昨晩はベッドに入ったのが2時を過ぎていたけど、7時ごろには目が覚める。土曜が出勤日の玲児くんはもう起きて出かける支度をしている。洗面所でおはようと言う。トイレに行って水を飲んでベッドに戻ってしばらくしたらまた寝れた。最近は二度寝がうまくできることが多い。自分の部屋のブラインドを遮光カーテンに変えたことが功を奏している。眠りが浅い原因がそこにあることは明白だったのに数年間そのままにしていた。
9時半過ぎに起きる。冷凍してあるご飯を卵かけにして食べようかと思うけど、もしかしたらお昼に玲児くんが帰って来てご飯を作ってくれるかもしれないので、今から朝ごはんを食べるのは少し遅い気もする。チョコを少し食べて牛乳を飲む。ももちゃんマンとたいちくんはまだ寝ている。パソコンの前に座るけど気もそぞろというか沈みがち。夜にももちゃんマンの展覧会『十年』のオープニングがあるけど、それまでどうしようかと思う。夜まで家で仕事ができる気はしない。今晩もしかしたら会えるかもしれないと思っていた人からまだ連絡がなくて、やっぱり会えないのだろうと思いながらも心のどこかで期待を捨てきれずにいる。ここ最近自分のなかにあるさみしさの問題が大きくなっている。いや、これはここ最近のことではなくてもうだいぶ前からそうなのかもしれないけれど。
東京都現代美術館の展示がそろそろ終わりそうなのでそれを一日かけて見ることにしようと決めたけど、ひげをそったりシャワー浴びたり、起きてきたももちゃんマンやたいちくんと話をしていたらあっという間にお昼になる。たいちくんがお昼を作ってくれて三人で食べる。玲児くんにメッセンジャーでお昼ご飯をどうするか聞くと今日はそのまま出かけるとのこと。ももちゃんマンはギャラリーに在廊するためにご飯を食べたらそそくさと家を出た。5時から新宿でダイインをするデモがあるのでそれにも行くとのこと。
お昼ご飯の片づけを終えるともう2時半過ぎ。アーティゾン美術館でやってるブランクーシのほうが時間がかからなさそうなのでそっちを見に行くことにする。たいちくんは5時からの新宿のデモまでは家にいるつもりだったみたいだけど、私がブランクーシを見に行くと言ったら「俺も行こうかな」と言った。自分の話をたいちくんに聞いてもらいたかったので「行こう行こう。チケットもあるよ」と言って誘った。たいちくんは10分ぐらいでさっと準備をすませた。たいちくんのそういう身軽さに少し憧れる。駅前のコンビニでビールを買う。湿度が高くて曇り空の天気のせいもあって、昼間から飲みたい気分だった。たいちくんは禁酒中だったので飲まない。電車のなかで自分の話を聞いてもらう。自分のなかにさみしさがあってそれは性愛的なものによってしか埋まらない気がしていて、そのことに少し参っている、ただ、性愛と言っても必ずしも身体的なことだけを言っているわけではなくて、何かたがいを求めるようなそういうやりとりのことなんだけど、なんで性に関することがこんなにも自分のなかで大きな意味をもっているのか、いや、なんでとか言ってもしょうがないのかもしれないけど……みたいなまとまらない話をたいちくんはうん、うんと言って聞いてくれる。たいちくんは人を否定しないし馬鹿にしない。いや、するときもないわけではないと思うけど、するとしたらそれは他人を尊重しないような人や態度に対して。あと、たいちくんは「一般的にはこれが基本」みたいな考え方からかなり自由なほうだと思う。だから、自分のなかでもまだかたちになりきっていない考えや悩みをたいちくんには安心して話せる。聞いてもらいたいという気持ちになる。