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光溢れる部屋で、4人で生きる。金川晋吾の暮らし

「たよりなさを感じたときには、そのことを誰かに話すようにしています」

どんな家で、誰と、どうやって暮らしていますか? 一日のなかで最も長い時間を過ごすことの多い家が、自分を繕わずに存在できる場所であったなら、きっとたよりない日々を支えるものになるはずです。今回は、家での暮らしを大切にしながら、それぞれ工夫を凝らしながら日々を営んでいる方々に、いくつかの質問に答えていただきました。

この記事では、写真集『明るくていい部屋』などでも自身の生活についての作品を発表している写真家の金川晋吾さんに、家での暮らしについて教えていただきました。金川さんは、アーティストの斎藤玲児さん、百瀬文さん、森山泰地さんと4人暮らし。たよりない日々を支えてくれる同居人、部屋の光、銭湯やパン屋、音楽の存在について。

1. 暮らしている家の好きなところ、好きになるために工夫しているところについて教えてください。
2. 誰かと暮らすことや、ひとりで暮らすことの選択をどのように行いましたか? そのうえで、「生きることのさまざまなたよりなさ」に日頃どのように向き合っていますか?
3. 暮らしている地域の好きなところは?
4. 家にある、たよりない日々を支えてくれるものとは?
5. 部屋の間取りを教えてください。

光がたくさん入ってくるところ

1. 暮らしている家の好きなところ、好きになるために工夫しているところについて教えてください。

窓がたくさんあって光がたくさん入ってくるところです。

誰かと住んでみることへの興味が蓄積されていたタイミングだった

2. 誰かと暮らすことや、ひとりで暮らすことの選択をどのように行いましたか? そのうえで、「生きることのさまざまなたよりなさ」に日頃どのように向き合っていますか?

斎藤玲児くんと百瀬文さんに誘われたのがきっかけでした。最初は乗り気ではなかったけれど、とりあえず部屋の内見に行ってみたら新しい生活のイメージが具体的になり、なんだか楽しそうな気がしてきました。それまではずっと一人で暮らしていたので、誰かと住んでみることへの興味が蓄積されていたタイミングでもあったのだと思います。

自分は何かたよりなさを感じたときには、そのことを誰かに話すようにしています。話をする誰かというのは一緒に生活をしている人たちだけではなく、いろんな人がいます。それは本当にありがたいことだと思います。

「生きることがたよりない」なんていうふうにこれまでは意識してなかったと思うのですが、今回この言葉をいただいて本当にそうだなと思いました。そして、最近の自分はこの「生きることのたよりなさ」に直面しているのかもしれないと思いました。そうなっているのは、自分の年齢が関係している気がします。40歳を過ぎてますます惑うようになっています。

スーパー銭湯、ハード目のおいしいパン屋がすぐ近所にあるところ

3. 暮らしている地域の好きなところは?

スーパー銭湯に歩いて数分でいけるところ。おいしいお店がたくさんあるところ。とくにハード目のおいしいパン屋がすぐ近所にあるところ。そのパン屋は週4日営業で、しかもほぼ毎月10日間ほどまるっと休むので、空いているのを目にするだけでうれしくなります。

音楽を流していないときも、断片的なメロディやリズムやビートを口ずさんでいる

4. 家にある、たよりない日々を支えてくれるものとは?

音楽です。こうやって文章を書くときは例外ですが、私は家で何かをするときには基本的に音楽をかけながらします。音楽によって自分を活気づけたり落ち着けたり慰めたりしています。実際に音楽を流していないときでも、一人で断片的なメロディやリズムやビートを口ずさんだりしています。同居人のひとたちは私のそういう振る舞いを無視してくれています。

5. 部屋の間取りを教えてください。

光溢れる部屋で、4人で生きる。金川晋吾の暮らし

玄関を開けるとリビングルームが。リビングに面して3つの洋室が並ぶ

この部屋で、生きている。わたしの家の愛おしいところ

どんな家で、誰と、どうやって暮らしていますか? 一日のなかで最も長い時間を過ごすことの多い家が、自分を繕わずに存在できる場所であったなら、きっとたよりない日々を支えるものになるはず。

賑やかな場所で暮らしたい。自然に囲まれて静かに過ごしたい。パートナーと、家族と、仲間と、一人で暮らしたい。たくさんのものに囲まれて暮らしたい人もいれば、ほんの少しの好きなもので満たされる人もいます。暮らしの選択肢は、数え切れないほどあるはずで、誰かにあり方を決められるのではなく、自分自身が本当はどんなふうに暮らしたいのかに耳を澄ませ、望むかたちを見つけていけたなら。

今回は、家での暮らしを大切にしながら、それぞれ工夫を凝らしながら日々を営んでいる方々に、いくつかの質問に答えていただきました。年齢もジェンダーも、住む場所も暮らし方も異なる人たちの生活を覗いてみると、暮らしのあり方は人の数だけ存在していることをあらためて実感します。生活の中で一人ひとりが実践している小さな工夫や、身近なものの愛し方を知ることで、たよりない日々のなかで大きなものに飲み込まれずに生きていく支えとなる、自分なりの暮らしを考えるきっかけになったらうれしいです。

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金川晋吾

写真家。1981年京都府生まれ。主な著作、『father』(青幻舎)、『長い間』(ナナルイ)、『いなくなっていない父』(晶文社)、『明るくていい部屋』(ふげん社)、『祈り/長崎』(書肆九十九)。近年の主な展覧会、2024年「現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21」東京都写真美術館、2025年「プラカードのために」国立国際美術館。

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