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升味加耀さんに聞く。「性にまつわるおすすめ作品」「不安なとき、どうしてる?」

『HEARTSTOPPER ハートストッパー』/K-POPアイドルを見て元気をもらう

性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? お泊まり会のようなくつろいだ場所で、終わらないおしゃべりが生まれるような時間であれば、話してみることができるかもしれない。そんな想いからはじまったのが、me and youがナビゲーターを務める音声番組『わたしたちのスリープオーバー』(通称:わたスリ)です。

現在はPodcastで配信中の『わたスリ』では以前、番組の最後に本編とはまた別のゲストをお招きして、心やからだ、性にまつわることを考えるきっかけになる次のふたつの質問を投げかけるミニコーナーをもうけていました。

1.「性」について気づきをもらった作品は?
2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる?

今回は、演劇ユニット・果てとチークの主宰で、脚本家、演出家の升味加耀さんの回答をご紹介。お守りになるような言葉や考えに出会えることを願って。

二人の行く末を安心して見守れる

1.「性」について気づきをもらった作品は?
Netflixドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』

性について気づきをもらった作品は、Netflixのドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』です。この作品は主人公がゲイの高校生で、隣の席になったクラスメイトと恋に落ちる、というお話で、その周りにもいろいろな性自認や性的指向を持つ人たちが集まっています。

マイノリティを扱う作品はどうしても心がすごく痛くなってしまうシーンがあって、その後どんなにハッピーなシーンがあったとしてもその痛みを忘れられないことがあります。でも『HEARTSTOPPER ハートストッパー』の場合は、もちろんそういうシーンもあるのですが、それを上回るあたたかさが感じられます。制作している方たちの綿密なリサーチとケアと努力によって生まれているようなあたたかさが作品全体を包んでいるので、最後まで二人の行く末を安心して見守れるというか、二人がどんどん幸せになっていってくれたらいいな、ということを真っ直ぐに信じられる作品だと思います。

がんばるK-POPアイドルを見て元気をもらう

2.不安なとき、大丈夫じゃないとき。どう自分と向き合い、心やからだをケアしてる?

わたしの場合は中学生の頃からずっとK-POPが好きで、ずっとK-POPアイドルというものを業界ごと箱推ししてきているのですが、なかでもKep1erという去年デビューしたばかりのグループに元気をもらっています。
もともとオーディション番組から生まれた9人グループで、そのなかでも末っ子のイェソちゃんを応援しています。とにかく全員がとてもがんばっているから、どんどんスキルがつき成長している様子を見守ることができるのがほんとにありがたい。この時代に一緒に生まれてほんとにありがたいなというふうに思います。

K-POPアイドルは多くの人が、決して短くはない期間練習生生活を送り、限りなく低い確率でデビューして、デビューした後に売れるかというとまた全然違って。
そういうギャンブルみたいな世界を目指して、1日に10時間とか、たくさんの練習をしてきているところがあると思います。練習生時代から何年間もがんばってデビューを勝ち取ったことが、彼女たちや彼らのパフォーマンスにすごく影響している。ハングリー精神があるところや“世界”を目指すところも、そういう背景があるからなのかなと思います。

そういった部分はぜひ見習っていきたいなと思うし、悩みの度合いにもよるけれども、基本的にはほんとにいつも元気をもらっているな、という気がします。

升味加耀

1994年生まれ。東京都出身。
早稲田大学部法学部卒。
2015年、留学先のベルリンにて、演劇ユニット・果てとチークを旗揚げ。
以降、全ユニット作品の劇作・演出を担当。
19年、自作害悪が令和元年度北海道戯曲賞最終候補作となる。
20年、PARCOの新しいカルチャーフェスティバルP.O.N.D.に招聘。
22年、東京芸術祭ファームAsian Performing Arts Camp に参加。
23年、自作『はやくぜんぶおわってしまえ』が第29回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作となる。
非現実的で極端な設定を用い、社会に遍在する透明な差別や断絶を、軽快な会話とショッキングな結末を通して活写する。

公式HP
1月公演『はやくぜんぶおわってしまえ』無料公開中
8月公演『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』レンタル配信中

果てとチーク 第7回本公演『グーグス・ダーダ』
2023年12月14日(木)〜17日(日)
会場:北千住BUoY
作・演出:升味加耀

果てとチーク第7回本公演『グーグス・ダーダ』

『わたしたちのスリープオーバー』

性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか? 自分や相手のからだ、セックス、性差別、ひとりひとり異なるセクシュアリティ、ジェンダーアイデンティティ、してもしなくてもいい恋愛についてなど、さまざまなトピックを自分の言葉で話しはじめ、考えはじめてみる。ここは、気負わず、飾らずおしゃべりする、お泊まり会のような場所です。

世の中の常識や自分自身の思い込みをときほぐすために、個人的な違和感や疑問を手がかりに話しはじめるきっかけと学ぶきっかけをつくり、自分自身がより生きた心地がするよう、選べる扉を増やしていく。「こんなこと、きっととるにたらないから」とたったひとりで悩み、考えたことのある、今を生き抜いているすべてのわたしたちへ。

わたしとあなたで、おしゃべりを。

💫2023年10月からはJ-WAVE Podcastで、隔週金曜日に配信。
💫わたしたちのスリープオーバーでは、性にまつわるお悩みやモヤモヤ、今考えていることなど、お便りも募集中💌採用されるとオリジナルステッカーをプレゼント。webサイトからぜひお待ちしております。

わたしたちのスリープオーバー | J-WAVE Podcast
わたしたちのスリープオーバー | linktr.ee

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me and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていること、新しい場所の構想などをみなさまと共有していくお便り「me and youからのmessage in a bottle」を隔週金曜日に配信しています。

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