学生時代に見たことのないものを作ることを学び、それが今も残っている
2025/3/14
街中にふと現れる、ここにいながらここではないように感じられる瞬間。現実とそうでない場所を行き来するような風景を見せる写真家の澤田詩園さんに、me and you little magazineのオンライン上の小さなギャラリーに作品写真を寄せていただいています。
大学時代は写真ではなくデザイン科で学び、そこで「見たことのないものを作る」というマインドを得たそう。「出版幽霊部員」を運営し、定期刊行物「ゆうれい通信」の発行なども行っています。どのような思いで作品をつくり続けているのか、言葉を寄せていただきました。
写真家としてどんな作品をつくっているか、活動内容を教えてください。
自身の記憶力の悪さから、他者の過去や、消えた記憶を再現することなどをテーマに作品を制作しています。2024年に入り、作品の作り方、表現方法が大きく変わりました。今は1枚の写真を撮ることに多くの時間がかかっています。新たなエピソードを探し、それをどう写真にするかを考えています。写真のシリーズによって、考え方と作品が変化していっています。
2023年から「出版幽霊部員」を運営し、デザイナー中村陽道とともに定期刊行物「ゆうれい通信」を発行しています。意識的に手作業を取り入れ、写真集や作品集を制作し発表しています。
作品をつくるときに大切にしていることは?
学生時代はデザイン科で学びましたが、デザインや商業的なアプローチはほとんど身につけませんでした。見たことのないものを作るということだけを学び、それが今も残っている気がします。紙や印刷手法への興味が実制作の起点となることが多く、最終的な出力を想像して制作することを楽しんでいます。
me and youに寄せてくださった写真について、その写真の背景と、なぜこの作品を選んだのかを教えてください。
今回の掲載スペースについて、「時間とともに窓の外の景色が移ろっていくように画像が時間ごとに切り替わる……」とお聞きしましたが、この写真はまさに、私が住んでいた部屋の窓から撮ったスナップショットです。良い風景を即興的に撮ることができた時期は、今考えるととても幸せでした。自分も、このサイトを訪れる方も、美しい情景をゆっくり眺める時間を持てたらいいなと思いました。
newsletter
me and youの竹中万季と野村由芽が、日々の対話や記録と記憶、課題に思っていること、新しい場所の構想などをみなさまと共有していくお便り「me and youからのmessage in a bottle」を隔週金曜日に配信しています。
me and you shop
me and youが発行している小さな本や、トートバッグやステッカーなどの小物を販売しています。
売上の一部は、パレスチナと能登半島地震の被災地に寄付します。
※寄付先は予告なく変更になる可能性がございますので、ご了承ください。