創作・論考
「わたしとあなた」に寄せた短歌・詩・俳句
2022/2/10
歌人の初谷むいさん、詩人の最果タヒさん、俳人の佐藤文香さんに、「わたしとあなた」というテーマでそれぞれ作品を寄せていただきました。世界に存在するふたりの数だけ、無限に立ちのぼり続ける「わたし」と「あなた」のあわいの言葉。
あなたさえいれば 世界が 燃えていてわたしの心だと気づくまで !
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世界は壊れかけているのかも ぎりぎりで耐えているのかも まあいっかー
いつか楽にしてくれるきれいな言葉 どうしよう 秘色色の夜のこと
紙パック飲料にする力加減 わたしずっとやさしくなんてなかったね
これは夢ですか ? ・ はやく ・ はい、 光です。 ・ はやく冗談を言わなくちゃ
白線渡りのさいごをどうしていたかとか そういうことがこわいままです
木立がゆっくり揺れるイメージ 頼りにしてるってこういうことかもなあ
ねむたいねーねむたいねーと言い合えば羽化だって止められると思ってた
声を電波に乗せる。 まばたきに音はないが、 わたしたちはそれがわかる。
何が欲しかったんだろう、 と 瑪瑙 あとになって思うかもしれないけれど
あなた以外がどんなにすてきだったって……///晩年に愛するはずの音楽
わるいひとになるのはきっと楽かもね こんばんはあ、 と地下鉄が来る
喩えるなら夢の速さ あなたがぐちゃっとさせたわたしの心が好きだった
溺れましょうかで溺れたわけがないでしょう ゆっくり顔を見せてごらんよ
空間に発語が足されて ・ わらう ・ 笑う ・ 世界は二人のためにあるから
クリスタル しょうがないなあ プリズム このままここにいるからねー
わたしたち歌 おたがいの喉が飽きるまで歌って証明してみせようよ
聴いていた音楽が盛り上がって おっ と思う むかしむかしあるところで
一途な人生 あなたにわたしの名前を書いてもなーんの意味もないのはいいね
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/何にもいらないよ 道は見えないけど目の前は見えて それがあなただった
※作品中の記号はすべて全角です。
※著者の意向により、タイトルと一首を変更いたしました。
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