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子どもがいる人もいない人も、手を取り合えるように。「プリーツ倶楽部」イベントレポ

清水淳子、秦レンナをゲストに、子どもにまつわる選択について話す

生理にまつわる3つのブランドが集まって、私たちの心や身体、日々の暮らしをみんなで考え、話すコミュニティ「プリーツ倶楽部」。初心者向けの月経カップブランドmurmo代表・高島華子さん、オーガニックコットンを使った生理用品を作るSISIFILLEのブランドコミュニケーター・cumiさん、吸水ショーツとブラレットを手がけるNeith(Rinē)代表・信近エリさんの3名が発起人です。

第一回目のイベントは、「生理」をテーマに対話をしました。第二回目は「 折りたたまれた想いを話そう / about 子ども〜さまざまな立場を生きるわたしたち〜」と題して、2024年11月4日にトークイベントが行われました。発起人3名に加え、ライターの秦レンナさんをゲストに迎えたトークが、清水淳子さんによるグラフィックレコーディングで可視化されました。

それぞれの事情が絡み合い、普段なかなか話すことのできない子どもについて。子どもを持つ人と持たない人が、互いの想いや背景を共有することによって、手を取り合いながらよりよいコミュニケーションを見つけられるように。それぞれの人生が交錯するような1日となったトークイベントのレポートをお届けします。

子どもについて、どう考えてる?「欲しいと思う日も、そう思わない日もある」「決めないことを決めた」

「女性であれば子どもを産むべき」という考え方が少しずつ解きほぐされ、一人ひとりの選択に光が当てられるようになった近年。さまざまな選択があるからこそ、自分にとってのベストな答えが分からずモヤモヤする人もいるのではないでしょうか。また、子どもがいる人といない人では生活のスタイルが変わってくるなか、親しかった人とどこかぎこちない関係になってしまった人もいるはず。murmo代表の高島華子さんは「子どもがいる人もいない人も、子どもを持つかどうかは一度考えるテーマであり、大きな人生の帰路になるにもかかわらず、立場の違う人とは互いに遠慮してしまい話しづらい」と思ったことから、今回のイベント開催を決めたといいます。

子どもがいる人もいない人も、手を取り合えるように。「プリーツ倶楽部」イベントレポ

左から、cumiさん(zoomでの参加)、高島華子さん、信近エリさん、秦レンナさん。壁に向かって絵を描いているのが清水淳子さん

「プリーツ倶楽部」発起人の3名のなかでも、子どもに関する立場はさまざま。高島さんは10年ほど結婚生活を送るなかで、今後も子どもは持たないだろうと考えているといいます。信近さんは結婚をしておらず子どももいないという立場から、自身のブランドRinēでは授乳中の方へ向けた母乳漏れを防ぐブラレットなど、子育てに関わるプロダクトを開発しています。SISIFILLEのブランドコミュニケーターであるcumiさんは、昔から子どもが欲しいと考えていたそう。現在はアメリカ・サンフランシスコ在住で二人のお子さんを育てています。

そして、「さまざまな立場の女性のさまざまな選択肢を作る」ことをモットーにライターとして活動しているゲストの秦レンナさんは、「子どもが欲しいと思う日もあればそう思えない日もある」と話します。グラフィックレコーダーの清水淳子さんは、結婚当初「産むか産まないか決められないので、決めないことを決めた」そう。「現在は自然妊娠を経て一歳の子どもがいますが、一昨年までは産まない人生を想像していたため、いろいろな葛藤もあります」と話します。

同年代でありながらもそれぞれの道を歩く5名と一緒に、子どもと子育てにまつわる話題を考えていきます。

子どもを持つことや持たないこと、どうやって決めた?

今後も子どもを持たない未来を描いているという高島さんですが、多嚢胞性卵巣症候群を診断された10代を経て、20代からはキャリアを重視するなかでだんだんとその選択へ辿り着いたといいます。

高島:19歳ごろに生理が止まってしまい、町の婦人科で排卵誘発剤を打ち強制的に排卵を起こそうとしたのですが、そもそも身体が排卵できる状態ではなかったため、卵子が卵巣内に留まっちゃったんです。その治療によって多嚢胞性卵巣症候群になってしまったということが、別の病院に行って分かりました。当時は、妊娠しにくくなると言われたことが、女性として当たり前にできるとされていることが私にはできないという気持ちになってショックでしたが、子どもを持てなくても私は私のままで、なにかが欠けているわけじゃないということを、一年くらいかけて受け入れていったように思います。

高島:20代の終わりで結婚をしましたが、年上の夫が順調にキャリアを積んでいる姿を見ながら、自分はまだ駆け出しのように感じていました。そのため、仕事をがんばりながら、もし子どもができたらそのときに考えようと思っていたのですが、できることはありませんでした。それに抗うこともせず、私はきっと子どもは持たないんだなと思い、ゆるゆるとここまで来ました。

これに対して、フリーライターとして働く秦さんは、「目の前の仕事に追われていると、じっくりと将来の自分について考えたり決めたりする余裕もなかなかない」と話します。

秦:自分の気持ちと向き合いきれていないままに、年齢だけ重ねてしまい、今に至る、という女性は少なくないのではないでしょうか。

子育てをしながら働く女性は増えましたが、未だ家事育児の大半を女性が担うという構造は維持されています。また、育児や家事の負担の少ない男性を基準に作られた働き方がデフォルトとなっている社会では、「子育てと仕事を両立するには、結局自分の努力でがんばるしかないのではないか」という思いを抱える人は少なくないように思います。

秦:スーパーウーマンみたいな人じゃないと、子育てしながら仕事はできないんじゃないかという思いがあって。仕事も子育てもこなしている周りの友達を見ていても、本当にすごいなぁと大尊敬。一方、自分一人のことで精一杯な私にはとてもじゃないけれどできないと、自信をなくしてしまうんです。

信近さんも、「仕事と子育てを両立してる方はたくさんいるから、二択じゃないのは分かってるんですけどね。私は30代後半で起業したので、この働き方だと今からは無理だと思ってしまう」と同意します。

一方で、移住先のアメリカで子育てをしているcumiさん。仕事や生活に区切りがついたタイミングで子どもを授かったといいます。

cumi:13年ほど前に、仕事を辞めて夫婦で1年間アメリカで暮らしていたんですが、働き詰めだった生活を一度リセットしてゆとりを持ったこと、子どもと関わるボランティアをしていたことをきっかけに子どもが欲しいと強く思うようになりました。その後一度日本に戻って現在の会社に入ったんですが、子どもが欲しいという気持ちを置き去りにすることができずにいたところで自然妊娠をしました。

「日本だと選択の自由が自己責任論とセットで言われることが多い気がします」(秦レンナ)

「産めない、産まない、産みたいけど産めないなど、子どもがいない人にもグラデーションがあって、立場や想いはそれぞれに異なってくるし、年齢やタイミングによっても変化するはず」と話す秦さん。「自分自身、30代に入ってから悩む内容も変わってきたり、周囲を見渡してみても、抱える事情や、働き方など、それぞれに異なる立場の女性が増えてきた実感がある」といいます。そこで、異なる立場から手を取り合えるように、まずはそれぞれの抱えているモヤモヤをこの場で話してみようと呼びかけました。

高島:子どものいる友人とご飯行くときに、やっぱり夜誘うと悪いかなと遠慮します。自分は自由に暮らしているということに勝手に申し訳なさを感じたりも。

秦さんも、仲のいい友達との悩みが異なるからこそ自分のしたい話を遠慮してしまい、距離ができてしまうことを寂しく感じていると話します。

秦:友達と集まったときに恋バナとかをすると「まだ恋なんかしてるの?」みたいな空気になってしまいそうで、勝手に自粛してしまうことって、ないですか? みんなはもう恋愛は卒業して、今は子育てで忙しいというのに、いつまでも変わらない自分が恥ずかしくなってしまう。でも、今の自分にとってはそれが一番聞いてほしい話なんですよね。それぞれに大変なことが違うようになった今、以前のように同じ温度感で語り合うことは難しいと感じることがあります。

子どもがいる人もいない人も、手を取り合えるように。「プリーツ倶楽部」イベントレポ

会場には子どもといっしょに参加した方や、男性の参加者も

一方cumiさんは、子どもの都合でミーティングをキャンセルしてしまうことなどに申し訳なさを感じるそうですが、日本に住んでいた頃の方が、自分の立場を理解してもらえないんじゃないかという不安を感じたといいます。

現在アメリカのサンフランシスコ・ベイエリアに住むcumiさん。アメリカ国内でも住む場所によってさまざまな状況があるといいますが、cumiさんの生活圏では、子どもを産むも産まないもそれぞれの自由だという前提が共有されていて、その選択について周りは尊重することが当たり前という空気感があるといいます。

秦:日本だと選択の自由が自己責任論とセットで言われることも多い気がします。何か困っていても、1人でいることを選んだのはあなたでしょ、子どもを産むことを選んだのはあなたでしょという、自己責任論にされる冷たさを感じてしまう。アメリカでは互いに助け合うような目線もあるのでしょうか?

cumi:電車やバスでも周りの人は子どものことを気にしないし、何かあれば助けてくれるような雰囲気があります。実際に電車で子どもが泣いてしまったときに、隣に座っていた女性が抱っこしてあやしてくれた経験があります。

信近:初めて犬を飼ったときに、自分の近所にたくさん犬がいることに気づいたんです。この話を友達にしたら、妊娠したときに「周りにこんなにたくさん小さい子どもがいたんだと思った」と同じことを言っていて。立場の違いによって、気付けていない、察せられてないことが結構ある気がします。

高島:会社員をしていたときに、同僚の働いているお母さんを見ていてすごいなと思っていたのは、夜ご飯帯から夜10時くらいまでは連絡が取れなくて、10時から12時台になるとどんどんSlackが返ってくること。本当に大変だなと思うけど、そういう働き方をしないで済む環境を作ろうよと会社になにか働きかけをしたかというと、まったくしませんでした。そういう配慮はできていなかったですよね。

「敵対しなくていい女性たちが敵対してしまうのは、社会の仕組みも原因」(秦レンナ)

小さな子どものケアには臨機応変な対応が必要ですが、誰しも忙しいのが現実です。余裕のない仕事環境において、子どもの事情で急遽仕事を休まなければいけなくなった人の代わりを子どものいない人が担うという場面も見られます。そのような状況が積み重なると、双方の立場で焦りや不安が加速してします。職場における子どもの有無によって分断を作らないためには、何ができるのでしょうか。

信近:そうした状況で休むことは仕方のないことですよね。一方で、子供がいない側は自分のタスクが増えていくストレスで鬱になったり退職したりという現実がある。本当は、他の人にしわ寄せがいかないようにもう一人採用するとか、会社が体制を整える必要があるんですよね。自分にタスクが溜まってきてしまうと、相手が悪くないと分かっていても、「私が負担するのが当たり前なの?」と分断が生まれてしまうと思います。私は会社を経営しているので、余計に分断の起きない組織づくりについて考えています。

秦さんも「本来敵対しなくていいはずの女性たちが敵対してしまうのは、社会の仕組みも大きな原因」だと同意します。

秦:一人ひとりに余裕がなくて、誰もにケアが必要なはずなのに、それが行き届いていないと感じます。だから当人同士がギスギスしてしまう。

cumi:負担のアンバランスさがあると、みんなが不満を持ってしまいますよね。アメリカだと、そんなときは会社を訴えたり、ボイコットをしたりするのが一般的なんです。不満を吐き出す先が他の立場の人ではなく、根本にある会社に向いています。日本では、そもそも国に対して不満をぶつける習慣があまりないですよね。もっと気持ちを訴えようとする意識や方法がちゃんとあれば、必要のない対立は起こらないようにも思います。

多様な立場の人との対話の場を。グループセッションで打ち明ける互いの思い

トークの後は参加者によるグループセッションに入ります。事前アンケートに基づいて行われたグループ分け。アンケートには「未婚だがパートナーあり」「子どもを望んでいるが、いない」「子どもを望んでいるが、持つことができない」など、「子どもがいる/いない」という二択ではなく、さまざまな選択肢が。できるだけ多様な立場の人と話せるように4つのグループが作られます。

子どもがいる人もいない人も、手を取り合えるように。「プリーツ倶楽部」イベントレポ

事前に配られたアンケート

あるグループでは、「どの立場にいても自己責任と言われる」ことが分断を生み出しているのではないかと話します。社会の改善ではなく自己の解決を求められることによって、一人ひとりが苦しい立場になってしまうのではないかといいます。

「職場などでも、立場が違う人と、なにを感じているか、どう思ってるか、ちゃんと話したことがないなと思いました。お子さんがいる方のなかでも、たくさん仕事もしたくて効率よく働きたい人もいるかもしれないし、子育て重視で仕事はゆっくりやりたい人もいるかもしれない。こういうことは聞いてみないと分からないけど、そもそもコミュニケーションを取る時間がないなと思いました」

子どもを産む/産まないに関わらず、社会からレッテルを貼られ、そして自分自身もアンコンシャスバイアスから誰かにレッテルを貼ってしまっているかもしれないと話すグループも。普段子どもに関わる仕事をしているという参加者は、子どもにもすでに「子どもを持つのが当たり前」というバイアスがあると感じるそう。子どもに対して、多様な選択を示す教育も行うことも社会の整備として必要なのではないかと話します。

近づいて、手を取り合って。「思っている以上に自分は一人じゃない」

グラフィックレコーディングを通して、みんなのモヤモヤをまとめていた清水さん。子どもを持つことを考えていなかった時代から子育てをしている現在までを振り返り、立場の異なる人々が手を取り合って進んでいける未来について考えます。

清水:私も1年前までは、「子ども」という言葉から想像するイメージが、寝ているか、立ってるか、ランドセル背負ってるかの3パターンしか分かりませんでした。でも今では、会場にいるお子さんの月齢がだいたい想像つくようになって。そのような立場から、みなさんの声を聞いていました。30代に入ると一人ひとり大切なものが変わってきて、互いを思っているからこそ申し訳ない気持ちを抱えて、すれ違ってしまった経験を持つ人が多いんだなと思います。そのようなアンバランスさや分断を個人ではなく会社や組織に向けるべきだけど、その方法をあまり習ってないよねという話も出ました。でも、グループセッションでは、教育を通して固定観念を取り払うことや、目に見えない立場を掘り下げることなどさまざまなアプローチが出てきて、分断を乗り越えるための糸口が見えてきたような気がします。

高島さんも「社会全体を変えるのは難しくても、その延長線として話せる仲間を作ったり、自分の会社で実践したりできる」といい、信近さんも経営者として組織づくりに活かしたいと話します。

また、「思っている以上に自分は一人じゃないと勇気づけられた」という秦さん。

秦:本当は思い込み、ということがたくさんあると思います。産んでも産まなくても“申し訳ない”なんて思う必要なくて、お互い頑張っているよね! と称え合い、互いの想いに耳を傾け合いながら生きていきたいですよね。

cumiさんも“人それぞれ”で終わらせず、ともに歩んでいける社会をまなざします。

cumi:少し前の時代では、女性が子育てをしながら仕事をすることは考えられなかったですよね。それがここまでフラットになった。女性たちが手を取り合って時代を切り開いてきた。私たちには争うことではなくて、協力し合う能力がある。だからこそ、次はもっと女性たちが手を取り合って、みんなで話せる場を作ることが大切だと感じました。

立場の違う相手を前にしたとき、相手をうまく気遣えず、遠慮しあって、どこか線を引いてしまうことは多々あるのではないかと思います。忙しない社会を生きながら、余裕がなくなると露わになってしまう溝を見ながら、こんなはずじゃなかったのにと思う人も少なくないはず。普段、子どもの有無は共有しても、そこに至る背景やモヤモヤ、疑問などはあまり話す機会がありません。理解してほしい、理解したい思いが錯綜するようなトークとグループセッションに、理解することとは、対話することなのかもしれないと感じました。

会場ではプリーツ倶楽部メンバーと参加者から寄せられた、「影響を受けた本・映画」の紹介も行われました。まずは本や映画から、対話をはじめてみてもいいかもしれません。

♡プリーツ倶楽部メンバーと参加者から寄せられた、影響を受けた本・映画

📚安宅和人『イシューからはじめよ』(信近エリ)
ロジカルシンキングの名著。幼い頃から音楽の道を志し、10代から仕事を始めた影響で、起業するまでは感覚を研ぎ澄ますことばかりにフォーカスしてきた人生でした。問題の見極め方や、効率的なプロセス設計などをこの本で学び、偏りすぎていた思考をチューニングできたことによって、物事を多角的に捉えられるようになり、とても生きやすくなったように感じています。出口の見えない問題に直面した時、何をしてどこに向かうべきかを導いてくれる地図のような役割の本です。

📚ロビン・ウォール・キマラー『植物と叡智の守り人』(cumi)
ネイティブアメリカンの植物学者がユーモラスな視点で綴る自然と人間との関係のあり方。40歳を過ぎて、残りの人生で何がやりたいかというよりも、子どもたちに何を残せるか(もしくは残さないか)という方へと意識がより大きくシフトしているように思う。そうした中でこの本は私の道しるべ。豊かな心を持ち自然と密接に暮らしてきた先住民の教えは、現代社会に生きる私たちに気づきと希望を与えてくれる。当たり前のようで見失われつつある大切なことを思い出すための本。

📚川内有緒『パリでメシを食う。』(高島華子)
パリで生きる日本人10人のルポルタージュ。うまくいかずに落ち込んだりしながらも、それでも生きている人たちの姿や言葉がすっと心に入ってきてあたたかい気持ちになる。私がこの本を読んだのは、社会人3年目。将来に漠然と不安を抱えていた頃で、決まった生き方を選ばなくてもいいんだと心強かった。初めて読んだときから10年以上経って、今回改めて読み直した。当時とはまたちがう部分に共感して、背中をやさしく押してくれた。

📚エリイ『はい、こんにちは―Chim↑Pomエリイの生活と意見』(清水淳子)
子どもを産むことに対して臆病になってしまっていた頃に出会った本。社会に忖度するつもりなくても、気がつくと何かと流されそうになってしまう日々。その中で本音を隠しそうになる瞬間もたくさんある。生活に本気で向き合うことは、簡単ではないけれど、この本を読むと、自分の本当の気持ちを呼び起こしてくれる。そして、むかつく気持ちや愛おしさ、すべて一緒に混ぜ合わせて抱えて生きることが、悲しさではなく誇りに変わる。

📚リン・エンライト(訳:小澤身和子)『これからのヴァギナの話をしよう』(竹中万季)
生理、妊娠、更年期、セックスのこと。
性教育をまともに受けてこなかった世代であるわたしは、自分の身体のことなのに、なぜだかわからないことだらけのまま大人になってしまった。歴史的背景や現状、個人的なエピソードなどを行き来しながら書かれたこの本をめくるたびに、たとえ誰かになかったことにされても、話し続けることでわたしたちの手のもとに取り返せるんだ、ということを何度も思い出させてくれる。

🎬アニエス・ヴァルダ『アニエスによるヴァルダ』(野村由芽)
「フィクションにも事実を入れる」「絶景よりも、自分がよく知ったものを撮りたい」など、身近なものにこそ光を当てるヴァルダの創作への想いを、自身の言葉で受け取れる貴重な一本。
劇中で触れられる映画『歌う女・歌わない女』には、子どものある・なしの二人の女性が共に「私の体は私のもの 決めるのはこの私」「子どもを産むか 産まないか」と歌う場面も。昔も今もフェミニストであるというヴァルダの作品。自分にとってのお守りのような存在です。

プリーツ倶楽部

「プリーツ倶楽部」は、生理や更年期など日々変化する心や体のゆらぎと共に生きる仲間たちと集い、心身にまつわるエピソードなどについて対話したり共有することで、ゆらぐ日々を心地よく生きられることを目指すコミュニティです。
Instagram

murmo代表 高島華子

映像プロデューサーとして、ドキュメンタリー番組制作やブランドのコンセプトムービーの企画制作などに従事。その後、月経カップやフェムテック製品との出会いをきっかけに、今年4月に月経カップブランド「murmo/マーモ」をローンチ。生理の不快や我慢を減らし、生理ライフが楽になる未来を目指し、活動している。

SISIFILLE ブランドコミュニケーター cumi

幼少期をインドネシアで過ごし、大学卒業後はアパレルでPRなどに従事。2015年に株式会社パノコトレーディングよりオーガニックコットンブランド「SISIFILLE」を立ち上げ、生理用ナプキンの企画を担う。現在はサンフランシスコベイエリアを拠点に、人と人とのつながりやコミュニティーづくりにフォーカスをしてブランド内外で活動している。

Neith代表 信近エリ

2004年よりシンガーソングライターとして自身の作品をリリース。女性が女性特有の悩みによってパフォーマンスを左右されることなく、心身ともに健やかに過ごすサポートをしたいという想いから2020年12月に株式会社Neithを創業し、吸水ショーツや吸水ブラレットなどを販売するRinē(リネ)を展開している。

清水淳子

2009年 多摩美術大学情報デザイン学科卒業後デザイナーに。2013年 TokyoGraphicRecorderとして議論を可視化するグラフィックレコーディングの活動と研究を開始。同年、UXデザイナーとしてYahoo! JAPAN入社。2019年、東京藝術大学デザイン科情報設計室にて修士課程修了。現在、多摩美術大学情報デザイン学科専任講師。視覚言語についてメディアデザインの視点から研究中。著書に「Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書」(BNN新社)。

秦レンナ

1985年生まれ。出版社、新聞社に勤めたのち、ライター・編集者として活動。美容や女性の健康にまつわることを中心に取材執筆・編集、ブランドコピーの作成などを行う。「小さな声に、声なき声に、耳をすます」のがモットー。

『折りたたまれた想いを話そう / about 子ども〰︎さまざまな立場を生きるわたしたち〰︎』

日時:2024年11月4日
会場:下北沢BONUS TRUCK
主催:プリーツ倶楽部
出演:高島華子、cumi、信近エリ、清水淳子、秦レンナ
※本イベントは終了しています

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