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同じ日の日記

セーターと離れても大丈夫/mouhen

手編みのセーター屋さん「mouhen」を営む。兵庫nitteの展示を終えて

毎月更新される、同じ日の日記。離れていても、出会ったことがなくても、さまざまな場所で暮らしているわたしやあなた。その一人ひとりの個人的な記録をここにのこしていきます。2024年1月は、1月31日(水)の日記を集めました。手編みのセーター屋・mouhenさんの日記です。

朝、電車とバスで1時間半、西宮北口駅のニテへ向かう
『水車小屋のネネ』を読んでいたらすぐ着いた

ニテでの個展は27日に無事4日間の会期を終えた
今日は搬出と発送を行うために11:30頃ニテに着いた
ニテのオーナーの愛子さんは今日もかわいいワンピースで迎えてくれる
展示を終えた小部屋は展示中よりも広く感じる

発送の前に、今更ながら写真を撮ったり、作品を一回全部並べてみたりなどして過ごす
準備がいつもギリギリなので、会期の後にこうしてセーターとの別れをゆっくりできる時間が持てて助かった

2023年2月から2024年1月にかけて編んだセーターは9着
そのうち7着を販売し、ありがたいことにお迎え先が決まった
前職を休んでしまった時と、犬が旅立った後はぜんぜん編めなかったのだけど、その後はゆっくりと編んで無事に2度目の個展にこぎつけた
ニテには犬が旅立ったすこし後、ワンピースの生地を買いに訪れて、ぼろぼろのごちゃごちゃの心を包むような時間をもらった
それ以来すっかり好きな場所になって、次に訪れた時に個展のお話を申し入れた
個展のあいだも、この場所で良かったと毎日思う幸せな4日間だった

搬出作業をしながら、ああ、もうこのセーターたちはうちのクローゼットからは居なくなってしまうのだな、と心細いような気持ちになる

始まる前はもっと編めたはずだったと悔しい気持ちがあったけれど、会期の中盤で愛子さんから、よく頑張ったよ、よく出てきたね、と沢山言ってもらって初めて、自分はたしかに頑張ったかもしれないと思えた
セーターと離れても大丈夫、また1年、編めばいいと簡単な答えが出た

のんびり作業をして、会期中は沢山はできなかった愛子さんとのお喋りもして、お茶飲んでく? って聞いてくれたけれど、帰りがたくなるからと断って、またすぐにと手を振って、19時過ぎに帰りの電車に乗った

帰りは本はほぼ読まずにずっとウトウトしながら帰った
家に帰ったら手紙が2通、かわいいものたちと一緒に届いていて嬉しかった
玄関を開けて、いつもの居間に入ったとたんもうだめで、ボロボロと涙が出た
終わってしまったな
すごくさみしいな
でも大丈夫、全然大丈夫
また来年も冬が来るから大丈夫
発送完了のメールを送って、今日最後にセーターを並べて撮った写真をインスタにあげて、展示中の楽しかった写真を愛子さんに送って、お風呂に入って眠った

mouhen

セーター屋。美大卒業後、将来に迷っている最中に編み物に出会う。介護をきっかけに30歳で看護師に転職。働きながら独学でセーターを編み始める。2022年よりmouhenとして活動を開始。2023年1月、東京「April Shop」にて初めての展示会『会いたいセーター』を開催。2024年1月、兵庫「nitte」で『タイムカプセルになれたら』を開催。

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