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自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

前田エマ、中里虎鉄、吉澤嘉代子、Genki Tanakaが着る。デザイナーインタビューも

わたしたちは毎日、服を選んで着ています。その日の自分の感覚に合った服を選び、身に纏った日は、いつもよりも自分の感覚を信じて世界を見つめることができるような気がします。社会で「当たり前」とされている決まりごとによって自分が大切にしているものが押しつぶされそうに感じたときも、自分が身にまとった服や、自分の感覚を忘れずに服を纏った人の姿から、ときに勇気をもらえることがあるのではないでしょうか。

2019年からエイジレス・ジェンダーレス・ストレスレスなドレスをつくり続けているファッションブランド「HOUGA」の2023SSのテーマは「MY WILL, OUR WILL」。世の中にあるなんとなくの決まりや当たりまえという概念は実はどれも曖昧なもので、その決まりに流されず、自分の感覚を見失わないためには、ときに反抗してもいい。そんな強い意思を示せるようなコレクションを提案しています。

今回は、HOUGAデザイナーの石田萌さんにブランドや今季のテーマについての想いを伺い、さらに2023SSコレクションの服たちを、前田エマさん、中里虎鉄さん、吉澤嘉代子さん、Genki Tanakaさんに自由に楽しんで着ていただきました。

自由に、型にとらわれず、たのしんで着る。4人が着こなすHOUGAのアイテム

今回は、普段からHOUGAのお洋服をたのしんで着ているというモデルの前田エマさん、フォトグラファー・アーティスト・エディターの中里虎鉄さん、ミュージシャンの吉澤嘉代子さん、そして3月8日から伊勢丹新宿店で始まるポップアップストアの装飾を務めたフラワーアーティストGenki Tanakaさんに、HOUGAのアイテムを自由に、型にとらわれずにたのしんで着ていただき、下記の二つの質問にも答えていただきました。

🤍自分の感覚、感情を大切にするために、どう生きていますか。
🤍あらゆる決まりや制約にとらわれず、自分の感覚、感情を手放さないで生きられる「あなたの国」があるとしたら、それは、どんな国だと思いますか? 「あなたの国」では、何から自由になり、どんな意思が大切にされているでしょうか。

前田エマ

「自分の中にある“割り切れない曖昧な気持ち”にも、耳を傾け声を聴く」

・自分の感覚、感情を大切にするために、どう生きていますか。

“好き”と“嫌い”に素直になる。
そしてそれと同じくらい、自分の中にある“割り切れない曖昧な気持ち”にも、耳を傾け声を聴く。

・あらゆる決まりや制約にとらわれず、自分の感覚、感情を手放さないで生きられる「あなたの国」があるとしたら、それは、どんな国だと思いますか?「あなたの国」では、何から自由になり、どんな意思が大切にされているでしょうか。

「あなたの国」では、言葉から自由になり、名づけないことも大切にされているでしょう。
言葉にしてしまった瞬間に、逃げてしまうもの、かたちを失ってしまうものがたくさんある。
しかし、名付けられないと大切にしてもらえないものが、今の国には多すぎて、悲しい気持ちになる。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

カーディガン(赤):¥47,300、パンツ:¥29,700、フリルトップス:¥30,800/HOUGA、ほかは前田エマさんの私物

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

パンツ:¥29,700、フリルトップス:¥30,800/HOUGA、ほかは前田エマさんの私物

前田エマ

1992年生まれ。東京造形大学在学中からモデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど、分野にとらわれない活動が注目を集める。2020年にはウェブマガジン「SPINNER」の編集長を務め、企画展のキュレーションも行った。2022年6月、初の小説集『動物になる日』がミシマ社より刊行。

中里虎鉄

「今感じていることを、3分でもいいから向き合ってあげること、その感情を誰かとシェアすること」

・自分の感覚、感情を大切にするために、どう生きていますか。

今の感情に意識を向けること。悲しんでいる、怒っている、喜んでいる。それらの感情は忙しなくすぎる日々を生きていると、疎かにしてしまうときがあります。だけどそうやって今の感情を放ったらかしにしていると、自分の大切にしたいことや、守りたいことが何かわからなくなってくるんです。今感じていることを、3分でもいいから向き合ってあげること。そしてその感情を誰かとシェアすること。「あの時傷ついていたよね」「あの時楽しかったよね」そう言い合える人がいるだけで、たとえ自分が何か大切なことを忘れたり、見失ってしまっても、大丈夫だと思えます。

・あらゆる決まりや制約にとらわれず、自分の感覚、感情を手放さないで生きられる「あなたの国」があるとしたら、それは、どんな国だと思いますか?「あなたの国」では、何から自由になり、どんな意思が大切にされているでしょうか。

幼いころから夢の中に自分の居場所を作り上げてきたように思います。だけどすべてが抽象的で、はっきりと想像することができないことがいつも苦しく感じていました。シスジェンダー規範やヘテロセクシュアル規範が“当たり前”のように存在する現実世界をクィアとして生きることは、自分自身がその規範から解放されても、会話、法律、風潮、公共デザインなどからその規範が滲み出るたびに傷つき、私の一部が削がれていくのです。私のアイデンティティを理由に傷つくことがなく、輪郭のはっきりとした夢を描けること、現実に私の居場所を感じられる場所があること、それが「私の国」になると信じています。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

Tシャツ:¥19,800(4月上旬発売予定)/HOUGA、ほかは中里虎鉄さんの私物

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

フリルハーネス:¥39,600/HOUGA、ほかは中里虎鉄さんの私物

中里虎鉄

1996年、東京都生まれ。編集者・フォトグラファー・ライターと肩書きに捉われず多岐にわたり活動している。雑誌『IWAKAN』を創刊し、独立後あらゆるメディアのコンテンツ制作に携わりながら、ノンバイナリーであることをオープンにし、LGBTQ+関連のコンテンツ監修なども行う。

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吉澤嘉代子さん

「私の手を繋いであげられるのはわたしだけだから、どんなに傷ついたとしても心がいつもここにあることを感じていたい」

・自分の感覚、感情を大切にするために、どう生きていますか。

うれしかったたのしかった思い出を大切にするように、かなしかったさびしかった記憶も大切にしたいです。私の手を繋いであげられるのはわたしだけだから、どんなに傷ついたとしても心がいつもここにあることを感じていたいです。

・あらゆる決まりや制約にとらわれず、自分の感覚、感情を手放さないで生きられる「あなたの国」があるとしたら、それは、どんな国だと思いますか?「あなたの国」では、何から自由になり、どんな意思が大切にされているでしょうか。

私がわたしであるために、貴方にもあなたであってほしい。生まれた星や姿や生きかたを誰にもジャッジされない、しない。名前のない誰かからの視線に支配されない国です。お互いが声を掛けあい認めあう、そんなふうになれたらいいなと思います。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

上に着たフリルスカート:¥40,700、シャツドレス:¥41,800/HOUGA、ほかは吉澤嘉代子さんの私物

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

上に着たフリルスカート:¥40,700、シャツドレス:¥41,800/HOUGA、ほかは吉澤嘉代子さんの私物

吉澤嘉代子

1990年6月4日生まれ。魔女修行育ち。
作詞作曲歌唱の他、楽曲提供なども手掛ける。

Genki Tanakaさん

「自分自身の内と外の領域を自由に横断し、未来に積極的に関わる」

・自分の感覚、感情を大切にするために、どう生きていますか。

良き人であることを放棄する。恋をすること。怒ること。傷つくこと。傷つけること。食べること。負けること。勝つこと。楽しむこと。星を見ること。歯を磨くこと。水を飲むこと。日に当たること。夜風に身をさらすこと。踊ること。許すこと。
それら全てのことに、全身で飛び込んでみること。

・あらゆる決まりや制約にとらわれず、自分の感覚、感情を手放さないで生きられる「あなたの国」があるとしたら、それは、どんな国だと思いますか?「あなたの国」では、何から自由になり、どんな思想が大切にされているでしょうか。

国という制約に対して挑むことのできる国。自分自身の内と外の領域を自由に横断し、未来に積極的に関わることを望む。自由とは、すべてを自らで選択するということを背負いきる覚悟のことだと考えます。あらゆる人生が社会のなかに放り込まれ、関わり、摩擦し、調和する。自身の主義主張がそれぞれ育まれ、世界の発展に具体的に関わり始めたとき、国という概念から私たちは解放され、世界はひとつになれるのかもしれない。そんな夢想を現実にできる国があるのなら、住んでみたいと思います。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

ベロアドレス:¥52,800/HOUGA、ほかはGenki Tanakaさんの私物

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

ベロアドレス:¥52,800/HOUGA、ほかはGenki Tanakaさんの私物

Genki Tanaka

1997年生まれ。フラワーアーティスト 。
2016年、神奈川県藤野町にて自給自足の生活を営みながら、持続可能な社会システムのデザインを志すパーマカルチャーデザイナーの資格を取得。2020年より自身で花を使った表現活動を始める。MV撮影やイベントの装飾、ファッションショーでのパフォーマンスなどさまざまな分野にて創作活動の幅を広げている。

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「ただ生きるだけでも大変な日々ですが、そんな中でも明るく、楽しく過ごしていられるような世界を小さくでもいいから持っていられるように」HOUGAデザイナー・石田萌インタビュー

2019SSコレクションから立ち上がったファッションブランド、HOUGA。すべての人のなかに自分の本来の世界があって、皆が自分自身の世界に辿りつけますようにという願いを込め、「HOUGAの国の物語」というコンセプトを掲げています。ブランドに込めた想い、そして今季のテーマである「MY WILL, OUR WILL」に込めた想いについて、デザイナーの石田萌さんに伺いました。

―HOUGAでは「誕生日でもなんでもない日でも自由に好きなものを着る」という「Unbirthday Party Dress」を提案しています。子どもの頃にパーティードレスを着たときの思い出があるということですが、子ども時代の服の思い出について教えてください。

石田:3歳の頃に親戚の結婚式で着たドレス、小学生の卒業式で着たセットアップ、原宿に通っていた頃のワンピースなど、もう今では着られないけれど、今でも宝物のように大切にしている洋服があります。別に誰も見ていないかもしれないけれど、ドレスアップすることで好きな自分を演じられ、少し前向きに明るく過ごせるような感覚があり、その日はちょっと挑戦してみようかな、と勝手に主役みたいな気分になれるのが好きでした。楽しい思い出とともにあるドレスアップするための洋服が今もたくさん残っています。

―HOUGAの服は、「ジェンダーレス・エイジレス・ストレスレス」というコンセプトを掲げ、ジェンダーや年齢、体型による着方の制限などはなく、その日の自分が心地よいと感じる感覚に素直に着てほしいという想いからアイテムを提案していますが、それはなぜですか?

石田:自分自身、自分の心をもっと大切にしたいと考える中で、当たり前のように体型や年齢によって着る服を制限されることに、とても違和感と疎外感を感じていたからです。目まぐるしく変化していく世界の中、ただ生きるだけでも大変な日々ですが、そんな中でも明るく、楽しく過ごしていられるような世界を小さくでもいいから持っていられるように……そんなブランドでありたい……と思っています。洋服くらいにはストレスを感じないように。自分の感覚に素直に、居心地のよい洋服をつくっていきたい……という思いから、今のコンセプトを掲げています。

―石田さんは子どもを産んでからご自身のブランドを立ち上げられています。母になってからブランドを立ち上げるという自身のキャリアについてどのような意思を持っていますか? また、その中で女性であることで制約を感じることはありますか?

石田:洋服をつくらずにいることが精神的に難しかったので、ブランドを立ち上げました。さまざまな役割のなかでの物理的な制約は避けられないけれど、いつも自分の感情・感覚を大切に、どんなことがあっても続ける、という意思を持っています。出産や子育ての制約の中から生まれたドレスも多いです。

―HOUGAでは毎シーズン、「HOUGAの国の物語」をコレクションテーマに掲げています。石田さんにとって「HOUGAの国」とはどんな国ですか?

石田:住民たちが、一番心が穏やかで、自分自身の姿でいられる、違和感のない、最もリアルな「普通」の国です。あなたの心の中にもある国です。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

自由へのデモ”をテーマに行ったSS2023のランウェイショー。HOUGAの国の戦士たち。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

SS2023 Show Back Stage

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

SS2023 Show Back Stage

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

SS2023 Show Back Stage

―2023SSのテーマは「MY WILL, OUR WILL」です。世の中にあるなんとなくの決まりや当たりまえという概念に対して、自分の感覚を見失わないようにという強い意思を込めたコレクションにしたきっかけや、自分の感覚や感情を大切にすることに対する想いについて教えてください。

石田:私自身も多様な価値観の中で自分の感覚をすぐに見失ってしまうので、簡単なことではないけれど、もっとみんな自分の心に優しくなってもいいのでは、と感じたのがきっかけです。みんな違っても、それは孤独ではなく、目には見えなくても、感覚や気持ちこそが現実だと思います。HOUGAのドレスを通して、少しずつ違和感を埋めていきたいです。

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

2023SSのショーの様子

自分の感覚を見失わないように。「HOUGA」のドレスを4名が自由に着る

2023SSのショーの様子

4人が着たアイテムは、伊勢丹新宿店で行われるポップアップストアでも手にとっていただけます。自分だけの「HOUGAの国」を見つけに、ぜひお立ち寄りくださいね。また、HOUGAの服の自由な着こなしは、Instagramの「HOUGA COMMUNE」アカウントでもご覧いただけます。

石田萌

慶應義塾大学文学部美学美術史専攻、エスモード・ジャポン東京校卒業。第86回装苑賞佳作1位、第11回YKKファスニングアワード優秀賞受賞。株式会社BIGIにてレディースの企画を経験し、出産を機に退職。2019年春夏シーズンから『HOUGA』をスタート。

HOUGA

デザイナーの石田萌が手がけるウィメンズブランド。2019年春夏シーズンからスタート。コンセプトは「Unbirthday Party Dress」。HOUGAは日本語の”萌芽”から。立体感や曲線、フリルなどの有機的なシルエットや、何通りにも着ることのできるウェアが特徴的。

Website

HOUGA COMMUNE vol.01

日時:2023年3月8日(水)〜14日(火)
場所:伊勢丹新宿店本館2F TOKYO CLOSET

自分の感覚、感情を大切にすること。毎回、様々な方とのコラボレーションでつくっていくHOUGA COMMUNE。第1回はフラワーアーティストGenki Tanakaとメディアme and youとつくるCOMMUNE。会期中、新作の春夏コレクションをはじめ、人気のフリルシリーズやドレスなど、様々なHOUGAのアイテムを展開いたします。

※ご試着された方にスナップを撮らせていただく場合がございます。ぜひご協力いただけますと幸いです。

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