起きたら11時。リビングにはわたしの服が散乱したままになっている。シンクの中には昨日食べた食器が乱雑に重なっていた。基本的に最近うちでは料理はれいじくんか泰地くんが作っていて、洗い物はわたしとしんごの仕事のはずだった。ガザのことを考えるようになってから、わたしの家事能力は著しく低下している。(たまにれいじくんに300円を払って1回分の洗い物をやってもらっている)
前からわかっていたことだが、わたしみたいな人間は、インスタグラムのアプリを消していったん離れる時間を設けた方がいいのだった。現地のジャーナリストたちがあげる凄惨な映像を見ること自体が辛いのではなく、それと友人たちの平穏なほんわかしたポストとの落差に、そしてそういったものに対する感情が、コントロールの効かない他罰的な何かに変わりそうになる瞬間そのものにおそろしさを覚える。布団から起き上がれず、部屋は散らかり続け、わたしは今日も誰かに家事労働をやってもらっている。独りよがりすぎてどうしようもない。わたしの生がこうしてぐずぐずに損なわれていること、それ本当に抑圧者の思う壺だよな、と思ってなんだかだんだん腹が立ってくる。
腹が立ってくるのは少し元気が出てきた証拠でもあって、行くかどうかぎりぎりまで迷っていた日暮里の脱衣所のイベントに行くことにする。3日間のパレスチナに関するイベントで、昨日もわたしは同じ場所のイベントに行って、西洋美術館の抗議アクションに参加した作家たちと一緒に小さな報告会のようなことをしてきた。こじんまりした会だったからとても安心できる空間だったけれど、やはりこのことを話すには毎回何か普段とは違う体力がいる。そんな翌日だったので体力的に迷っていたけれど、今日は同じく西洋美術館のアクションに一緒に参加していた中島りかちゃんが小柳さんという方と西岸地区に行ってきた報告会があるので、重い腰をあげてでも絶対聞かねばと思っていたのだった。
日暮里駅から脱衣所まで歩く。お腹が空いてたので近くのコンビニに寄る。これはボイコット的に大丈夫なんだっけ、とうまく確証が持てないままイクラのおにぎりを買う。