it’s kind of a means to let go or release emotions, energy and move through something, like it’s so important for me, moving through something. Even if I’m not particularly thinking about issues I’m having or stress that I’m feeling, music – it can either be the place where I like to confront those problems or it can be the place where I escape from those problems and don’t really think about them, and then problems that I had or that stress that I was feeling becomes so stupid and small, you know, in the scheme of things.
And I think the reason that I love to show people the music is…well, I don’t know if I do…it’s kind of hard to explain. I love performing so much, uh…yeah, I don’t know, I don’t know why I release the music… (laugh)

Eliza: I think I like the process of having something be so personal and then kind of just giving it away once you put it out. It’s not yours anymore.

Ayu: Yeah, yeah. I totally understand.

Eliza: When you give it away, it clears space, then make something new. So if you don’t give it away, then you have no space. You run out of room in the house of your brain.
But yeah,
the desire to share, I don’t know, there are so many incredible artists who live their whole lives, we never see what they make. They die and all this work they made – they don’t have any need for external kind of response. It’s just what they naturally do. And I really admire that way of making art.
I don’t think art, like its value isn’t necessarily in that.
But with music, I do feel there’s so much value in it and it needs being shared. It’s such a…it’s a medium of collaboration and…

Jack: Yeah.

Eliza: It grows with it, listening, like “Guessing” becomes something so much greater – it’s so moving that you could sit in your room and have these experiences and you can feel that line resonate, and you can sing the song in your head or out loud and it just expands and so, that’s the beauty of being alive and connecting to people.

Jack: Yeah. Probably that’s all true. I think music is, music is really…you know, maybe this is cheesy. Music is like universal language, you know? Like we can all take something from it, because it’s abstract and it’s so interesting. Oftentimes, what we take from it is kind of similar even if we don’t really know what the song is about.

Ayu: Oh, yeah. I totally get it.

Eliza: Yeah, I think that especially, sometimes someone can write and it’s like “Do you write literature or something?” “Are you writing for yourself or are you writing for an audience?” – like, I don’t know. I think with my book, I was writing in many ways for myself. But music? It’s something to be shared.

Jack: Like food.

Ayu: Like food…that’s interesting.

Jack: Yeah, I think performing is also really special because it gives you an opportunity to embody another version of yourself sometimes…which is super liberating. The person that you are on stage is so different from the person that you are, like when you’re just hanging out with friends, having a conversation.
You know, it’s performative. You’re like, kind of an old character. Like it’s never really actually you, but playing a character is so…

Ayu: Liberating.

Jack: Liberating and revealing, to you personally, of who you are.

Ayu: Yeah.

Jack: Being on stage and performing, makes it in a lot of ways a lot easier to share your vulnerabilities.

Ayu: Hm, hm.

Jack: You might not necessarily be sitting down with your friends at dinner and being like, oh, I’m so sad because of this and this and that. But on stage, it’s so easy to do that.

Ayu: Yeah, there’s a possibility of who you can be on stage. For me, there is definitely a longing for connections in performing or making songs. There’s a desire to feel the presence of others or feel the presence of myself.

Eliza: Yeah, I think it’s like the desire to be known better. Not just to…

Ayu: Known better, yeah.

Eliza: You know, like, the idea that love in its deepest form is to be known, to be witnessed, you know?

Ayu: Hmm. Oh, be witnessed. Yes…

Eliza: On some deeper level. And I think maybe artists, people who make things in general, that desire is maybe greater in some way than others – what drives them to make things, is a desire to be known. Maybe everyone has that desire, it’s a universal desire, but I think an artist, the thing that can drive people to make is that desire, maybe burns a little brighter. It’s “a little”, it’s “more”, it’s not larger, but it maybe is just more pressing.

Jack: Yeah.

Ayu: Mm, mm, mm, mm. Yeah, and when I’m singing, I feel kind of free. And for some reason, when I think of my, like, primal self, I picture myself floating on my back in the water, relaxed, and not knowing which direction I am facing, but somehow at ease. And I sometimes get that feeling when I’m singing. And that’s very liberating for me.

Eliza: Yeah, different access – you tap into something that’s beyond just the kind of plane of our daily life and you can go somewhere else and then when you return, you have a better sense of what it is to be on this plane.

Jack: Yeah. I think like, I don’t know if you also feel this, but I always find that after a show is the best mindset or mental state ever, and that lasts really good night. There is something so cathartic about it. So much like, you’re just releasing all this energy on stage and it just feels so good.
And plus there’s the whole adrenaline rush too of it. But really I feel so good after the show.

Ayu: Yes. …When I was in grad school majoring literature and in trouble writing papers, one professor said to me “Oh, but it’s fun, right? – I mean, you give a visible form of words to something that was only in your brain. It’s tough, but isn’t it fun?” He’s like that. It took my breath away because it really was. It really was fun to write, and because I always forgot that.

Eliza: Yeah, you forget. I think writing is so torturous. But having written, nothing feels better, like, feel lighter, you’ve done something.
Whereas writing music, you feel like you’re channeling something and being visited by some temporary thing. That’s gonna tap into this thing worth writing. Then you’re like “Okay, this is torture, but I’m just gonna climb up this mountain and this steep thing” and then you get to the top and you can breathe. With writing music, you’re kind of being visited by this. And it’s just like euphoric experience, while writing is like torture.

Ayu: (laugh) I get it. Yeah. The professor also told me that every writing is a momentary stay against the confusion of the world. That’s a quote from Robert Frost poem. And he also said, “for you”, I mean, for me, “singing is the same thing, right?“ A momentary stay, I believe, is a kind of temporary order or calmness in the chaos. It’s only a temporary thing, but it really matters, you know. I can relate to that feeling, so I remember that often.

Level of Intimacy

Ayu: I feel like writing texts or songs and singing are different things with different needs – so how are writing (texts/songs), performing or filming even are functioning as your emotional outlets for each of you? It’s a different thing, right?

Eliza: Yeah, really different for me, really different places of making or how I approach, but they all like, feel certain desires or drives of making things. I feel like words for me are always a foundation where I feel like melody for you (to Jack) are probably your foundation?

Jack: Yeah.

Eliza: Uh, but from probably the beginning of everything, even like the visual art that I make at a university where I studied sculpture and painting, I always started with words.

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Eliza’s novel “The Hearing Test”, coming out in March 2024

Ayu: Mm-hmm.

Eliza: And I feel like you (Jack) are like melody man.

Jack: Yeah, yeah. I’m gonna start with melody for chords and then lyrics are always very last for me, but I’m kind of ad-libbing a lot of lyrics while even writing melodies. And sometimes you know like, just whatever stream of conscious, I just sing a line or something while I’m singing a melody that ends up staying there, because it’s so real. It’s so right on. Like whatever I was channeling was just exactly what…had to mean.

Ayu: Hmm, hmm.

Jack: But yeah, yeah, we both have this different process. Like our processes are kind of reversed. She’s always lyrics first, words first. And I’m always melody first. Which is good because sometimes we can write each other, do the other person’s job.

Ayu: Yeah, I’m in a band with my older brother and I can say that he’s the songwriter for our band. But I am always involved in the arrangements or writing lyrics. So I’m just curious, but what do you find interesting or difficult about both of you singing and both of you writing songs or writing lyrics?

Eliza: I think sometime it can be way more powerful to have two minds creating something, you get something you wouldn’t otherwise. That’s the benefit. Together becomes stronger. What you may be lose is like a directness or a simplicity of just a single voice or a single idea.
And I think that’s why it sometimes in pop, like mainstream pop music, you can have the best song with such tight lyrics, such tight melody, but it doesn’t cut you in the way an old folk song or a country song does – because those big pop songs are written by so many people and they’re part of this machine and even it’s so smart lyrics, incredible production, incredible melodies, lose some sharpness that just cuts to you when there’s just one person doing something.

Jack: There’s like a level of…

Ayu: Level of intimacy, yeah.

Jack: Yeah. Yeah, I think that with “Who Is Afraid Of Blue?”, we tried to make a record that felt a lot more intimate, definitely. And part of that was happening because, you know, Eliza was going through her medical problem with her ears.
We kind of started to write like “This one is more conducive to Jack’s voice. So he should sing it. And it was more conducive to Eliza’s voice”. There’s not a lot of songs where we’re singing them together in “Who Is Afraid Of Blue?”. Whereas on the first record “Like New”, in every song, I think basically, it was both of us.
And yeah,
I even think when singing in unison together, you do lose some level of intimacy that you have when it’s just one voice.

Ayu: Mmm that’s interesting. But I get that too. Yeah, me and my brother are also singing like separately.

Eliza: I know. I can’t wait to listen to you.

Jack: Yeah!

惠愛由

1996年生まれ、水瓶座。BROTHER SUN SISTER MOONのベースとボーカルを担当。Podcast「Call If You Need Me」を配信するほか、文筆や翻訳業も。訳書に『99%のためのフェミニズム宣言』(人文書院)など。

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